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特集・コラム 2021-10-08

看護師の男性の割合とは? 給与はどれくらい?|将来性について解説

看護師というと、女性の仕事というイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。しかし、最近は、看護師は女性だけの仕事ではなく、男性の仕事のひとつでもあります。とはいえ、圧倒的に女性の割合が多いといわれている看護師。ここ数年の男性看護師は、一体どれくらいなのでしょうか。

今回は男性看護師の割合や給与、将来性について解説していきますので、興味をお持ちの方はぜひ参考にしてくださいね。

男性看護師の割合はどれくらい?

男性看護師は需要が高まってきており、その数は増えてきているのが現状です。ここでは、看護師全体に占める男性看護師の割合について紹介します。

男性看護師は7.8%

厚生労働省の調査によると、2016年時点で男性看護師数は9万5,155人で、看護師全体の7.8%となっています。看護師全体に占める女性の割合は92%と圧倒的多数であり、男性看護師はまだまだ少ないのが現状です。

しかし、2004年時点では4万4,884人で、この10年で男性看護師は倍増していることが明らかとなりました。看護師のみならず、今まで男性ばかりだった職場に女性を増やしたり、逆に女性ばかりだった職場に男性を増やしたりといった動きがさまざまな業界で起きています。看護師の業界ではとくにその動きが強く、男性看護師を採用する病院が増えてきているのです。

さらには、これまでは短大や専門学校だけだった看護師養成課程では、2020年から4年制の看護学部が加わったことも男性看護師が増えた要因です。現在はまだ、地域や病院の規模、機能によって差があるものの、今後も男性看護師の割合は増えてくることが予想できるでしょう。

男性准看護師は7.2%

准看護師も、看護師と同様に男性の割合が徐々に増えつつあります。厚生労働省の1996年の准看護婦問題調査検討会で発表された報告書では、「21世紀初頭の早い段階を目途に看護婦養成制度の統合に努める」ことが提言されました。その活動を推進するように、准看護師養成施設とその定員は年々減少しています。

准看護師が看護師になるための移行教育も積極的におこなわれていることから、准看護師数は年々減少傾向です。しかし、男性の准看護師数は2万2,887人で全体の7.2%と、男性の割合としては10年前の6.2%から徐々に増えつつあります。

男性看護師のお給料はどれくらいなの?

近年、需要が高まってきている男性看護師。一般的に看護師というと、高給取りというイメージを持つ人も少なくはありません。ここでは、実際の男性看護師の給料について見ていきましょう。

男性看護師の月給平均は約34万4,000円

2019年の厚生労働省の調査によると、男性看護師の月給平均は34万4,000円となっています。2019年における正社員雇用の男性の統計では、平均給料は約38万円となっており、男性看護師の給料は一般のサラリーマンより約4万円低いという結果です。

ボーナスはどれくらい?

厚生労働省の調査によると、2019年における男性看護師の平均ボーナス額は約84万円です。これを男性看護師の平均給料である約34万円から当てはめると、年間のボーナスの相場は年2.4カ月程度であるということが分かります。

一般のサラリーマンでは、企業の規模が5~29人では年1.96カ月、20~99人では2.2カ月、100~499人では約2.5カ月、500人以上では3.1カ月です。そのため、男性看護師は一般のサラリーマンと比較すると、100~499人規模の企業に勤めているサラリーマンと同程度であるということになります。

男性看護師はどんな病棟や診療科で活躍しているの?

男性看護師は、実際どのような診療科で活躍しているのでしょうか。ここでは、精神科、手術室、救急科、男性専門外来の具体的な勤務内容についてご紹介します。

精神科

精神科での対象領域は精神疾患全般で、具体的にはうつ病や統合失調症、不安症、不眠などの疾患や症状です。精神科の看護師はこういった疾患や症状を持った患者を対象として、薬による症状の緩和、コミュニケーションを用いた精神的ケア、セルフケアの援助をおこないます。

精神疾患を持った患者の症状を緩和するためには、薬の内服が欠かせません。しかし、患者自身では過量服薬などのおそれがあるため、看護師が管理をします。そのなかで症状が改善しているのか、それとも悪化しているのかなどアセスメントをおこないながら管理していくことが重要です。

また、コミュニケーションも大切となります。精神科には薬に抵抗がある方や、自身の思いをうまく伝えられない方も少なくありません。コミュニケーションを図り、関係性を築きながら精神的ケアをおこなっていく必要があるのです。

手術室

手術室における看護師のおもな業務は器械出しと外回りの2つです。器械出しは手術がスムーズに進むように術者にさまざまな器械を渡したり、整理整頓したりします。外回りでは、手術を外からサポートするのが仕事です。

患者の状態を観察したり、手術記録を記載したり、手術を先読みして物品を準備することが求められるでしょう。

救急科

救急科ではさまざまな疾患を対象としていて、症状も風邪などの軽症者もいれば、心筋梗塞などの生死に関わる重症者もいます。そのような方には緊急での治療や検査などが必要となるため、素早いアセスメントをしながら対応していく必要があるでしょう。

男性専門外来

AGAや中高年以降の男性ホルモンの低下による更年期障害、思春期の性の悩みなどを対象としていて、男性特有の悩みに対応しています。問診や治療が順調に進むようにサポートをおこなう仕事です。

男性看護師の将来性について解説

男性看護師は近年増加傾向ではありますが、まだまだ少ない状況には変わりありません。ここでは、男性看護師の将来性についてご紹介します。

男性看護師の需要は高い!

上述した通り、男性看護師の人数は年々増加傾向にあります。ここでは、男性看護師の需要が高まっている理由について解説していきましょう。

病院の受け入れが進んでいる

男性看護師の需要が高まってきているなかで、病院の受け入れも進んでいるのが現状です。男性と女性ではものの見方が違い、ものごとにアプローチする方法も異なります。病棟で男女をバランスよく配置し、患者に多角的に関わるべきだという考え方が浸透しはじめているのです。

以前までは、男性看護師がまったくいない病院も多く、男性専用の更衣室や仮眠室がないという病院も少なくありませんでした。しかし、現在では男性看護師の増加にともない、更衣室や仮眠室などの職場環境も整備されつつあります。

同性の看護を希望する男性患者さんに対応できる

女性の患者が女性の看護師のケアを求めるのと同様に、男性の患者さんが男性の看護師にケアを求めてくる場合もあるでしょう。泌尿器科や若い男性の患者が多い診療科では、とくに男性看護師の担当を希望する方が多くなっています。

男性の看護師がいることで、同性からの看護を希望する男性の患者に対応することができるのです。

女性にはつらい力仕事なども任せられる

看護師の仕事は、ハードで力が必要な仕事も多くあります。患者を搬送したり、入浴の介助をおこなったりと、女性の看護師よりも重い患者を抱えないといけないという場面も少なくありません。そういったなか、男性看護師がいると安心して任せることができます。

キャリアプランの例を紹介

男性看護師のキャリアプランはどのようになっているのでしょうか。実際の例をいくつかご紹介します。

資格を取得してスキルアップ

看護師には、専門看護師や認定看護師の資格を取得するというキャリアアップがあります。これらの資格を取得することで、待遇面がよりよくなるだけではなく、病院内での役割がより重要となり、さまざまな職種と関わる機会も増え、活躍する場が広がるでしょう。

キャリアアップで管理職を目指す

男性は女性とは異なり、出産などのライフイベントにより仕事を途中で離脱する機会は少ないです。研修を受講したり、役割をまっとうしたりすることで、院内で管理職を目指すことも難しくはないでしょう。

経験を活かして独立する|訪問看護ステーション

これまでに紹介した2つの例では、勤めている病院でのキャリアアップでした。この2つの例とは異なり、経験を活かして独立して訪問看護ステーションを設立する例です。

看護技術がなにもない状態で独立することは非常に難しいでしょう。勤めながら訪問看護ステーションに必要な吸引や投薬、酸素療法などについての知識や技術、経験を得て、実際に独立するというのもキャリアアップのひとつです。

近年では、政府の方針として医療の場を病院から在宅での支援が推進されているため、訪問看護ステーションの需要は高まっています。

男性看護師は将来性の高い仕事!

男性看護師の需要は近年高まっており、看護をおこなう現場での役割もますます重要となってきています。男性看護師がいると、職場の雰囲気がよくなったり、スタッフ同士のコミュニケーションもスムーズになったりという声も少なくありません。

近年では男性看護師を採用する病院も増え、求人数も確保されています。そのため、男性の看護師は将来性の高い仕事といえますので、気になっている方は目指してみてはいかがでしょうか。

引用元:
厚生労働省 結果の概要
平成30年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況
賃金構造基本統計調査  2019年
社会医療法人 愛仁会 看護部 男性看護師の活躍
日本赤十字社医療センター 男性看護師の一日
地方独立行政法人 神戸市民病院機構 神戸市医療センター中央市民病院 男性外来
公共社団法人 日本看護協会 専門看護師・認定看護師・認定看護管理者
一般社団法人 全国訪問看護事業協会 訪問看護ステーションを開設したい方

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