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ヘルスケア 2021-03-03

【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事 Vol.23】ヨガインストラクター 西林さきさんが語る「ヨガインストラクターとして大切なこと」

ヘルスケア業界のさまざまな職種にフォーカスし、その道で働くプロにお仕事の魅力や経験談を語っていただく『もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事』の企画。

今回はヨガインストラクターとして幅広く活躍されている西林さきさんをピックアップ。前回は、西林さんがヨガインストラクターを目指したきっかけから、フリーランスで活動していくにあたって心がけたことなどをお聞きしました。今回は、ヨガインストラクターのお仕事の魅力や、これから同じ道を歩む人たちへのアドバイスを語っていただきます!

体と心を同時にケアできることが、この仕事の魅力のひとつだと思います

―ヨガインストラクターのお仕事をしていて面白いと感じるのはどんなときですか?

ヨガインストラクターは人のメンタルの部分にも関わるお仕事なので、スポーツトレーナーの先生とはまた少し違う独特な立場なんですよね(笑)。

前職に勤めていたときに、体験にいらっしゃった50代くらいのマダムの方を担当したことがあったのですが、初めてお会いしたときは、あまり会話を交わしてくださらず、少しツンツンしていらっしゃるような印象があったんです。ですが、ヨガをしながら会話をしていくに連れて何かを感じていただけたようで、そこから毎日のようにレッスンを受けに来てくださるようになりました。そして数日経ったある日、「ずっと一緒に暮らしていた飼い猫が死んでしまったタイミングでヨガに来た。だから始めはいろんなことにイライラしていたし、現実が辛くて運動のよさも分からなかった。」と打ち明けてくださり、閉ざされていたその方の心が、ヨガを通じて少しずつ開いていくのを目の当たりにすることができました。

体が変わると心も変わり、心が解れると体の緊張も解けて不調が改善されていくように、常に相互関係の立場にある体と心に同時にアプローチできるのがヨガの面白いところなので、ヨガによって生徒さんの体と心が健康になっていくのが分かったときは、大きなやりがいを感じられます。

―反対に、ヨガインストラクターの仕事で大変だと感じることはありますか?

ヨガインストラクターは体が資本になるので、体調を崩してしまったときは大変ですね。加えて、ヨガインストラクターの1本あたりのレッスンのフィー(料金)は、実はそんなに高くないので、生計を立てていくためには月に何十本とレッスンを持たなくてはならなかったりすることも。そうなると、健康を発信している立場のヨガインストラクター自身が、いつのまにか体調を崩し、職を離れてしまうということも現実問題としてあったりします。だからこそ日頃の体調管理と、企業さんなどと提携して定期的にお仕事をいただける機会をつくることがフリーで活動している人は特に重要になってきます。

体の知識を持っておくことが、説得力のあるレッスンを展開できる第一歩に

―ヨガインストラクターとして習得しておくべき知識などはありますか?

まずはヨガインストクターになる前から「きちんと体の知識を持っておくこと」がとても大事になります。しっかり知識を習得しておけば、どの筋肉をどう使ったらより心地よくなれるのかといった説明を生徒さんに具体的に行うことができ、実のあるレッスンが展開できるようになると思います。

加えて、生徒さんに絶対に怪我をさせないためにも、解剖学などの知識を深く勉強しておくことをおすすめします。それらの知識は情報が更新され続けているので、日頃から最新の知識を追っておくことが必要になりますが、習得した知識は生徒さんのためになることはもちろん、自分自身の体をより深く知るきっかけにもなります。

―これから同じ道を歩む人たちへ向けてのアドバイスをお願いします。

ヨガインストラクターを目指す際に、まずは資格を取ることを第一に考えられる方が多くいらっしゃいますが、「資格を取得した=先生として活躍できる」とは限らないので、私は資格を取ることよりも、自分の興味がある分野を見つけ、ヨガを教わる先生選びを大切にすることに重きを置いたほうがよいと思います。ヨガの先生は、私のように体に関することに興味がある人もいれば、香りやアロマが好きな人もいたりと、本当に十人十色です。その先生の色によってレッスンの内容や生徒さんへの教え方も変わってくるので、自分が目標とする道に近しい先生の元で学ぶことが、結果としてヨガインストラクターとして活躍できる一番の近道になると思います。自分が何に興味があるのかまだ分からないという人は、直感で興味を持ったレッスンに積極的に参加し、いろんなことを体験して吸収していく中で、自分が極めたいと思う道を見つけることからスタートするとよいのではないでしょうか。

体の知識をしっかりと習得し、自分が目指したい道に近しい先生の元で学ぶことがヨガインストラクターとして成功するカギになるんですね。次回は西林さんの手技・技術についてお届けします!

▽#3はこちら▽
【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事 Vol.23】ヨガインストラクター 西林さきさんが伝える手技・技術>>

取材・文/小沼奈央(レ・キャトル)
撮影/岩田 慶 (fort)

教えてくれたのはこの人!

ヨガインストラクター 西林さきさん

2015年からフリーランスのヨガインストラクターとして関東圏を中心に活動をスタート。ヨガにおけるメンタルケアの側面に着目し、マインドフルネスやリストラティブヨガについて学ぶ。現在は大学時代に学んでいた福祉とヨガを結びつけたレッスンを、赤ちゃんから高齢者までの全世代に向けて発信している。その他、大型イベントやメディア等への出演、企業講演も務めるなど幅広く活躍中。
Instagram:@sakiyoga1206
YouTubeチャンネル:さきヨガちゃんねる

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