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介護・看護・リハビリ 2022-02-09

訪問介護へ心機一転!より満足度の高い介護サービスを目指す/介護リレーインタビューVol.25【訪問介護士・仙波 佑さん】#1

介護業界に携わる皆様のインタビューを通して、介護業界の魅力、多様な働き方を紹介する本連載。今回は、新宿区を中心とした介護支援事業を展開する株式会社K-WORKERの神楽坂営業所 訪問介護士・仙波 佑さんへインタビュー。

前編では、仙波さんが介護業界へ進んだきっかけや訪問介護の大変さとやりがいなどについて伺います。後編では、会社の企業理念に沿った考えや今後の目標、介護業界を目指す方へのアドバイスをお伝えします。

身近な方々との触れ合いで自然と介護の道へ

近所の高齢者との交友関係がとても広かったそう。

──介護業界に進んだきっかけは?

高齢者と触れ合う時間が多かったのが大きなきっかけです。

私は、幼少期に祖父が早くに亡くなっているのですが、実家が高齢者が多い巣鴨の近くにあったこともあり、近所の方々と密に関わる機会が多かったんです。身近にいる方々が自分の孫のように可愛がり、気軽に接してくれることがとても暖かくて印象に残っていますね。

──お年寄りと触れ合う環境の中で、自然に気持ちが作られていったのですね。

そうですね。ただ、母親が保育士だったこともあり、その影響で自分も子どもが好きだったので保育士と迷っていました。そんな時、母親が助言してくれたんです。曽祖母が亡くなった際に私が「お年寄りの面倒を見る仕事はないのか?」と聞いたことがあったようで。その言葉を覚えていた母親が「介護に進んだら?」と後押ししてくれたことで介護士を目指し、専門学校に通って介護士資格を取得して介護業界に就職しました。
母親がその言葉を覚えており、勧めてくれたことをきっかけに介護の道へ進むことに決めました。その後、専門学校に通って介護士資格を取得し、介護業界へ就職しました。

訪問介護は『最高の介護』がかなう環境

──今まで訪問介護以外で、特別養護老人ホームやデイサービス、多機能型居宅介護に加えて管理者など、幅広い介護業務や管理職などの役職も経験されている仙波さんですが、管理職を辞めてまで『訪問介護』へシフトチェンジされたのはどんなことが理由でしょうか?

訪問介護だけほぼ未経験だったんです。

あとは、施設で介護をしているうちに気づいたのですが、施設で365日24時間生活をする利用者さまは、「お家に帰りたい」という方が多く見受けられました。
また、ご家族の方が面会に来た際に、私たちには見せたことのない嬉しそうな表情をされることが多くありました。その経験から、自分が利用者さまに満足してもらえる最高な介護をするためには住み慣れた我が家で支援することが必要だと思い、利用者さまのご自宅でできる訪問介護に転職をしました。

──なるほど、自分に置き換えてみても生活環境は大事だと感じます。

ご自宅での介護は、施設での介護とはまた違う安心感がありますからね。

──他の介護サービスにはない訪問介護の良さは環境以外に挙げるとすると、どんなことがありますか?

よくひとり暮らしの方からは『人と話せる』こと、また夫婦間で老老介護をされている方だと、ベッドへの移動ひとつだけでも『手助けしてくれる』ところが大変助かると言われます。

一人暮らしの方は他人と話す機会があまりないため、話している時間はとても楽しそうにされています。「会話をしないとボケてきてしまう」とおっしゃる利用者の方も多く、訪問した際のトークタイムを快く感じてくださる利用者さんが多いですね。

外部の人、例えば、お店の店員さんと少しお話しするだけでも、社会的に繋がっている感覚を感じられる。これはとてもいいことなんです。訪問介護の需要の一つとして、そういった社会的孤立を防ぐといった側面もありますからね。

他職種と連携することがとても大事です

看護師の方からのアドバイスを生かして経験をお話しくださる仙波さん。

──訪問介護というのは、介護に留まらず利用者さまにとって外部との橋渡しになり得るんですね。仙波さんは多様なニーズに合わせて訪問介護をされているようですが、どんな時にやりがいを感じますか?

利用者さまの小さな変化に気づき、いいケアができたときはとてもやりがいを感じますね。やはり、介護はひとりでやるものではなくて、みんなで力を合わせるものだと思っています。医療行為など、直接的に利用者さまの傷や病気を治せるわけではありませんが、『昨日と違う今日に気づく』といったところは長けていると思うので、注力しています。その些細な気づきから医療と連携して、病気を未然に防ぐことにつながるんです。

──まさにひとりではできない、医療と介護の連携プレーがなせる技ですね。

はい。早期発見が必要な傷や病気なども職員の気づきによって早い段階で医師につなげ、防ぐといった連携は大事だと思っています。

連携することの大事さを意識するようになったのも、以前勤めていた施設で看護師の方から「挨拶をするときは、つま先から頭のてっぺんまで見るのが挨拶だ」と言われたことがきっかけです。意識することで、これから良くないことが起きる可能性をひとつずつ未然に防ぐ、ということができるようになると思います。

──納得できるアドバイスですね。介護職をされて大変だと感じられることはありましたか?

先ほど医療と介護の連携プレーが大事だと話しましたが、その連携をとるには他職種の知識が必要になってきます。例えば、ドクター、ナース、リハビリの方、言語聴覚士、作業療法士の方々と連携を取るということは、その知識を持っていなければ密なやり取りが不可能ですよね。薬の名前やその作用の効能、加えて病気に対して飲み合わせの悪い食材を知っていないと、訪問したときに悪影響を及ぼす食材を使用してしまうこともあり得るのです。そこで、介護以外の知識を持っていないとできないことがあることが大変だと感じました。

訪問介護では、物理的な問題で自転車移動が大変だと感じますね(笑)。もともと、体を動かすことは好きなのですが、毎日朝の9時過ぎくらいから夕方の17時まで各お宅を往復しているので、膝にきました。

あと、施設とは違った点でいうと各ご自宅にお邪魔するときのマナーが結構大変でしたね。最初は、玄関に入ったときの靴の置き方が分からなかったり、上着を着たまま家に入ってしまったり…。年配の方だと我々の世代よりもマナーに関して詳しい分、厳しいところもあるので基本的なところから勉強し直しています。

常に利用者さまへ「ありがとう」の気持ちで介護を

利用者さまへ感謝しながら介護をされている仙波さん、温かさが伝わります。

──確かに、お家ごとにも決まりがあったりして覚えるのに大変そうですね。反対に、介護をしていて嬉しいと感じることはなんですか?

介護をしている人のインタビューを雑誌などで見かけたときに、多数の介護士の方が「利用者さまからありがとうと感謝の言葉をいただくことが嬉しい」と答えが多いと見受けられます。でも、私は逆で、今までの日本を支えてきてくれた方々でもあるので、こちらから利用者さまに「ありがとう」の気持ちで接しています。

あと、介護は今日元気だった方が次の日には亡くなったりということもある仕事なので、訪問していつもと変わらない利用者さまを見れるだけでとても嬉しいです。そうした、普通の日々を過ごせることが嬉しいですね。

まとめ

たくさんの介護経験を積み、利用者さまに対して「ありがとう」の気持ちで接しておられる仙波さん。「今までの日本を支えてきてくれた方々に感謝を」と語る姿は、清らかで聡明な印象を受けました。次回は、仙波さんがこなす訪問介護の奥深さや今後介護業界を目指す方へのメッセージをお聞きします!

取材・文/東 菜々(レ・キャトル)
撮影/喜多 二三雄

Information

株式会社K-WORKER 神楽坂営業所
住所:〒162-0041
東京都新宿区早稲田鶴巻町535 翠彩ビル1F
電話:03-6233-8690
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