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ヘルスケア 2024-07-23

お客様のご家族ともいい関係を築けるのが出張セラピストの醍醐味【もっと知りたいヘルスケアのお仕事Vol.150 POWWOW HOME赤木幹美さん】#1

ヘルスケア業界のさまざまな職業にフォーカスして、その道で働くプロにお仕事の魅力や経験談を語っていただく連載「もっと知りたいヘルスケアのお仕事」。今回は、女性専門の出張整体POWWOW HOME赤木幹美さんにお話を伺います。

スタイリストアシスタントからセラピストに転向した赤木さんは、いくつかのリラクゼーションサロンを経験した後、POWWOWに入社。新規事業の出張セラピストを始めたばかりの頃は、お客様のお宅にたどり着けない、ソファでの施術で力加減が分からずお客様に満足いただけないなど戸惑うこともありましたが、現在ではお客様に協力してもらいながらその場でできる最大限のことをするというところにたどり着いたそう。お客様とはもちろん、そのご家族ともいい関係を築けることが出張セラピストの醍醐味だと語ってくれました。

お話を伺ったのは…
POWWOW HOME
赤木幹美さん

スタイリストアシスタントを経てセラピストに転向。最初はリフレクソロジーサロンにアルバイトとして勤務、美容室併設のマッサージ部門の立ち上げを経験し、その後POWWOW入社。サロンセラピストとして10年活躍した後、新規事業の女性専門出張整体POWWOW HOMEのセラピストに。入社13年目の現在は、1才のお子さんのママとして仕事と育児に奮闘中。

スタイリストアシスタントからセラピストに転向

POWWOWではサロンのセラピストを約10年経験した後、出張セラピストになった赤木さん。

 

――セラピストのお仕事をする前はスタイリストアシスタントをされていたそうですね。

もともとファッションが大好きで、スタイリストになりたくて上京してきたんです。でもアシスタントのときに挫折を経験。

当時、タレントやモデルさんとコミュニケーションをとるのがあまりうまくできなくて、こんな感じだと今後仕事が広がっていかないんじゃないかと思ってしまったんです。いま思うとただの言い訳だったかもしれませんが、そこで諦めてしまってその後何もやりたいことが見つからず…。でもマッサージを受けるのが好きだったので、セラピストに挑戦してみようと行動を起こしました。

――最初はどんなサロンに?

リフレクソロジーや足つぼメインのサロンにアルバイトで入りました。そこに2〜3年勤めた後、美容室を経営していた知り合いの方にマッサージ部門の立ち上げに誘われ、そこにも2年ぐらいいました。その後、ネットでPOWWOWの求人を見つけて現在入社13年目になります。

――POWWOWではサロンのセラピストからスタートしたのですか。

はい。サロンのセラピストを10年やりました。何店舗か異動して、店長も経験させてもらい、新規事業として出張整体POWWOW HOMEがスタート。立ち上げてすぐの頃は、サロンと出張セラピストを並行していた時期もあります。

回数を重ねることでその場に応じたやり方が開発される

「出張先ではお客様にも協力してもらいながら、最大限できる施術をしています」と赤木さん。

――出張整体POWWOW HOMEのサービス内容を教えてください。

なかなか外出できない環境にある女性のお客様のもとへ出向き、POWWOWサロンの施術そのものを受けていただく「女性のための出張整体」です。女性のライフステージには、妊娠、産後、介護、ご自身の病気など外出が難しい時期が何回かありますよね。男性の育児や介護への参加率は年々高まっていますが、女性の負担はまだまだ軽くはありません。まずは女性を笑顔にするというPOWWOWの精神に基づき、筋肉と骨と骨盤からしっかり根本改善していきます。

――お客様にはどんな方が多いのでしょうか。

圧倒的に妊娠中の方とママさんが多いです。POWWOWには産婦人科医監修のマタニティコースや産後ケアコースがあるので、サロンとまったく同じ施術をご自宅で受けていただくことができます。

――始めたばかりの頃は、サロンと勝手が違って大変なこともあったのでは?

出張整体では、ソファや床で施術をすることも多いんです。はじめてソファで施術をしたときは、お客様の足もはみ出てしまうし、片側からしかできないしどうしようかと焦りました。体勢も力加減もサロンの施術ベッドとは違うので力加減が分からず、後日「ここが辛いんだけど」とクレームのお電話をいただいたこともありました。

――それについてはどう対応されたのですか。

もちろん事前に出張専用の研修を受けてからデビューするのですが、改めて出張専用のトレーナーにソファや床での施術を確認してもらい、力加減などを改善しました。

あとはやっぱり場数を踏むことなんですよね。回数を重ねていくと緊張も和らいでくるし、その場に応じたやり方が開発されていきます。こういう場合は自分がベッドから降りた方がいいとか、お客様にはベッドの端のほうに寝てもらった方がいいとか。現在では、お客様にもご協力いただきながら、その場でやれることを最大限やるというところに至りました

――施術以外でなにか失敗談とかありますか?

お客様の家がなかなか見つからなかったことがありました(涙) 表札がないご自宅も多いですし、ちょっと入り組んだところにあるお宅だと検索マップでも難しい地域もあって。予約時間に間に合わないと失礼なので、お客様にお電話したところ、すごく親切に道案内をしてくださって、無事にたどり着くことができました。

お客様のご家族ともいい関係を築けるように

「お客様の家まで景色を見ながら歩くのもすごく楽しいです」(赤木さん)

――出張セラピストのメリットはどんなところですか。

毎日違う場所に出勤するので、ある意味すごく刺激的なことです。初めて降りる駅の周辺情報を調べて、施術後にお目当ての店でランチしたり、施術以外でも楽しんでいます。新しいものや旅行が好きな方には楽しい仕事だと思いますよ。

――逆に大変なことは?

わたしは「初めて」が好きなので、とくに大変と感じることはないですね。同じ場所のほうが安心して仕事ができるという方には、もしかしたら大変と感じることもあるのかも。

――赤木さんが出張セラピストとして心がけていることは?

出張先には、お客様以外にご家族がいらっしゃいます。お客様ご本人にすっきりしていただいて、前向きになっていただくのが目的ではありますが、ご家族ともいい関係を築けるように心がけています

例えば、毎月定期的にご利用いただくお客様のお宅では、小さいお子さんの成長ぶりが手にとるように分かります。テーブルで対面でというわけではないのですが、片付けながら「半年前よりだいぶ大きくなったね」なんてお話することも。施術の間お子さんのことを見てくれているご主人や優しいおじいちゃんとも交流しながら、勝手に子どもの成長を一緒に見守る親戚みたいな感覚になっています(笑)

後編では、出張セラピストのタイムスケジュールや75%という高いリピート率を誇る理由をお伺いします。

撮影/大崎聡
取材・文/永瀬紀子

Salon Data

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