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ヘルスケア 2021-10-16

根本改善系の施術ができる女性整体師として需要を獲得!【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事 Vol.41 女性専門整体サロンHACHIGA 八賀千枝さん #1】

ヘルスケア業界のさまざまな職業にフォーカスして、その道で働くプロにお仕事の魅力や経験談を語っていただく連載『もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事』。

今回は東中野で女性専門の整体サロンを経営している整体師 八賀千枝さんが登場。ウェディングプランナー、不動産営業を経て整体師となった八賀さん。独立開業して8年目となる現在まで2万人以上の施術を行い、高いリピーター率を維持しています。

前編となる今回は、八賀さんのこれまでの道のりと、現在の働き方について詳しくお聞きします。

お話を伺ったのは…

整体師 八賀千枝さん

不動産営業として勤務する傍ら、整体スクールに通い勉強をスタート。名古屋にある有名整体院に入社後、新宿支店の院長に。2014年、独立開業し『はちが整体院』を東中野にオープン。2020年、サロン名を『女性専門整体サロンHACHIGA』に改名。慢性痛の改善をはじめ、小顔矯正などの美容整体やブライダル整体、マタニティ整体など、女性の人生に寄りそう施術を行っている。
Instagram:@chiehachiga

リラクゼーションではない整体との出会いで人生が一変!

会社員時代の根本改善系整体との出会い。 その施術を詳しく知りたいという気持ちから整体にハマったそう

―まずは八賀さんが整体師になった経緯を教えてください。

不動産会社で働いているころ、たまたま名古屋で整体院に行く機会がありました。そこで這うように整体院に来た方が歩いて帰っていくのを見て、すごくびっくりして。それまで私は、整体院=リラクゼーションのイメージしかなかったんですよね。

それからずっとその光景が頭から離れなくて…。仕事をしている間も「何をしたんだろう?」「整体ってリラクゼーションだけじゃないの?」って、ずっと考えていました。

結局、気になって仕方ないから、その整体院に電話して(笑)。どんなことをしたのか見てみたかったので、同じような技術を都内で学べるところがないか教えてもらいました。それから週2日の休みを全部整体スクールに当てて、勉強し始めたんです。

―すごい行動力ですね!そのときから整体師を目指し始めたんですか?

そのときは「プロになりたい」とかではなく、その技術が気になって仕方ない、何をしていたのか知りたいという気持ちだけでしたね。

お世話になった先生はスクールをしていない方だったんですが、毎週のように通って見学させていただきながら、電話番やお客様の案内などを手伝うようになりました。そんな感じで会社の長期休みも1週間通って(笑)。「そんなに勉強したいのね」と認めていただけて、特別に指導してくださることになったんです。

そこから本格的に学び始めたら、すごく楽しくて。そのころから整体師になることも考え始めました。でも1人でやっていく自信がなくて…。どうしようか悩んでいた矢先に、名古屋の整体院の先生から連絡がきて、相談したら雇っていただけることになったんです。

過酷な修業時代を乗り越え、東京支店の院長へ

不動産会社を退職し、整体の修行のため名古屋へ

―そこから不動産会社を退職して整体師としてスタートされたんですね。

その修業時代は、かなり過酷な生活でしたね。修行として勉強させてもらう立場ですから、お給料も家賃と生活費がギリギリ払える程度。でも不動産会社時代にマンションを買っていてローンがあり、名古屋での家賃が払えなかったんです。

それを相談すると、整体院の2階に住んでいいということになりました。でも実際に行ってみたら家ではなく施術スペースで(笑)。当然寝床もないし、お風呂や洗面所もない。ホットカーペットに施術で使うブランケットをかけて眠り、トイレの小さな手洗い台で顔を洗って、銭湯に通う生活が始まりました。

―かなり過酷ですね…。どうやって乗り越えられたんですか?

疲労感はたまったんですけど、勉強を兼ねて先生方が施術してくださって、そのおかげで生き延びられましたね(笑)。

あと入社前に、「修業が終わって一人前になったら、東京支店の院長としてデビューさせてあげる」と言われていたんです。その期待と希望があったので、とにかく勉強だと思って女を捨てて頑張りました。

過酷だった分、一日も早くそこから出たい、早く東京に帰ってお店を出したいという気持ちが持てたんだと思います。半年後、無事卒業できて新宿にお店を出すことになりました。そんなに早く出せると思っていなかったので、すごく嬉しかったですね。

雇われ店長時代はスタッフ1名ながら定休日なしで 9時~22時まで働き詰めだったそう

―そこから独立された経緯を教えてください。

支店とは言え、まったく別の整体院としてのオープンでした。マンションの一室でスタッフが私だけということもあり、女性専用整体院としてスタートしました。

名古屋の師匠は経営や集客にも優れた先生だったので、そういったノウハウも叩き込まれました。オープン前から集客を始め、ホームページを作ったりブログを毎日1本書いたり。当時のSEO対策としてはかなり有効で、初月からありがたいことに70人以上ご予約いただき、2カ月目以降は100人を超えるようになりました。

でも1人だったので体が持たなくて…。当初は師匠の考えで定休日を作っておらず、土日は9時~22時までびっしり予約が入っていて、本当に休む時間がなかったんです。施術の合間に倒れるように寝て、来院のチャイムが鳴ったら起きて…。それが1年半くらい続いたころ、声が出なくなったんです。

―それはストレスで?

ストレスと過労が重なって、風邪をこじらせたのが原因ですね。名古屋からヘルプを頼めないか聞いたんですが、本店も毎日が満員御礼の整体院でしたのでとても人を貸し出せる余裕もない状況で。結局、筆談で乗り越えました。

ただ「このまま続けていたら自分の命がなくなるのでは」と不安になってしまって。定休日や営業時間の交渉もしたんですが、その当時は時代性もあって難しかったんですよね。それで独立することを決意しました。

そんな感じで、本当に過酷な修業期間と雇われ店長時代を経てきたので、今はもう幸せで仕方ないです(笑)。

女性をターゲットにマーケティングして人気整体へ

サロンの壁には開院当初から寄せられたお客様からの手紙や写真が。 八賀さんファンの多さがうかがえます

―独立の際に重視したことは何ですか?

私が行っている根本改善系の整体は、当時女性の先生がほとんどいなかったんです。「根本改善+女性専門」を強く打ち出せば隙間産業的に需要があるんじゃないかなと思いました。それでメニューに美容やブライダル、マタニティなど、女性の需要が高いものも入れました。

あと根本改善系の整体院って、少し怪しい感じというか女性には入りづらい雰囲気のところが多いんです。だからサロンの中はエステっぽくおしゃれにした方が女性受けはいいだろうなと。

そんな感じでいろいろリサーチしてマーケティングして、サロンの概要を決めていきました。それらが女性の心にヒットしたのかなと感じます。

―では現在の働き方について教えてください。

休日は水曜と土曜。水曜日にしたのは、映画館がレディースデーなので(笑)。あと土日どちらかは休みにしたかったんです。仕事のことだけ考えたら土日は一番集客できる曜日なんですけど、私はどうしても友達や家族に会いたくて。やっぱり1日は世の中に合わせたいなと思って、土曜日を休日にしました。

営業時間は今まで11~18時でしたが、結婚を機に曜日によって変えました。仕事が大好きなのでずっとサロンに入り浸っていたんですけど、さすがにそれはまずいなと思って(笑)。現在は15~22時と11~18時の2パターンです。

金曜日は18時までなんですが、翌日が休みなのでコロナ禍前はそのまま旅行に行くことも。プライベートを考慮して営業時間や休日を決められるのは、決定権者が自分ひとりということのメリットだと思います。

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「女性にはおすすめできません(笑)」という過酷な修業時代&雇われ店長時代を乗り越え、自分らしく働けるサロンをオープンした八賀さん。ご自身のライスステージに合わせて営業時間を調整するなど、女性にとって理想的な働き方だと感じました。次回は八賀さんが感じるお仕事のやりがいや大変さ、整体師を目指す人へのアドバイスをお伺いします。

取材・文/山本二季
撮影/高嶋佳代

Information

女性専門整体サロンHACHIGA

住所:東京都中野区東中野1-54-3 OS-FLATS201
TEL:080-8875-3011

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