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介護・看護・リハビリ 2022-02-22

相手の立場に寄り添った介護サービスの提供を 介護リレーインタビューVol.27【相談員 西井彩夏さん&介護士 奥村夏帆さん】#2

介護業界に携わる皆様のインタビューを通して、介護業界の魅力、多様な働き方を紹介する本連載。

今回は、中野区で特別養護老人ホーム・短期入所・通所介護・居宅介護支援・都市型軽費老人ホーム・小規模多機能型居宅介護・訪問介護と幅広く高齢者介護を提供する複合施設を展開する「かみさぎホーム・しらさぎ桜苑」のかみさぎホームの相談員 西井彩夏さんと介護士 奥村夏帆さんにインタビュー。

後編では、仕事のやりがいやこの仕事に上手に向き合っていくためのコツ、今後の目標などをお届けします。

お話を伺ったのは・・・

かみさぎホーム 相談員 西井彩夏さん(写真左)
大学卒業後、社会福祉協議会で3年働き、2020年にかみさぎホームで相談員として勤務。窓口で様々な手続きや利用者さまの相談など業務は多岐に渡る。

かみさぎホーム 介護士 奥村夏帆さん(写真右)
短大卒業後、2019年、かみさぎホームに入社。介護士として勤務。日々、利用者さまへ心のこもった介助を行っている。

仕事をしていて掴んだコツ

仕事への大変さとそのやりがいについて柔和な表情で丁寧にお話しくださいました

ーー仕事をしていて、大変なことなどあると思いますが、どんなところに難しさを感じますか?

奥村:そうですね。認知症の方が多く入居されていて、一日に同じ話を何度もされるのですが、それを初めて聞いたように受け取ることが少し難しく感じています。ですが、利用者さまがお話しされている間も楽しんでほしいと思うので、表現を変えて自分も楽しく会話できるように心がけています。

ーー自分も楽しく、というは大事ですね。西井さんはほぼ全てのご利用者さまのご相談などを引き受けていらっしゃるようですね。

西井:はい。ご家族から寄せられる相談は、本当に様々です。その人の人生に関わってくる内容も多いために一筋縄ではいきません。だからこそ、安易に答えが出せないことも答えとして受け入れ、一緒に考えていくことがこのお仕事の難しさであり、奥深さだと感じています。

ーー一緒に考えていく、とは具体的には?

西井:一番大事にしていることは、小手先のスキルよりも『相手の立場に寄り添って考える』です。私は、コミュニケーションに対して少々苦手意識があったので、本を読んだり自分なりに勉強しました。結果として、うまく話そうと意識するのではなく、本当に伝えたいことを自分の中に持つように意識してからは、以前より話せるようになりました。

相談援助においては、無理に言葉を紡ぐ必要はなく、むしろ言葉を引き上げることの方が大切な場面もあるんですね。

ーーなるほど。全てに対して答えを強要せず、相手に寄り添って心を通わせることが大事なんですね。奥村さんは、仕事をしている中で気づいたことはありますか?

奥村:日々、いろんな介助を行っていますが、やはり数をこなすほどわかることが増えていることに気づき、嬉しいと感じました。技術向上のためにも、先輩の介助している姿からそれぞれの良いコツを盗み見て、毎日勉強しています。

あとは、自分の時間も大事にしないといけないと思っています。そのために、会社を出たらもう完全にプライベートと気持ちを切り替えています。体調管理にも気をつけていて、栄養バランスの取れた食事を意識したり、睡眠時間も十分にとるなど、基本的なところから固めています。

やりがいは使命感につながる!

お二人の掛け合いが楽しく、職場の良い雰囲気が伝わってきます

ーー体は大事ですもんね。切り替えができるのは素晴らしいです。やりがいや嬉しいと感じたことを教えてください。

奥村:介助をして喜んでくださったり、「あなたに手伝ってもらってよかった」といった言葉をもらえることが嬉しく、励みになりますね。

西井:私は、使命感を持って仕事に携われることが大きなやりがいです。利用者さまにはこれまでの人生、ご家族やご友人との歴史があります。それら全てを理解することは難しいですが、お一人おひとりと向き合い、想像して尊重する、ということが使命感につながっていると感じています。

相談員は、看取りの同意など重要な場面に関わらせていただくことも多いので、その場に相応しい人になりたいと日頃から意識しています。その中でも一番嬉しいのは、利用者さまやご家族から「かみさぎホームでよかった」とお言葉をいただけたときです。

これからの課題とそのために

終始、真剣なまなざしで真摯にお答えいただきました

ーー施設としてもサービス面に満足してもらえるというのは、嬉しいことですね。
今後、力を入れていきたいことはどんなことでしょうか?

西井:私は、相談員として働きはじめて2年ほどになります。確固とした専門性は身についていませんが、経験が浅い今だからこそ、他職種と関わり合いながら、柔軟にソーシャルワークの本質を見極めいていけると思っています。今は、ソーシャルワークの研修に参加させていただいたり、本を読んだりするなどして、考え方やその専門性について学んでいる段階です。仕事を通して、人が生きる上で大切なことを考えることが多く、日々勉強させていただいています。

奥村:私は、無遅刻・無欠勤を目指しています。一人休むだけで、フロアを回すことはとても大変なんです。あとは、介助は体に負担がかかる動作が多いので『ボディメカニクス』といった、最小限の力で介護ができる介護技術があり、意識して取り入れています。

ーー介護士さんは体が本当に大事ですよね。今後目指されている方へのアドバイスをお願いします。

奥村:プライベートと仕事を分ける、自分の時間をしっかりとることを大事にしてほしいです。あとはひとりで溜め込まずに、人に話を聞いてもらうことをして気持ちを抱え込まないことですね。

西井:使命感を持って働くことができれば、楽しく仕事ができると思います。誰かに必要とされながら使命感を持って働けることは、やりがいであり、生きがいにも繋がると思います。


お二人の仕事に対する姿勢から、相手の気持ちに寄り添って物事を考えることの大事さを改めて痛感しました。当たり前のことを当たり前に、できないことをできるように努力する様子は、必ず自分の力になることを証明してくれているかのようです。

取材・文/東 菜々(レ・キャトル)
撮影/喜多 二三雄

Information

かみさぎホーム・しらさぎ桜苑
住所:東京都中野区上鷺宮3丁目17−4 中野区かみさぎ特別養護老人ホーム
TEL:03-3926-8443

 

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