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介護・看護・リハビリ 2022-02-21

働きやすい職場環境がより良いサービス向上につながる 介護リレーインタビューVol.27【相談員 西井彩夏さん&介護士 奥村夏帆さん】#1

介護業界に携わる皆様のインタビューを通して、介護業界の魅力、多様な働き方を紹介する本連載。

今回は、中野区で特別養護老人ホーム・短期入所・通所介護・居宅介護支援・都市型軽費老人ホーム・小規模多機能型居宅介護・訪問介護と幅広く高齢者介護を提供する複合施設「かみさぎホーム・しらさぎ桜苑」のかみさぎホームの相談員 西井彩夏さんと介護士 奥村夏帆さんにインタビュー。

前編では、介護業界に就いたきっかけから、かみさぎホームのサービスについて伺った内容などをお届けします。

お話を伺ったのは・・・


かみさぎホーム 相談員 西井彩夏さん(写真左)
大学卒業後、社会福祉協議会で3年働き、2020年にかみさぎホームで相談員として勤務。窓口で様々な手続きや利用者さまの相談など業務は多岐に渡る。

かみさぎホーム 介護士 奥村夏帆さん(写真右)
短大卒業後、2019年、かみさぎホームに入社。介護士として勤務。日々、利用者さまへ心のこもった介助を行っている。

介護業界を目指したきっかけ

笑顔が素敵で明るい雰囲気の奥村さんは、利用者さまからよくお声がかかるそう

ーー介護の道へ進まれたきっかけについて教えてください。

奥村:私は、高校卒業後は保育科を専攻しようとしていたのですが、オープンキャンパスの際に間違って介護科を受けたのがきっかけです(笑)。とりあえず話でも聞いてみようと思い、そのまま授業を受けてみたらやりがいがありそうだと感じて、介護へ進もうと決めました。

ーー間違いが道しるべになるとは…。西井さんが相談員になろうと思ったきっかけはどんなことからですか?

西井:私は、小学生の頃から福祉に関心がありました。というのも、身体に障害があったり、発達に遅れがあったり、親と死別をしている友人が近くにおり、福祉的な支えを必要とする人と関わりがあったんです。物心ついた頃には自然と福祉に進みたいという気持ちが形成されていて、大学で社会福祉学について学びました。

ーー身近な人から影響されることってありますよね。もともと西井さんは、社会福祉協議会にいらっしゃったようですが、かみさぎホームで相談員として働かれている経緯について教えてください。

西井:大学卒業後に社会福祉協議会に就職し、全国各地で研修会を開催したり、取材を行ったりしていました。いろいろな方とお話して勉強になりましたが、仕事の範囲が広がりすぎて、自分の本来の目的を見失ってしまったんです。

加えて、学生時代に児童・障害分野への関心があり学んでいましたが、高齢者の分野が盲点だったこともあり、高齢者と近くで関わることができるかみさぎホームへ入社を希望しました。

ーー奥村さんは短大卒業後にかみさぎホームへ入社されたんですね。

奥村:そうです。でも実は、かみさぎホームともう一つの施設で迷っていたんです。そんなとき、かみさぎホームの実習でお世話になった上長の方から直接誘っていただいたんです。実習中は利用者さまも職員の方もみなさん優しいのがとても印象的で、ここに決めました。

良好な職場環境の中で、より良いサービスを目指す

親しみやすい和テイストの玄関がお出迎え、施設内には温かみのある談話室も

ーー HPで、かみさぎホームが『東京都働きやすい福祉の職場宣言事業所』の認定を受けられていますが、実際に入社されてみて、働きやすさはいかがですか?

西井・奥村:とても働きやすいです!

西井:基本的に、どの職員の方も優しくて温かい人たちばかりです。相談員は、他職種との連携が欠かせません。みんな歩み寄る姿勢があり、本当に連携が取りやすく働きやすいと感じています。

先輩方は、仕事柄、人の異変にも気付きやすく、こちらの少しの違和感にも「体調大丈夫?」とお声がけいただいたり、困ったときにも相談しやすいです。また、仕事面ではもちろん仕事のプロフェッショナルなので、見ていて勉強にもなります。

奥村:よく、他職種との連携が必要な施設では衝突が見られると聞くことがありますが、ここではそんなことは一切なく、むしろ親子関係のような良い関係が築けていると思います(笑)。

ーー働きやすさが十分に伝わってきますね。利用者さまに向けた、かみさぎホームならではのイベントなどは行っていますか?

奥村:今はこんな状況なので、回数はあまりないですが以前には秋刀魚や焼き芋を外で焼いて食べるような催しを行いました。どちらも利用者さまからご好評いただいております。あとは、バザーも…!

西井:そうですね。バザーは利用者さまのみならず、地域の社会福祉法人として公益的な取り組みも視野に行っています。バザーを通して、「リサイクルをしよう」という呼びかけにもなりますし。また、新型コロナウイルスにより外出することに制限がある中で、利用者さま本人が選んで買う、という行為が嬉しいようでした。

ーーこういう状況の中、自分で選べる楽しみがあると生活に潤いが出ますね。
バザーでは地域の方向けにも…ということでしたが、他に行っている外部へのサービスなどはありますか?

西井:はい。近所に住む方への車椅子の貸し出しを無償で行っています。予約などの必要もなく、お気軽にご利用いただけるのでご好評いただいています。

ーーかみさぎホームのサービス向上のために行っていることはありますか?

奥村:昨年からかみさぎホームでは、『ケア向上委員会』を発足し活動をしています。具体的には、「かみさぎホームをより良くするにはどうしたらいいか?」というような問いに対して、私が所属する「日課見直し」チームと、西井さんが所属する「明文化」の二つのチームに分かれて取り組んでいます。

「日課見直し」チームでは、日頃のスケジュールに対して、「本当にこの動作や日課は必要なのか?」「目的と手段が入れ替わっていないか」などと、利用者さまが生活しやすいことを一番に見直しを行っています。

実際にかみさぎホームのサービス向上のために使用されているマンダラートのシート

西井:私が所属する「明文化」チームでは、マンダラートというものを活用しています。曼荼羅模様に似たマス目に、かみさぎホームが目指す姿を書き込んでいくんです。例えば、コミュニケーションを活発にとか一生懸命に取り組む…などと埋めていくと、かみさぎホームをより良くするためには、何が必要なのか目に見えて分かるので、それを元にサービス向上に取り組んでいます。


終始、明るく笑顔で介護業界に就いたきっかけなどの質問にお答えいただいた様子から、人柄というものは、やはり仕事へも直結してより良いサービスに貢献されているんだと実感しました。後編では、お二人の仕事するうえでのコツややりがい、課題についてお伺いします!

取材・文/東 菜々(レ・キャトル)
撮影/喜多 二三雄

Information

かみさぎホーム・しらさぎ桜苑
住所:東京都中野区上鷺宮3丁目17−4 中野区かみさぎ特別養護老人ホーム
TEL:03-3926-8443

 

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