ヘルスケア&介護・看護・リハビリ業界の応援メディア
特集・コラム 2022-10-06

ガイドヘルパーの志望動機|ガイドヘルパーを目指す人・向いている人

ホームヘルパーが居宅内での生活支援や介助介護をおこなうのに対し、ガイドヘルパーは屋外で移動の補助や介護をします。

そんなガイドヘルパーとは一体どのような仕事で、どんな人が向いているのでしょうか。今回は、求人に応募する際の志望動機の記載例もあわせてご紹介します。

ガイドヘルパーの意義とやりがい

ガイドヘルパーの正式名称は「移動支援従業者」であり、屋外での移動になんらかの障害がある人の外出を補助する仕事です。外出の補助や介助は、対象とする利用者の状態により異なりますが、自分ひとりでは外出できない人にとって、家や病院以外の自分が行きたい場所へ出かけられる喜びは共通でしょう。

移動支援従業者(ガイドヘルパー)自身も外出の補助をするなかで、ふだんなら行かないような場所に行ったり、利用者の視点でその街を見直したりできるので、新たな発見があります。

ガイドヘルパーに向いている人

利用者にも喜んでもらえ、自分自身も新しい体験ができる移動支援従業者(ガイドヘルパー)。この仕事には、どんな人が向いているのでしょうか。ここでは、移動支援従業者(ガイドヘルパー)に向いている人の特徴をご紹介します。

柔軟に対応ができる人

移動支援従業者(ガイドヘルパー)は、利用者の外出にマンツーマンで付き添って、移動の介助や補助をおこなうのが基本的な仕事です。そのため、電車の遅延が発生したときや、工事などにより迂回する際の判断を、利用者と相談しながら、もしくは移動支援従業者(ガイドヘルパー)自身でおこなうことを求められることがあります。

また、利用者が外出中に、立ち寄る先を増やしたいと希望されるかもしれません。このような予定外の事態に対して、臨機応変に適切な対応ができる柔軟な人が向いているでしょう。

コミュニケーションが得意な人

移動支援従業者(ガイドヘルパー)は、外出先で利用者と周囲の第三者をつなぐ役割も担います。そのため、初対面の方と関わることが苦にならない人が向いています。

また、精神障害や知的障害のある人の移動支援従業者(ガイドヘルパー)では、それぞれの特性に合わせたコミュニケーションスキルも必要です。外出先で判断に迷った際に、周囲の人や窓口から移動のための情報を得たり、適宜事業所に指示を仰いだりしながら、臨機応変に対応するためにもコミュニケーションは欠かせません。

方向感覚・移動スキルが高い人

移動支援従業者(ガイドヘルパー)の仕事では、自身もはじめて行く場所まで、利用者の移動について補助や介助をおこなう場合があります。適切にガイドするには、移動ルートや使用する公共交通機関についてあらかじめ調べておいたり、出先で迷子にならないように気をつけたりしなければなりません。

地図をよむことが得意だったり、方向感覚が鋭く迷子になりにくかったりと、移動スキルが高い人は移動支援従業者(ガイドヘルパー)に向いているでしょう。

就職・転職活動における志望動機のポイント

移動支援従業者(ガイドヘルパー)として働くために就職・転職活動をする際は、志望動機を問われることが多いです。ここでは、志望動機をアピールする際のポイントと伝え方をご紹介します。

1. 目指すきっかけや志望動機の整理

「移動支援従業者(ガイドヘルパー)として働いてみよう」と考えるまでには、自分なりになんらかのきっかけがあるものです。

まずは、目指しているきっかけを思い出し、「なぜ移動支援従業者(ガイドヘルパー)なのか」を整理していくことで、自分の思いに適した志望動機を表現する言葉が見つかるでしょう。介護業界で働きたいと思った理由なども明確にしておくと、面接時に上手く対応できます。

2. 自身の強みを伝える

アピールポイントを伝える際には、移動支援従業者(ガイドヘルパー)の募集内容をよく見て、その事業所と移動支援従業者(ガイドヘルパー)に合った自身の強みを選んで強調すると、採用されやすくなります。

移動支援従業者(ガイドヘルパー)を目指しているのに、「料理が得意」や「入浴介助が得意」というアピールをしてしまうと、ほかの部署への配属を勧められてしまうかもしれないので、注意しましょう。

これまでの経験や自身の特性

旅行や観劇が趣味だったり、鉄道が好きだったりする人は、その趣味を楽しむなかで、ガイドを必要としている人に出会った経験がないか思い出してみてください。具体例を交えることで信ぴょう性が増しますし、外出の経験が豊富であることから、安心して任せられると思ってもらえるかもしれません。

また移動支援従業者(ガイドヘルパー)は、利用者とまわりの環境や第三者に、つねに目配りをしながらおこなわなければならない仕事です。そのため、子育て中に子どもの友達もつれて外出した経験や、デパートやスーパー、飲食店での接客経験も評価されるでしょう。

体力を使う仕事でもありますので、スポーツや運動の経験などで持久力をアピールするのも効果的です。

介護に関わった経験

移動支援従業者(ガイドヘルパー)を目指す人のなかには、「これまでも介護分野で働いてきた」「家族の介護をしていた」という方が多くみられます。介護に関わった経験があれば、実体験から移動支援従業者(ガイドヘルパー)を目指したいと思ったエピソードを選んでおくと、なりたい気持ちがより伝わりやすくなるはずです。

介護の経験は志望動機としてだけでなく、仕事のスキルとして評価されますので、忘れずに伝えましょう。移動支援従業者(ガイドヘルパー)としてよりよい仕事をするために、今後取得したいと思い勉強しているスキルや資格があるなら、しっかり職場の方に伝えられるようにしておくことが大切です。

【パターン別】志望動機の例文の紹介

転職や就職する際の志望動機を、どのように書けばよいかわからない方もいるでしょう。そこでここでは、求人に応募する方のパターンに合わせた志望動機の例文をご紹介します。

未経験者の志望動機

訪問介護員(ホームヘルパー)や移動支援従業者(ガイドヘルパー)は、ひとりで判断しなければならない状況が生じやすいです。介護経験がまったくない状態から介護職を目指す方にとっては、すぐに働くことがむずかしい場合もあります。

ですので、働きたいという気持ちや、経験がなくても資格がある場合には、資格の内容や資格を取るための勉強をアピールすることが大切です。

無資格未経験者の志望動機

介護や介護に関連する資格もない未経験の場合には、人と接する仕事での経験や子育て経験など、介護の現場で働くことの熱意を伝えます。

<例文>
私は2年間、飲食店のホールスタッフとして勤務してまいりました。ご高齢のお客さまは、飲食店で用足しをされると、トイレから出て方向がわからなくなることが多いので、不安そうに辺りを見回している年配の方がいたら、席までご案内するようにしておりました。

私自身、旅行やショッピングが好きなので、外出の楽しみがなくなることは辛く感じます。移動に不安を感じる高齢者のお役に立ちたいと感じて、ガイドヘルパーとして働きたいと考えるようになりました。

経験者の志望動機

仕事やプライベートで介護を経験者してきた人は、介護をするなかで得たスキルや感じたことを具体的に伝えます。

その経験から、なぜ「移動支援従業者(ガイドヘルパー)として働きたい」と考えるに至ったのかをアピールすることが大切です。

介護職経験者の志望動機

介護職経験者には、介護職に従事していたことのある方と、訪問介護員からのキャリアアップとして移動支援従業者(ガイドヘルパー)を目指している場合があります。いずれの場合も、高齢者にとっての外出の意味や移動をガイドする仕事への思いを伝えましょう。

<例文>
私はこれまで長年に渡り、高齢者施設での介護職として働いてきました。施設内で過ごされている利用者の方が、外出した際に表情がイキイキとして、帰ってきてもしばらく楽しそうに外出時の思いで話をする姿を見るたびに、外出することが人に与えるよい影響を実感しました。

利用者の方が、身体が不自由になっても外出できるようにお手伝いできる移動支援従業者(ガイドヘルパー)という仕事をしてみたいと強く感じ、今回応募いたしました。

介護経験者の志望動機

介護職としての経験や資格はないけれど、家族などの介護経験をきっかけに移動支援従業者(ガイドヘルパー)を目指したい方もいるはずです。利用者家族の視点も含めながら、高齢者にとっての外出の意味や移動をガイドする仕事への思いを伝えましょう。

<例文>
私は高齢になった母を3年間在宅で介護し、先日看取りました。元気だった母が徐々に衰え、最後の1年間は通院と週2回のデイサービス以外は家から出ることがあまりなくなってしまいました。

当時は排泄や入浴、食事など毎日の介護で精一杯でしたが、好きだった買いものにもっと連れて行ってあげればよかったと悔やんでいます。母が亡くなってから移動支援従業者(ガイドヘルパー)という仕事があることを知り、一念発起して資格を取得して今回応募いたしました。

自分なりの志望動機を書いて面接に臨もう

介護系の仕事のなかでも、屋外で、臨機応変で柔軟な対応を求められるのが移動支援従業者(ガイドヘルパー)という職種です。

移動支援従業者(ガイドヘルパー)の求人に応募する際には、精神障害や知的障害のある人、高齢者に対して外出の必要性を感じた体験談や、介護の現場で働くことの熱意を伝えることが重要となります。自分なりの志望動機を記入して、移動支援従業者(ガイドヘルパー)の採用面接に臨みましょう。

この記事をシェアする

編集部のおすすめ

関連記事