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特集・コラム 2022-04-07

派遣保育士とは? 保育士が派遣で働くメリットと注意点を紹介

子どもの身の回りのお世話をしたり、成長をサポートしたりする保育士。この仕事には派遣保育士といって、自身のライフスタイルに合わせた働き方が可能な雇用形態があるのが特徴です。

今回は、そんな派遣保育士の仕事内容や給与、正社員やパート、アルバイトなどと比べたときにどこが違うのかをご紹介します。

派遣保育士とは? どういう働き方なの?

正社員やパート・アルバイトで働く人と、雇用主や雇用期間、仕事内容などが異なる派遣保育士。ここでは、派遣保育士とはどんな働き方をする仕事なのかをご紹介します。

「派遣」とは? 正社員やパート・アルバイトとどこが違うの?

派遣会社のスタッフとして働くことになる派遣社員。ここでは、「派遣」という働き方に着目して、正社員やパート・アルバイトとの違いをご紹介します。

雇用主が違う|派遣は派遣会社

正社員やパート、アルバイトとして働く人は、保育園を運営する会社と直接雇用契約を結んでいます。しかし派遣社員は保育園ではなく、人材派遣会社と雇用契約を結んでいるのが特徴です。

つまり、雇用主に違いがあるため、給与の支払い元や福利厚生なども保育園が支払うものではなく、派遣会社から支給されるということになります。

雇用期間が違う|派遣は原則3年

正社員は無期限で雇用されますが、派遣の場合は雇用期間に期限があり、3~12カ月が一般的です。期間中に派遣として入社した場合は、年度末までの契約になるパターンが多いといわれています。しかし短期契約の場合であっても、状況次第で更新されるケースもあるようです。

とはいえ派遣法においては、同じ会社・同じ部署では最大3年までしか契約を結べないという決まりがあります。最大3年までしか同じ保育園で働けない点には注意が必要です。

派遣にも種類がある|一般派遣・紹介予定派遣

派遣には、「一般派遣」と「紹介予定派遣」の2種類があります。人材派遣会社に登録し、そのうえで派遣先の保育園で働くというポピュラーな派遣形態が一般派遣です。派遣先での就業が開始した時点で、雇用が開始されます。

一方で、派遣先の保育園で一定期間働いたあと、正社員として登用してもらうことを前提にした派遣形態が紹介予定派遣です。保育園側と保育士側の双方が同意すれば、正社員として働けるようになります。

ほかの雇用形態との共通点は?|業務上の指揮命令は保育園

派遣もほかの雇用形態と同様に、派遣先の業務命令に従う必要があります。雇用元は派遣会社なので、給与や福利厚生などは派遣会社のものですが、実際の業務では派遣先の保育園の指示を仰ぎましょう。

また、派遣先でなんらかのトラブルがあった場合には、派遣会社に相談することも可能です。

派遣保育士の仕事内容は?

派遣保育士といっても、正社員やパート・アルバイトの保育士と仕事内容が大きく変わるわけではありません。

しかし、担任業務や管理者業務は就業時間の関係などから任されることは少ないです。そのため、残業や持ち帰り業務も少ない傾向にあります。

ただし、派遣先の状況によって、担任を任されるケースもあるので仕事内容の詳細については求人票や派遣元に確認しましょう。

派遣保育士のお給料は? 求人情報をチェック

東京都の派遣保育士のお給料は、時給1,300~2,100円のあいだで、1,500円前後が相場となっていました。

一方、アルバイト・パートは時給1,000~1,500円ですので、派遣のほうがアルバイト・パートよりも時給が高い傾向にあるようです。また、正社員は月給16~35万円と幅広く、管理職に就くと月給30万以上も目指せるでしょう。

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保育士が派遣で働く6つのメリットとは?

派遣保育士の給料の相場がわかりましたが、派遣で働くには一体どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、保育士が派遣で働くメリットをいくつかご紹介します。

1. ライフスタイルに合わせて働ける|出勤日数・時間

派遣保育士として働くメリットは、ライフスタイルに合わせて柔軟に働けることです。「育児・介護と両立するために時短勤務にしたい」「自宅の近くで働きたい」といった希望を叶えられます。

派遣会社に登録するときに、出勤日数や曜日、時間帯などの希望を伝えておきましょう。派遣会社が、希望に沿った派遣先を紹介してくれるはずです。

2. 残業・持ち帰り残業が少なめ

派遣会社が勤怠や給与を管理しているので、突発的な残業は正社員・パートと比べると少ないです。

もし残業が発生したとしても、派遣会社に報告することできちんと残業代が支払われる仕組みとなっています。また、派遣保育士は担任を任されないケースが多いので、持ち帰り業務も少なくなる傾向にあるようです。

3. 派遣会社のサポートを受けられる

派遣先の保育園で仕事内容に不満があったり、なんらかのトラブルがあったりしたときには派遣会社に相談できます。

直接派遣先の保育園に伝えにくいことでも、派遣会社があいだに立って交渉してくれることが大きなメリットです。派遣先でなにか問題があったときには、遠慮なく派遣会社に相談しましょう。

4. パート・アルバイト勤務に比べて時給が高い

一般的に派遣保育士のほうが、パート・アルバイトに比べて時給が高い傾向にあります。前述した東京都の保育士の時給を比較すると、アルバイトの時給が1,000~1,500円、派遣の時給が1,300~2,100円となっているため、短時間でも効率よく稼ぎやすいです。

5. 期間が決まっている|経験を重ねてスキルアップに

派遣は雇用期間が定められており、最長3年と決められているのが特徴です。そのため、3年で別の保育園に移ることになり、いろいろな保育園で経験を積めるメリットがあります。

ひとつの保育園に長くいるのもよいですが、いろんな保育園で経験を積むことでスキルアップにもつながるでしょう。多くの職場を経験することで今までと違う考え方に触れたり、新たな人との出会いがあったりして刺激になることもあります。

6. ブランクがある方・未経験の方でも働きやすい

ブランクがある方や未経験の方でも、派遣であれば条件に合わせて保育園を探せるので働きやすいです。いきなり正社員で働くことに負担を感じる場合にもおすすめです。

派遣として働いて慣れてきたら正社員としての登用を目指す紹介予定派遣もあるので、自身の状況に合わせて派遣先の保育園を選びましょう。

派遣で働く前に知っておきたい4つの注意点とは?

ライフスタイルに柔軟に対応できる派遣ですが、派遣ならではの注意点もあります。派遣として働く前に、事前に知っておきたい注意点を確認しておきましょう。

1. 契約期間は原則3年

派遣では、最短1カ月から最長3年までと雇用期間が定められています。もし派遣先の保育園が気に入って長く勤めたいと思っても、3年以上は働くことはできません。

そのため、せっかく仲良くなった子どもたちの卒園を見届けられない場合もあります。しかし見方を変えれば、さまざまな職場で経験を積めるというメリットにもなります。

2. 正社員との業務内容に差があることも

保育園によって方針は違いますが、正社員と派遣社員で業務内容にはっきりとした線引きがある場合があります。正社員とは異なり、補助的な業務ばかりを担当しなければならない可能性もあるからです。

そのため、保育士として責任ある業務を任されたい方にはデメリットになります。仕事内容については、求人情報や派遣会社に確認をとっておきましょう。

3. 園雇用のスタッフと打ち解けにくいことも

担当業務や給与形態の違いなどから、保育園が直接雇用したスタッフとのあいだに壁ができてしまうことがあるようです。

とくに行事の前後は、持ち帰り業務や残業の仕事量が目に見えて違うため、疎外感を感じる方もいます。これは、入職してみないとわからない部分でしょう。

4. 年収が上がりにくい|経験が給与に反映されにくい

派遣は賞与のない場合がほとんどで、時給制なので長期休暇中に給料は発生しません。そのため、正社員よりも年収は上がりにくいのが特徴です。

また派遣に関しては、厚生労働省の「同一労働同一賃金」という考え方があり、同じ仕事内容であれば給与は同一になってしまいます。そのため、経験豊富な保育士でも新人保育士と同じ仕事内容であれば、給与も同じです。

派遣保育士に向いている人・向いていない人

契約期間が定められているなど、正社員と違う部分も多い派遣保育士。ここでは、派遣保育士に向いている人・向いていない人の特徴をご紹介します。

派遣保育士に向いている人|子育て中の方など

ライフスタイルに合わせて出勤日数や時間を調整できるので、子育てや介護と仕事を両立したいという方には派遣保育士の働き方が向いているでしょう。

また、短期間で職場を転々とすることもあるので、環境に合わせて柔軟に対応できる力がある方や積極的に新しい人間関係を築ける人も向いています。

派遣保育士に向いていない人|キャリアアップを目指す方など

派遣保育士は担任や管理職を任されることが少ないので、保育士として年収アップやキャリアアップを目指す方には向いていない可能性があります。そのため、補助的な業務では物足りなく感じることもあるかもしれません。

いろんな職場を転々とするケースがあるので、新しい環境に慣れるのに時間がかかる方や新しい人間関係を築くことが苦手な方には向いも向いていないでしょう。

派遣保育士は柔軟性の高い働き方ができる!

直接保育園に雇用されているのではなく、派遣会社に雇用されている派遣保育士。有期雇用であったり、責任のある仕事を任されにくかったりするなどのデメリットがある一方で、ライフスタイルに合わせて柔軟に働けることや、ブランク・未経験でも働きやすいというメリットもあります。

そのため、育児・介護中の方やブランクあり・未経験の方、短時間で効率的に働きたい方などにおすすめの雇用形態です。正社員やパート・アルバイトだけでなく、派遣保育士という働き方も視野に入れて求人を探してみましょう。

引用元サイト
厚生労働省 派遣労働者の同一労働同一賃金について

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