看護師になるには資格が必要! 受験資格を解説|看護師を目指せる学校を紹介
看護師になるには、まずは年1回おこなわれている国家試験に合格しなければなりません。しかし、その国家試験を受験するために、まずは受験資格を満たす必要があります。この受験資格にはいくつかのルートが設けられており、それらいずれかの条件を満たしていなければ、受験することはできません。
そこで今回は、看護師になるための受験資格のこと、さらに看護師を目指せる学校をいくつかご紹介します。これから看護師になろうと考えている方は、ぜひ参考にしてくださいね。
看護師になるためには資格が必要!
看護師には、「看護師」と「准看護師」の2種類があります。看護師になるためには厚生労働大臣発行の国家資格を取得しなければならないのに対して、准看護師になるためには都道府県知事発行の免許が必要です。
ここでは、看護師の国家試験の詳細やその受験資格をくわしく解説します。
看護師は国家資格! 国家試験に合格しよう
看護師は国家資格ですので、年一回おこなわれる国家試験を受験して合格することで看護師免許を取得できます。2022年の場合、試験開催地は北海道、東京都、大阪府などを含む全国12都道府県で行われる予定です。
受験手数料として、5,400円の費用がかかります。試験問題は大きくわけて、「必修問題(50問)」「一般問題(130問)」「状況設定問題(60問)」の3種類。それぞれの分野をまんべんなく勉強しておく必要があります。
受験手続きをおこなうためには、受験願書と縦6cm×横4cmで6カ月以内に撮影した写真を、縦23.5cm×横12cmの返信用封筒で送付します。ほかにも、指定学校の修業証明書などが必要です。
国家試験の受験資格とは? おもなルートを解説
国家試験は誰もが受けられるものではなく、所定の受験資格を所有していなければなりません。ここでは、実際にどんな受験資格が必要となるのかを確認しておきましょう。
1. 高校卒業後に選べるルート
まず、高校卒業後に選べるルートについて確認しておきましょう。高校に入学する段階で、看護師になる進路を決定していなかった人におすすめのルートです。
4年制大学の看護師課程で学ぶルート
最も一般的なのは、高校卒業後に4年制大学の看護師課程へ進学して卒業するルートです。看護師になるための大学には、「総合大学」と「医療大学」の2種類があります。総合大学は教養科目の選択肢が広く、大学自体の規模も大きいことから、さまざまな学部の学生と交流をして幅広い知識を得ることが可能です。
一方、医療大学の方は専門性が高く、同じ志を持った学生が在籍しているため、互いに知識を高めていけるという特徴があります。卒業後のキャリア支援プログラム制度が充実している大学も多く、就職に直結しているのがメリットです。
養成所の看護師課程で4年学ぶルート|統合カリキュラム
高校卒業後に統合カリキュラムを採用した看護系専門学校で4年学んでも、卒業と同時に国家試験受験資格を得ることができます。
1996年8月に導入された総合カリキュラムは、看護師教育と保健師教育を統合して実施することで効率化をはかり、教育内容の重複を避けて卒業要件の単位数を減少させたものです。
短大や養成所の看護師課程で3年以上学ぶルート|統合カリキュラム除く
上記のルート以外に、高校卒業後に看護師課程のある短大や養成所で3年以上学ぶというルートもあります。この場合、統合カリキュラムは含まれません。
2. 中学卒業後に選べるルート
中学を卒業した段階で、専門の高等学校に進学するという方法もあります。早いうちから看護師になることを目指している人には、おすすめのルートでしょう。
一貫教育校で5年間学ぶルート
中学卒業後に選ぶルートとしては、高校・高校専攻科の5年一貫教育校で学ぶのが最も一般的です。
5年一貫教育では、最初の3年間で普通教科と看護に関する基礎科目を学習し、後半の2年間で看護の専門科目と教養科目、業務について学びます。
3. 准看護師資格取得後のルート
一度、准看護師になったあとでも、看護師の受験資格を得ることもできます。ただし、そのためにはまず看護師学校養成所2年課程を修了しなければなりません。
3年以上の実務経験など+養成期間2年の養成所や短大で学ぶルート
現場で実務経験を3年以上積んだあとに、養成所などで学び、受験資格を得るという方法もあります。この場合には、養成期間2年の養成所や短大で学業を修了しなければなりません。
7年以上の実務経験+通信制で2年学ぶルート
もうひとつのルートは、7年以上准看護師として実務経験を積み、通信制で2年間学ぶというものです。通信制ですので、働きながら受験資格を取りたい人にはぴったりのルートでしょう。
看護師を目指せる学校を紹介!
看護師を目指せる大学や短大、専門学校はいくつかありますが、それぞれに特徴やメリットがあります。
ここでは、それらのなかでも人気のある学校を大学・短大・専門学校にわけてご紹介。看護師を目指すための学校を探している方は、参考にしてみるとよいでしょう。
看護師を目指せる大学
看護師になるために本格的な勉強をしたいのであれば、やはり大学に通うのが一番でしょう。看護師を目指せる大学のなかでも、とくに志願者の多いといわれている東京都立大学と北里大学をご紹介します。
東京都立大学|健康福祉学部 人間健康科学研究科 看護学科
東京で唯一の公立大学である東京都立大学では、医療機関を中心とした看護に加えて、在宅看護や地域看護、家族看護などといったさまざまな知識や技術を学ぶことが可能です。
さらに、看護の倫理学・管理学などの科目で、倫理的な判断能力、マネジメント能力の基礎も身につけることができます。
北里大学|看護学部
神奈川にある北里大学は、医療のスペシャリストを育成するための充実したカリキュラム、および国家試験に向けた総合的な学習を学べる学校です。
こちらの大学では、1年次から看護の基礎や専門を履修。その後、人体に関する基礎科学を看護学とリンクさせて学んでいきます。
看護師を目指せる短大
看護師を目指せる短大の就学期間は3年間です。そのため、四年制の大学よりも効率よく、資格を取得するための勉強ができるでしょう。つづいては、神奈川歯科大学短期大学部と埼玉医科大学短期大学の2つの短大をご紹介します。
神奈川歯科大学短期大学部|看護学科
神奈川県横須賀市にある神奈川歯科大学短期大学部看護学科は、少人数を対象にした実践的な教育と充実した施設・設備で人気の学校です。
こちらでは、専任教員が学生ひとりひとりにアドバイスをおこない、学校生活をサポートするチューター制度を実施。そのため、進路や目的に合った指導をしてくれます。
埼玉医科大学短期大学|看護学科
高度医療機関 埼玉医科大学病院に併設されている埼玉医科大学短期大学看護学科では、柔軟な考察力や総合的な判断力を身につけられる学校です。
1・2年次は看護の基礎と専門基礎知識を学び、3年次には実習での実践を通して知識や技術を確認、習得したのち、国家試験合格を目指します。
看護師を目指せる専門学校
総合大学の看護学科と違い、看護専門学校ではより専門的で現場に即した知識やスキルを学ぶことが可能です。ここでは、東京女子医科大学看護専門学校と横浜市病院協会看護専門学校の2つの専門学校をご紹介します。
東京女子医科大学看護専門学校
2021年に東京都足立区に新キャンパスが誕生した東京女子医科大学看護専門学校は、大学病院と渡り廊下で接続されており、大学病院と協働した実習指導をおこなっていることで人気の学校です。
1年次で医学や看護を学ぶために必要な基礎知識を学んだのち、2年次では病態治療論などのより専門的な分野を学んでいきます。
横浜市病院協会看護専門学校
横浜市病院協会看護専門学校は高度医療に対応した専門的な知識、技術を保有する看護師を養成するために創立された学校です。
地域で必要とされている医療に適応できる豊かな人間性と、高度医療に対応した専門的な知識、技術を学ぶことができます。
自分に合った学校を選んで看護師を目指そう!
看護師になるためには、国家資格を得る必要があります。しかし、その国家資格は誰でも取得できるものではなく、看護を学べる大学や短大、専門学校などを卒業して、受験資格を先に取得しておかなければなりません。
日本には現在、看護について学ぶことのできる教育・養成施設がたくさんあります。資料請求できるところも多いので、看護師になりたいと思っている方はぜひ一度資料請求をしてみることをおすすめします。そのうえで、ご自身に合った学校を選んで看護師を目指してみましょう。
引用元:
厚生労働省 看護師国家試験の施行
厚生労働省 看護師になるには
日本看護協会 看護職になるには