【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事 Vol.25】株式会社SPES 槌谷伸輔さんが語る、柔道整復師のお仕事の魅力
ヘルスケア業界のさまざまな職業にフォーカスして、その道で働くプロにお仕事の魅力や経験談を語っていただく『もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事』の企画。
前回に続き、ご登場いただくのは、柔道整復師として活動し、「医療オリンピックC-1」2019年大会 診断王の部で優勝した経験を持つ、株式会社SPESの槌谷伸輔さん。今回は槌谷さんが感じるお仕事の魅力や、ヘルスケア業界でお仕事を続けていくためのアドバイスを教えていただきます。
患者さんの人生の一部を共有し、一緒に歩めることが嬉しい
―槌谷さんが感じる、柔道整復師のお仕事の魅力を教えてください。
この業界で働いていらっしゃる方は、みんなそうだと思うんですけど、やっぱり一番の魅力は、患者さんの痛みが改善して喜んでくれることです。
それに加えて、僕が喜びを感じるのは、患者さんの長い人生のうちの、ほんの一部分でも、体の悩みや心の悩みを共有できること。そして、一緒に悩んだり、喜んだりしながら、寄り添って歩んでいけることです。それは、柔道整復師という「お客様に近い」仕事だから、できることだと思います。
―柔道整復師になって、ご自身の成長を感じたことはありますか？
実は僕、柔道整復師になる前は、転職を繰り返していたんです。なかなか仕事が続かず、モヤモヤとしていたところがありました。それが、この仕事を始めてから、初めて自分らしく仕事しているなって感じがあって。
この仕事にやりがいを感じて、自分でやると決めて始めたことで、責任が生まれたんですかね。そういう気持ちを持ちながら、学んでいく楽しさも感じています。
今、仕事が楽しくてしょうがないです。
―逆に、苦労したことや大変だったことは？
今は全然、大変だと感じることはないですね。拘束時間が長いっていうのは、みなさん感じるかもしれません。でも僕は、施術に没頭していると、気にならなくなっちゃうので…（笑）。
院長になりたての時は、集客面で悩んだことはありました。院長を交代したばかりだと、お客様との関係性がまだできていないこともあり、説明したとおりに来院していただけないこともあるんです。来院していただけないと、自分が考えているように治療が進められませんから。
―それはどうやって解決したんですか？
学んでいくしかないですよね。現場で体験して学びながら、お客様との関係を作っていく。
あとは、マインド面も重要だと思います。社内研修で、人間としての価値観や考え方について学ぶ機会があるんですが、そこでの学びが大きかったです。マインド面を学ぶことで、悩むことも減りました。自分のことではなく、患者さんにとって良いことを考えられるようになったというか。言葉にするのは難しいんですけど。
素直に学んでいけば、必ず目標は叶う
―槌谷さんが柔道整復師を続けていく上で大切にしていること3か条を教えてください。
１．素直 ２．勤勉 ３．感謝
「素直に勝る天才なし」っていうじゃないですか。言われたことを、素直に一回受け止めることって、大切だと思うんです。いろいろ勉強していくと、誰かに言われたことを否定したくなることもあるんですけど、それでも一度受け止める。素直に学んだ人に、勝てる人はいないと思うんですよね。素質も大事だけど、学ぶ姿勢も重要。素直さがあれば、どんどん伸びていけると思います。
感謝っていうのは、患者さんだけでなく、自分が関わる全ての人に対して。まずはスタッフ、そして家族、関わっている業者さん…、いろんな人の助けがあって、今の自分がいることを忘れないことが大切だと思っています。
―柔道整復師を目指している人たちにアドバイスをお願いします。
この仕事をしたいと思う動機って、さまざまだと思うんですけど、何かしら叶えたい目標や目的があるから目指すと思うんです。そこを忘れず、ブレずに続けていけば、絶対に目標は叶うと思います。
さっき言った「素直、勤勉、感謝」っていうのも、みんなそういう気持ちを持って、この業界に入ってくると思うんですよね。その気持ちを忘れずにいれば、必ず柔道整復師としてやっていけるんじゃないかなと思います。
―ありがとうございました！ 最後に今後の展望をお聞かせください。
柔道整復師は、怪我を治療する専門の職業なんですが、そこの枠だけにこだわらず、いろいろな可能性を取り入れながら患者さんを治療していきたいと思っています。院には鍼灸師もいますし、整体的な矯正や徒手でのアプローチ、骨盤矯正のベッドなども取り入れています。これからも、たくさん学び、役立てるように頑張っていきたいです。
柔道整復師としてだけでなく、患者さんに寄り添いながら歩んでいくことに、喜びを感じるという槌谷さん。初心を忘れず、素直に学んでいくことが、ヘルスケアのお仕事を続けていく上で、大切なことなんですね。次回は、槌谷さんの手技・技術にフォーカスしてお届けします。
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【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事 Vol.25】株式会社SPES 槌谷伸輔さん流 柔道整復師の手技＆技術>>
取材・文／山本二季
撮影／高嶋佳代
教えてくれたのは…
柔道整復師 槌谷伸輔さん
株式会社SPES 取締役・総院長。FHAシューフィッター。サラリーマンから柔道整復師へ転身。30歳で資格取得して1年後に株式会社こくしゅ塾に入社、その後「株式会社SPES」の立ち上げに参画する。整骨院振興協同組合が主催する「医療オリンピックC-1」2019年大会 診断王の部で優勝するなど、高い実績を持つ。
