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特集・コラム 2022-09-10

ガイドヘルパーとはどんな仕事?移動支援と同行援護の違いや資格について紹介

介護関連の職業のなかに、ガイドヘルパーというものがあります。しかし、詳しい仕事内容を知らず、移動支援などとの違いを理解できていない人もいるのではないでしょうか。

今回の記事をきっかけに、ガイドヘルパーの種類や仕事内容について理解を深めるとともに、興味のある人はぜひガイドヘルパーを目指してみてください。

ガイドヘルパーとは?ホームヘルパーとの違い

ガイドヘルパーの主な仕事は、視覚・全身・精神・知的に障害のある人が通学・通勤・通院や買い物・旅行・散歩などで外出をする際に、危険が及ばないように配慮しながら安全に移動できるようサポートすることです。

移動・歩行の支援だけでなく、外出先での食事やトイレの介助などの業務も含まれます。ホームヘルパーとの違いは、ガイドヘルパーは外出時に支援をおこなうのに対し、ホームヘルパーは利用者の自宅など、居宅で介護や介助をおこなう点です。

移動支援と同行援護の違い

移動支援と同行援護の違いも理解しておきましょう。以下に表でまとめました。

このように、管轄や対象者の違いなどがあります。

移動介護サービスの種類

つづいて、移動介護サービスの主な3つの種類について、対象者や内容などを詳しく解説します。

移動支援

移動支援は、単独での外出が困難な軽度の知的・精神障害者を対象にしたサービスです。障害者総合支援法に基づき、ガイドヘルパーがサービス対象の利用者の外出に付き添います。

同じ目的地に行く・同じイベントに参加するなど、状況によっては2~3人の利用者を同時に福祉バスなどの車両で移動させる場合もある支援方法です。市区町村が管轄しているため、利用者の条件は地域によって異なります。

同行援護

同行援護は、1人での外出が難しい視覚障害者を対象にしたサービスです。

ガイドヘルパーのなかでも「同行援護従業者」の資格を持つ人が提供できるもので、利用者の移動時の安全を確保したり、移動中や外出先で視覚的な情報を知らせたり、食事やトイレの介助をおこなったりします。

慣れた環境の自宅内とは異なり、外では看板・標識・掲示物など、視覚で認識することが必要なものがたくさんあります。確認していないと思わぬ危険などに巻き込まれる可能性もあるので、利用者を安全に移動させるために、ガイドヘルパーの存在は非常に重要です。

行動援護

行動援護は、自閉症の人や行動に著しい困難がある人など、精神・知的障害者を対象にした外出サポートサービスです。「介護給付」に区分される仕事のため、内容は多岐にわたります。

移動時や外出先での危険を回避しながら安全に行き帰りをガイドしたり、移動先でのトイレ・飲食などのサポートをしたりするのはもちろん、要望によっては、利用者の外出前後の着替えの介助なども必要です。

ガイドヘルパーになるには

ガイドヘルパーの仕事内容やサービスの種類がわかったところで、次はガイドヘルパーになるために必要な資格を取得するための研修を紹介します。

同行援護従業者養成研修

同行援護従業者養成研修とは、視覚に障害がある人の外出・移動を支援するための資格を得ることができる研修です。介護系の専門学校などで受講することができ、早ければ3日間程度(全20時間)で習得できます。

一般課程と応用課程があり、応用課程(全10時間/上記期間プラス2日間程度)まで取得すると、サービス提供責任者になることが可能です。受講に必要な資格はなく、無資格でも受けられます。

全身性障害者ガイドヘルパー養成研修

全身性障害者ガイドヘルパー養成研修は、四肢に機能障害を抱える人や麻痺がある人など、全身性の障害を持つ人の外出援助に関する資格を得られる研修です。身体介護をおこなうことも多いため、学ぶ内容は多岐にわたります。

全17時間で、短ければ3~4日間で取得可能です。すでに介護職員初任者研修などの介護系資格を持っている人は、一部の科目が免除される場合もあるので、受講前に確認してみましょう。

行動援護従業者養成研修

行動援護従業者養成研修は、精神・知的障害がある人の外出を援護するための資格を取得できる研修です。

精神障害や知的障害の場合、障害の内容や程度は個々で大きな違いがあります。利用者と自分の身の安全を守るためには、注意深く行動を見守りつつ危険を避けて外出を遂行しなければなりません。そのため、専門的な知識を身につける必要があります。

行動援護従業者養成研修は福祉系のスクールや地方が主催する講座などで受講できるので、自分に合った環境を選んで学んでみてはいかがでしょうか。全24時間で、早くて3~4日間で取得可能です。

ガイドヘルパーの職場

ガイドヘルパーが働く場所にはどのようなところがあるのでしょうか。

・訪問介護事業所
・障害福祉サービス施設
・社会福祉協議会
・障害者・高齢者施設

などがあります。

利用者の日常的な買い物・散歩・余暇活動・旅行などに付き添い、安全で充実した外出をサポートします。

ガイドヘルパーの求人を探している方は、以下のサイトもぜひチェックしてみてください。

介護・看護・リハビリの求人・転職・募集│リジョブ

同行援護従業者の資格を取るメリット

ガイドヘルパーのなかでも、同行援護従業者の資格は重宝されやすく、取得するのに高いメリットがあります。

1つめは、スキルアップです。これまで同行援護従業者の資格がなかった人も、研修を受けて資格を得ることによって深い知識が身につくとともに、実際の援護の現場で知識をもとにした適切な対応をすることができるようになります。

研修時に練習をする場合もあり、学んだことをすぐ実践に活かせるため、雇用者から即戦力として期待される人員になれるでしょう。

2つめは、キャリアアップです。同行援護従業者の資格を持っていることにより、業務の幅が広がります。さらに、資格所持者を雇用すると加算の対象になるため、施設・事業所から必要とされ、就職や転職に有利になりやすいです。

3つめは、サービス提供責任者を目指せる点です。同行援護従業者の研修には一般課程と応用課程があり、両課程を修了することでサービス提供責任者になる条件の1つを満たすことができます。

そのため、将来的にサービス提供責任者を目指したい場合は、ダブルで受講することがおすすめです。

移動支援と同行援護の違いを理解してガイドヘルパーとしてキャリアアップを目指そう

今回は、ガイドヘルパーの仕事について見てきました。ガイドヘルパーのなかに「移動支援」や「同行援護」があり、サービスを受けられる対象者や管轄、仕事内容などの違いがあることが理解できたのではないでしょうか。

ガイドヘルパーの活躍シーンは幅広くあり、需要も高い仕事です。特に同行援護従業者の資格を取ることで、スキルアップやキャリアアップにつながるなどのメリットがあります。短期間で取得可能なので、ぜひ資格を取って、今後の仕事に役立ててみてください。

出典元:
6 同行援護について|厚生労働省

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