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特集・コラム 2021-11-19

精神保健福祉士の実習免除制度とは? 実習免除にはどんな条件があるの?

精神疾患を持つ患者に寄り添い、社会復帰に向けて助言や指導、日常生活を送れるような訓練など、支援や援助をするのが精神保健福祉士です。そんな精神保健福祉士になるためには、実習に参加し、国家試験に合格する必要があります。

しかし、国家試験の受験資格として、実務経験または指定校での実習を履修しなければなりませんが、実はこの実習が免除される場合もあることをご存知でしょうか。今回は、精神保健福祉士になるための実習の免除制度の概要と、免除される条件についてご紹介します。

精神保健福祉士の実習免除制度とは?


精神保健福祉士になるためには、座学での勉強以外にも実技演習も必要です。ここでは、精神保健福祉士の実習と、免除制度についてくわしくご紹介します。

精神保健福祉になるために必要な実習とは|精神保健福祉援助実習

そもそも精神保健福祉士になるためには、臨床現場での実践が必要です。教科書や参考書で学んできたことを生かしながら、実践のなかで必要な技術や知識を身につけていきます。精神保健福祉士の受験資格を得るためには、座学の単位だけではなく、実習の単位も取得しなければなりません。

実習内容は、厚生労働省によって定められており、これを履修して単位を習得することが条件です。実習内容の項目には、患者やその家族、スタッフとの円滑なコミュニケーションが形成できるか、患者に合わせた支援計画を立案し、支援・評価がおこなえるのかなどがあります。実際の現場でしか、体験することができない内容が含まれているのが特徴です。

また、多職種との連携や精神保健福祉士という仕事の役割、現場での実際を知ることも実習を行う目的のひとつとなっています。これらを臨床現場で学んだうえで、将来的に精神保健福祉士として活躍していくことになるため、実際の現場を知ることも精神保健福祉士になるためには大切なことです。

どんな施設で実習をおこなうの?|医療分野・地域分野

精神保健福祉士の実習は、医療分野と地域分野の2カ所でおこなわれます。医療分野とは、精神科病院や精神科を有する病院、精神科診療所などの医療機関です。

一方、地域分野は保健所や就労継続支援をおこなう施設、地域活動支援センター、救護施設、発達障害者支援センターなど、地域に密着した施設のことをいいます。実習対象者は、このふたつの分野の両方で実習をおこなわなければなりません。

何時間おこなうの?|210時間の実習

実際に精神保健福祉士の実習時間数としてはどのくらいの時間が必要なのか、気になる方もいらっしゃるでしょう。精神保健福祉士の実習の時間数は210時間必要です。

これは厚生労働省で定められた最低時間数で、これをクリアしない場合、単位がとれないどころか、受験資格を得ることすらできません。精神保健福祉士を目指す方は、厳しい条件をクリアすることで、はじめてその資格を得るための受験資格をもらえます。

どうすれば実習免除になるの? 条件を解説!


精神保健福祉士になるためには、実習が必要不可欠だということを前章で述べましたが、実はこの実習が免除される場合もあります。つづいては、実習が免除される条件について確認しておきましょう。

実習免除制度と対象者|社会復帰に関する相談援助業務経験1年以上

実習免除制度の対象者となるのは、厚生労働省の指定する施設において1年以上の相談援助業務またはサービスなどを提供する業務に1年以上従事した方です。

実務経験のある方は、臨床現場での学びを得ているとみなされるため、実習免除となります。これにより、すでに臨床現場で働いている方がキャリアアップや知識向上のために学びやすい環境が整えられているということです。

社会福祉士は一部免除になることも

精神保健福祉士の資格を取得しようとされている方で、社会福祉士の資格を持っている方も、実習の一部が免除になる場合があります。

それは、社会福祉士の受験資格取得時に「社会福祉援助技術現場実習」と「相談援助実習」を履修している場合です。実習時間の210時間のうち、60時間が免除となるため、150時間(約20日間)の実習のみとなります。そのため、スキルアップしたいという社会福祉士の方も挑戦しやすいでしょう。

実習免除となる実務経験の範囲とは?

実習免除となる実務経験の範囲は決められています。たとえば、精神科病院で活躍する看護師やソーシャルワーカーが精神に障がいのある方を対象にした相談業務をおこなうことです。仮に厚生労働省の指定する施設での業務経験があっても、この業務範囲を満たさなければ実習免除にはなりませんので注意する必要があります。

最近は、地域包括支援センターで精神に障がいのある方を対象にした業務も対象に含まれるようになりました。つづいては、どんな業務が当てはまるのかを確認しておきましょう。

1. 相談業務|社会復帰への情報提供など

精神に障がいのある方を対象にした相談業務では、社会復帰に向けてカウンセリングをおこないます。そして、対象の方が抱える問題を把握して整理したうえで、解決できるようひとりひとりに合わせた情報提供をしていくという流れです。

この業務をおこなうことによって、対象となる方は自分の状況について整理でき、社会復帰に向けて情報を仕入れることができます。

2. 社会復帰に向けた助言や指導|就労サポートなど

社会復帰に向けた助言や指導も、実務経験に入ります。社会復帰を目指す方が多く活用している就労サポートも、実務経験に該当する業務のひとつです。

一般企業へ就職を目指している65歳未満の障がいをもつ方に対し、就職に必要な知識やスキル向上のために助言やアドバイス、指導をおこないます。おもにこの業務を担当するのは、就労移行支援事業所です。

3. 生活技能の訓練|日常生活への適応を目指す

日常生活への適応が困難な方へは、生活技能の訓練をおこなうこともあります。生活技能に該当するのは、時間を決めて掃除や洗濯などの習慣をつけさせることや公共交通機関の利用に慣れさせすることなどです。

ふだんの生活を自立して送れるように訓練や支援をすることで、日常生活への適応を目指します。

4. そのほかの援助|家族や学校への支援

そのほかの援助として、患者本人だけでなく、家族や学校、仕事など、周りの環境の整備や支援が必要になる場合もあります。社会復帰に際して、必要となる環境へのサポートも業務のひとつです。

実務経験として認められないものもあるので注意

上述したように実務経験は多岐にわたりますが、なかには実務経験として認められないものもあります。

たとえば、病棟での食事の介助や入浴の介助です。これは日常生活の介助ですが、精神疾患を持つ患者の自立をうながす支援として認められていないので、注意しなければなりません。

児童が利用者の施設の場合|保護者との相談業務が対象になることも

児童が利用者で、保護者が精神に障がいがある施設の場合、保護者との相談が相談業務の対象になることもあります。

ただし、乳児院の場合は保護者の相談業務のみが対象になるので注意しましょう。このように、相談業務にもさまざまな種類があり、業務内容は多岐にわたります。

精神保健福祉士の実習免除には条件がある!


精神保健福祉士は、精神疾患を持つ人が増えるごとにその必要性を重要視されてきています。人と接する業務内容のため、やりがいを感じながら仕事ができるでしょう。

法律の改正によって、教育カリキュラムが改定されたり、実習の内容や時間が決められていたりと、国家試験を受験するための条件はこまかく指定されています。条件を満たせば実習が免除されるため、精神疾患を持つ患者を支援する施設にすでに勤務中の方でも、スキルアップしやすい環境です。

将来、より専門的に精神疾患を持つ患者の支援やサポートをしたいという方は、この制度を活用して、ぜひ精神保健福祉士の資格取得にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

引用元サイト
厚生労働省 精神保健福祉士養成課程における教育内容等の見直しについて
東京福祉大学 精神保健福祉士短期養成通信課程 基礎科目および実務経験について
日本メディカル福祉専門学校 精神保健福祉士になるための「実習」とは???
YMCA健康福祉専門学校 精神保健福祉科 実習について
日本社会事業大学 精神保健福祉士養成課程
東京福祉大学 精神保健福祉士短期養成通信課程 基礎科目および実務経験について
日本メディカル福祉専門学校 資料① 基礎科目について
専門学校高崎福祉医療カレッジ 【社会・精神】実習免除の実務範囲が拡充となりました!!

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