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特集・コラム 2020-07-07

精神障害を抱える方をサポートするガイドヘルパーとは? 行動援護従業者になるには

精神障害を抱える方は、日常生活におけるさまざまな場面で他者によるサポートが必要です。外出時には移動だけでなく、排せつや食事などの多種多様な場面においてサポートが必要となります。そのため、同行者がいないと外出することもままならないということも珍しくありません。

このような精神障害をはじめとした特定の障害を抱えている人が外出をする際に、直面する問題を解消するための手助けをする人のことを「行動援護従業者」といいます。今回は、ガイドヘルパーの一種でもあるこの職種について解説していきましょう。

精神障害者(児)をサポートするガイドヘルパー(移動介護従事者)とは?

ガイドヘルパーの仕事は、障害者が外出をする際のサポートをおこないます。このサポートの対象となる人には精神に障害を抱える人も含まれ、そのサポート中には相手が精神に障害を抱えている人だからこそ注意しなければならないことも多いです。

ここでは、このような精神障害者が外出をする際に手助けをするガイドヘルパーの仕事内容をみていきましょう。

行動援護従業者|精神障害者(児)や知的障害者(児)の外出をサポート

精神障害をもっている人を対象とした外出時の手助けをおこなう職業を「行動援護従業者」と呼びます。ガイドヘルパーに含まれる職種のひとつでもあり、ガイドヘルパーという大きなくくりのなかに行動援護従業者という職種が含まれるとイメージするとわかりやすいでしょう。

行動援護従業者の仕事では精神障害をもっている人だけでなく、知的障害をもっている人に対しても同様に外出中の手助けをおこないます。

行動援護従業者はどんな風にサポートをするの?

行動援護従業者が対象とする障害をもっている人に対して外出時の手助けをする際には、相手が精神障害、もしくは知的障害を抱えていることを念頭におかなければなりません。

その注意点は、ほかのガイドヘルパーに分類される職種と異なります。続いては、行動援護従業者が精神障害や知的障害をもつ人に対しておこなう手助けの内容についてみていきましょう。

移動中の介護をおこなう

知的・精神障害を抱えている方は、外出時に介護が必要となることも珍しくありません。行動援護授業者には、このようなサポート対象者が必要とする介護を随時おこなうことが求められます。

このことから、行動援護従業者には幅広い介護に関する知識が必要です。それだけでなく介護サポートをいつでも提供できるよう、つねにそなえておくことが求められます。

行動により起きる可能性のある危険から守る

知的・精神障害を抱える方が外出をすると、なんらかの危険が身におよぶことも考えられるでしょう。行動援護従業者にはこのような危険からサポート対象者を守るという職務も課されており、危険を察知するための高い能力が求められます。

トイレなど、必要な生活介助をおこなう

精神障害・知的障害を抱える方の外出時には、排せつや食事などをしなければならなくなることも珍しくありません。しかし、このような障害を抱えている方は、これらを自力でおこなうこともできないケースが多いです。

そのため、このようなシーンでも行動援護従業者による手助けを必要とします。このような外出中のトイレ・食事に関する生活介助をおこなうことも行動援護従業者の任務のひとつです。外出や移動とは直接の関係がないサポートの方法なども心得ておかなければなりません。

ほかのガイドヘルパーとはどこが違うの?

ガイドヘルパーという職種には、さまざまな障害をもつ人を相手にサポートをおこなう職種が含まれます。そのため精神障害や知的障害を抱えている人を手助けする行動援護従業者として働いていくうえでは、ガイドヘルパーに分類されるほかの職種との違いも把握しておかなければなりません。

続いてはガイドヘルパーに分類される職種であり行動援護従業者と混同されることも多い2つの職種を挙げ、行動援護従業者との違いについてご紹介していきます。

同行援護従業者とは|視覚障害者(児)をサポート

ガイドヘルパーに分類される職種のうち、行動援護従業者と混同されることが非常に多いものとしては「同行援護従業者」を挙げることができるでしょう。

同行援護従業者の仕事は、障害者が外出をする際に必要となる手助けをするという点で行動援護従業者と共通点があります。しかし同行援護従業者の場合は、視覚障害をもつ人が支援の対象です。そのため知的・精神障害をもつ人を対象とする行動援護従業者とは、はっきりとした違いがあります。

全身性障害者移動介護従業者とは|四肢の機能障害がある方のサポート

全身性障害者移動介護従業者の場合も、障害をもつ人が外出をする際に必要となる身辺の手助けがおもな職務です。しかしながら、こちらの職種では四肢の機能障害を抱える人がサポートの対象となることから、こちらの職種に関しても行動援護従業者とは大きく異なります。

行動援護従業者になるにはどうすればいいの?

行動援護従業者は、精神障害や知的障害を抱えている人の日常生活をサポートすることから大きなやりがいを感じることができる仕事です。そのため、現時点で行動援護従業者になることを検討されている方も多いことでしょう。続いては行動援護従業者になるための方法として、自治体の指定事業所を利用する方法と民間スクールを利用する方法の2つをご紹介します。

資格要件を確認|各自治体の規定をチェックしよう!

知的・精神障害者を支援対象とする行動援護従業者として働くためには、資格を取得しなければなりません。この資格は各都道府県の管轄となっており、詳細は居住地域に自治体が発表している情報を確認するようにしてください。

資格取得のための手続きなどは資格要件として発表されていることが多いため、自治体のホームページなどを参照してみるとよいでしょう。

自治体の要綱を確認|養成研修を受講しよう

自治体が認定している指定事業所を利用して行動援護従業者の資格取得を目指す場合、各自治体が発表している要綱を確認する必要があります。

この要綱には資格を取得するための方法のひとつである養成研修の開催日程や開催場所などが記載されており、まずはこちらを確認してみるとよいでしょう。

おすすめのスクール&講座を紹介!

ガイドヘルパーの一種である行動援護従業者になるためには、民間のスクールが開いている講座に参加することも有効です。

日程などに関する理由から自治体の指定事業所が開催している養成研修へ参加することができない場合には、このようなスクールが開催している講座を探してみるのもよいでしょう。続いては行動援護従業者になるための資格取得ができる、おすすめの民間スクールと講座をご紹介します。

藤仁館医療福祉カレッジ|行動援護従業者養成研修

藤仁館医療福祉カレッジは、関東地方に7校を構える福祉系のスクールです。ガイドヘルパーの一種であり知的・精神障害をもつ人を対象とする行動援護従業者向けの講座は横浜・池袋・大宮の3つの校舎にて実施されており、講義は3日間に分けられています。

こちらのスクールは1年をとおして隔月で講座を開いているため、自分の都合に合わせて参加しやすい点は大きなメリットといえるでしょう。

出典元:藤仁館医療福祉カレッジ 行動援護従業者養成研修

未来ケアカレッジ|行動援護従業者養成研修

未来ケアカレッジもまた、ガイドヘルパー向けの講座をはじめとした多くの福祉系講座を開いているスクールです。なかでも行動援護従業者養成研修には、実際に精神障害や知的障害を抱える人を相手としたサポートを普段からおこなっている講師による講義を受けられるというメリットがあります。

出典元:未来ケアカレッジ 行動援護従業者養成研修

福祉研究カレッジ|行動援護従業者養成講座

福祉研究カレッジは、福岡に校舎を構えているスクールです。こちらのスクールでもガイドヘルパーをはじめとした福祉系の講座を数多く開いています。行動援護従業者養成講座では、この職種に従事するうえで必要なノウハウを身につけることが可能です。

こちらのスクールは最少開講人数が5名であるため、時期によっては少人数制の授業を受けられるというメリットがあります。

出典元:福祉研究カレッジ 行動援護従業者養成講座

行動援護従業者は障がい者の外出を支援するお仕事のひとつ

ガイドヘルパーの一種である行動援護従業者は、知的・精神障害者の外出サポートがおもな職務です。これらの仕事においては障害をもつ人の生活を支えることがおもな目的となることから、仕事そのものに対して大きなやりがいを感じることができるでしょう。

やりがいを感じられる仕事に就きたいという方や人の役に立つ仕事に就きたいといった考えをおもちの方は、行動援護従業者を目指してみてはいかがでしょうか。

出典元:
厚生労働省 行動援護に係る報酬・基準について
厚生労働省 同行援護について
大阪府 行動援護従事者の資格要件と経過措置について
千葉県「行動援護従業者養成研修」実施要綱

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