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特集・コラム 2022-11-09

介護とは?介助と看護の違いや介護職のメリット、資格・活躍できる職場について紹介

介護職に従事しようと考えている方の中には、「『介護』とは一体どんな業務を指すのだろう」と疑問に感じている方もいるのではないでしょうか?介護職に従事する前に、「介護」の定義を明確にしたいと考える方も多いはずです。

本記事では、「介護」の定義や類似する言葉との違い、メリットや資格、介護職が活躍できる職場について解説します。

介護職が一体どのような業務に従事して、どのような職場で活躍できるのかを知りたい方は、参考にしてみてください。

介護とは?介助と看護との違いは?


「介護」とは、高齢者や障がい者などに対して、日常生活を送る上での自立支援や身の回りのサポートを指します。

この章では、上記の「介護」の定義を踏まえた上で、以下の3点について紹介します。

・介護の現場がおかれている現状について
・介護と介助の違いについて
・介護と看護の違いについて

これらの現状や意味の違いを知って、介護職の業務について掘り下げて理解しましょう。

介護の現場が置かれている現状

日本における老人介護制度の歴史は、1963年の老人福祉法を契機として、2000年の介護保険法の制定をもって、「社会全体で高齢者を介護しよう」という方針に転換しました。

日本の老人福祉の政策を年代別にまとめると以下の通りです。

・1963年:老人福祉法の制定(訪問介護法制化)
・1982年:老人保健法の制定(老人医療額の制度化)
・1989年:ゴールドプランの成立(施設緊急設備と在宅福祉の推進)
・1994年:新ゴールドプランの成立
・2000年:介護保険法の施行(社会全体で高齢者福祉を担う)

介護保険法の施行によって、社会全体で高齢者福祉を担うシステムに変更され、介護保険が適用されるようになりました。

各市町村が介護サービスや介護施設を対象者に割り振っていた制度から、利用者みずからが介護サービスを選択できるような制度になりました。

民間の介護サービスへの参入が盛んになり、介護業界の働き方や活躍できる場所が広がったというのが制度改革後の状況です。

介護と介助の違い|利用者のそばで動作をサポートする

「介助」は利用者のそばで動作をサポートするといった、より狭い範囲の業務に限定されるのが介護との違いです。具体的には以下のような動作が「介助」としてみなされます。

・入浴補助
・食事補助
・排泄補助

「介護」が高齢者や障がい者などの自立支援や、身の回りのサポートを指し、対して「介助」は利用者のそばで動作をサポートすることがわかります。

介護と看護の違い|医療行為の有無

「介護」と「看護」の違いは、医療行為を含んだサポートであるという点です。病気や怪我をしている患者さんに対して、適切な医療処置を施し、治療する行為を指します。

具体的には、以下のような業務が「看護」としてみなされます。

・病棟での検査・点滴・手術
・訪問介護で患者のケア・医療指導
・介護施設で患者の健康管理・投薬指導

「介護」と「看護」の大きな違いは、医療行為の有無にあると覚えておきましょう。

介護職として働く4つのメリット


介護職として働く4つのメリットは、以下のとおりです。

・年齢・性別に関係なく就職できる
・高齢化社会で介護職のニーズが大きい
・資格取得で収入アップできる
・施設利用者に患者されることも多い

これらのメリットについて知って、介護職を目指すべきかどうか再確認しましょう。

年齢・性別に関係なく就職できる

介護職の特徴として、年齢と性別に関係なく就職できる点があげられます。厚生労働省が発表している「介護労働の現状」の「採用状況」のデータを見てみると、以下のようなデータが読みとれます。
介護職 年齢男性の場合は20〜49歳まで、女性の場合は30〜59歳までがボリュームゾーンで、幅広い年齢層の方が、介護職として活躍していることがわかります。

男女比に関しては、女性が7割・男性が3割前後となっていて、女性の方が多い職場環境ですが、男性でも問題なく就職できる職場です。

高齢化社会で介護職のニーズが大きい

高齢化に伴う介護職のニーズは大きく、介護従事者の人数は年々増加していくという推計が出ています。
上記の表を見るとわかる通り、介護職はニーズが大きく、他の業種よりも就職しやすく転職もしやすい業種だといえます。

資格取得で収入アップできる

介護職は資格を取得することで、さらに収入アップを目指せるのがメリット。介護職の資格は、後ほど紹介する介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修、ケアマネジャーなどが代表的です。

未経験で介護職として働きはじめて、資格取得をして専門性を身につけることで、さらに収入アップを目指せるのが魅力的だといえます。

施設利用者に感謝されることも多い

介護職の仕事は、サービス利用者と近くでコミュニケーションをとることが多くなるので、利用者からの感謝の気持ちを感じられるのがメリットです。「他人の役に立ちたい」と考えている人にとっては、まさにピッタリの仕事だといえます。

介護に関する4つの資格

介護職の代表的な資格には、以下の4つが挙げられます。

・介護職員初任者研修
・介護福祉士実務者研修
・介護福祉士
・ケアマネジャー(介護支援専門員)

これらの資格の特徴と働き方について知って、どのような資格取得を目指すべきか検討してみましょう。

1.介護職員初任者研修

介護職員初任者研修の特徴は、高齢者や障がい者に対するサポートに必要なスキルや知識を証明する資格です。

介護職員初任者研修の受験に必要な要件は、以下の通りとなっています。

・受験資格:なし
・研修期間:約130時間(1ヶ月〜4ヶ月)

より高度な介護系の資格取得に向けた足がかりとして、初めて資格取得を目指すのにおすすめの資格だといえます。

2.介護福祉士実務者研修

介護福祉士実務者研修の特徴は、国家資格である「介護福祉士」を受験するのに必須の介護系資格です。介護福祉士実務者研修の受験に必要な要件は、以下の通りとなっています。

・受験資格:なし
・研修期間:無資格(450時間)、介護職員初任者研修(320時間)

サービス提供責任者になれるので、収入アップのチャンスが増えるのが特徴です。

3.介護福祉士

介護福祉士は介護系資格の国家資格です。実務経験や養成施設での講習を受けて、筆記・実技試験を受けることになります。

・受験資格:ルートによって異なる
・研修期間:所定の実務経験か講習期間がある

サービス提供責任者となり、現場を統括する立場も任せられるのが特徴です。

4.ケアマネジャー(介護支援専門員)

ケアマネジャー(介護支援専門員)は、介護サービスを受ける対象者に向けて、ケアプランを作成し、各事業者や対象者の家族との調整を行います。

・受験資格:所定の業務経験が5年以上、900日以上経験している
・研修期間:16日間87時間

介護現場と関係期間との調整役となり、施設が必要な給付金を受け取るための必要書類を作成・申請する事務業務など、幅広い業務が含まれているのが特徴です。

介護士が活躍できる職場

介護職が活躍できる職場には、以下のような施設が挙げられます。

・入所型・通所型の介護施設
・訪問介護事業所
・医療機関

介護度が軽度な人が通う通所型から、比較的要介護度が高い入所型の介護施設まで、介護職が働ける職場は幅広いです。また、訪問介護に従事する介護職の方がいることに加え、医療機関で要介護者の介助業務にあたることもあります。

介護士の仕事内容について知って、就職先として検討してみよう!


この記事では、介護職の仕事や将来の展望、4つのメリットや介護職の資格4選を紹介しました。介護は「高齢者や障がい者などの自立支援や身の回りのサポート」を指します。

高齢化社会になってから久しい中、介護職のニーズは高まる一方で、就職・転職がしやすい業種です。未経験からキャリアを積めて、資格取得で順調にキャリアアップできるのが特徴だといえます。

未経験からはじめて順調にキャリアを積み、希望する職場で働きたいと考えている方は、介護職として働くことを検討してみてはいかがでしょうか?

引用元:
厚生労働省|公的介護保険制度の現状と今後の役割
厚生労働省|介護労働の現状

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