形式にとらわれないこれからに見合う介護を/介護リレーインタビューVol.25【訪問介護士・仙波 佑さん】#2
介護業界に携わる皆様のインタビューを通して、介護業界の魅力、多様な働き方を紹介する本連載。今回は、新宿区を中心とした介護支援事業を展開する株式会社K-WORKERの神楽坂営業所 訪問介護士・仙波 佑さんへインタビュー。
前編では、仙波さんが介護業界へ進んだきっかけや訪問介護の大変さとやりがいなどについて伺いました。後編では、会社の企業理念に沿った考えや今後の目標、介護業界を目指す方へのアドバイスをお伝えします。
『おそろいの青いユニフォーム』に惹かれて入社を決意
──株式会社K-WORKERへ入社された経緯を教えてください。
当時、ネットではなく紙媒体の求人誌で職探しをしていました。そこで今の会社を見つけ、雰囲気が良さそうだと感じたので応募しました。
あと、会社のユニフォームが青いポロシャツで統一されているのですが、ここも決め手でしたね。僕自身、青がとても好きでしたし、『みんなで同じ色の服を着て仕事をする』という点にも非常に惹かれました。また、今の統括マネージャーが面接してくださったのですが、本当に良い印象で。「ここで働きたい」とより強く思わされました。
また、自分のモットーが「何事もやるときは笑顔で楽しく一生懸命に」なのですが、会社の理念とぴったりで共感でき、貢献していきたいと思いました。
──会社の理念「ひとりでも多くの笑顔のために」に対して心がけていることはありますか?
自分が笑顔でいることに尽きますね。まず、一日の始まりはハキハキとした挨拶が肝心だと思っています。会社内だけでなく訪問先のご自宅でももちろんのこと、地域とのつながりを常に意識してもっと会社の存在を知ってもらえるように、笑顔を忘れずに動いています。
従業員満足度が最優先の働きやすい職場
──他の会社と比べて株式会社K-WORKEの強みや、取り組みなどはありますか?
あまり多く受けていなかったので判断し兼ねますが、入社して感じたことはSNSに意欲的なところが良いと思いました。HPも見やすく、親しみのあるマスコットキャラクターもいて、外部からの印象も良いですよね。
──介護業界となると、どうしても明るいイメージが湧きにくいかと思いますが、株式会社K-WORKERは、明るく楽しそうでとてもいい雰囲気とお見受けしました。その秘訣はなんでしょうか?
従業員への福利厚生がとても手厚い点でしょうか。例えば、新人の歓迎会や忘年会など定期的な飲み会ができないことを考慮して、代わりに社員に月々決まった金額の支給してくださるなど、社長の従業員への気遣いから、職員を大事にしてくれているのを感じます。
ここの会社は、「職員が笑顔になれば、利用者さまも笑顔になり、地域の皆さんも笑顔になる循環ができる」という考え方なので、従業員に寄り添ったケアをしていただいているようですね。
介護だけではなく、お家のお手入れまでが仕事
──従業員の満足度が上がると顧客満足度も上がりますもんね。今後の介護業界で仙波さんが目指す目標についてお聞かせください。
まず今は、訪問介護の基礎を固めたいと思っています。訪問介護は、ただ介護をするだけではなく、利用者さまの身の回りの手助けもします。例えば買い出しですが、購入した食品が型崩れしないような袋詰め作業一つをとっても大事なんです。利用者さまがお金を出して購入したものを袋詰めの際に欠損してしまったりすると、事故として扱われてしまいます。掃除も、雑巾掛けをした際は水をしっかり絞りきって床は滑らないようにすることはもちろん、床自体の痛みなどにも気を配らなければなりません。
──利用者さまの状態だけでなく、住環境の把握やお手入れなども必要なんですね。
そうなんです。滑ってしまうと危ないですし、お手洗いの掃除も放っておくと感染症になってしまう恐れがあったりなど、たくさん気をつけることがあります。そういった日々の生活に関わる全てのケアに対して全力で取り組み、極めることが直近の目標です。
形式にとらわれることなく時代に見合った介護を
──訪問介護は、奥が深いですね。極められた後の目標などあればお聞かせください。
介護は正解がない職業だと思います。なので、形式にとらわれずこれからに見合った介護を追求していきたいです。『こうあるべき』といった固定概念を打開できる策を見つけていきたいですね。
今の会社では、それに伴って、研修センターを作って講師をしたり、職員同士で高齢者に向けたサービスを考案したりするといった取り組みをしています。枠組みにとらわれない介護を目指すためには基礎知識が大事なので、とにかく基盤を作っていきたいと思っています。
──それを実現するために取り組んでいることはありますか?
基礎を固めることに加えて、ケアだけでなく訪問介護以外の知識も勉強していますね。電車の中でも、一分一秒でも無駄にしないように考えながら動いています。
人の『喜怒哀楽』に寄り添える唯一の仕事
──仙波さんが今後介護業界を目指す方に向けて伝えたいことはありますか?
介護は暗いイメージだけでなく楽しいことが多いこと、人の喜怒哀楽に日々触れることができる貴重な仕事なので、そこを全面に発信していきたいです。利用者さまはもちろん、介護職員である自分たちも刺激しあえて、人の感情を共有できる唯一の仕事でもあると思うので。
──確かに、喜怒哀楽という感情に寄り添える仕事って稀ですよね。人も助けられるし、感情に寄り添うこともできる。毎日充実していますね。
「明日は利用者さんとこんな話をしようかな」って前の日から楽しみだったりとか、「明日のケアはこうしようかな」と、考えるのが楽しいです。
──仙波さんのようにやりがいを感じられるようになるためのアドバイスはありますか?今後介護業界を目指される方へメッセージをお願いします。
一番は、「一緒に介護を楽しみましょう」と言いたいです。
ただ、確実に言えるのは「やってみようかな」でできる仕事ではないです。他の仕事でも同じだと思いますが、よく「介護だったらできるかも」と思っている方がいらしゃったりします。しかし、『これなら』ではなく、「『これ』がやってみたい!」と思える気持ちがないと難しい職種です。ぜひ、前向きな気持ちで飛び込んできてほしいですね!
まとめ
介護への思いを聞いているうちに、仙波さんの介護への真摯な思いがとても伝わってきました。少しの好奇心を、確信に変える勇気が仕事をするうえで必要な精神力だということを教えていただきました。
取材・文/東 菜々(レ・キャトル)
撮影/喜多 二三雄