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ヘルスケア 2023-02-15

植物の良さを伝えたい!奈良県の自宅にて50歳でサロン開業【アロマとハーブの教室&サロン ヘリオス 野林多美子さん】#1

地方でヘルスケア事業に携わっている方に、集客や売り上げアップのための取り組みについてインタビューする本企画。今回は奈良県奈良市で「アロマとハーブの教室&サロン ヘリオス」を運営している野林多美子さんにお話をお聞きしました。

前編では、子育て中にアロマに出会った野林さんが、50歳でサロンを開業した経緯についてお聞きします。

お話を伺ったのは…
「アロマとハーブの教室&サロン ヘリオス」野林多美子さん

2005年、40歳でアロマセラピーに興味を持ち、フィトセラピーやメディカルハーブまで学ぶように。2015年、アロマセラピスト資格取得を機に、奈良市西ノ京にて自宅サロンをスタート。これまでに取得した資格はアロマからハーブまで全22種。サロンでのアロマトリートメントと併行して、奈良県奈良市を中心に出張講座やセミナーなどを開催中。4児の母。

野林さんのInstagram:@tamiko_nobayashi

子育て中にアロマを学び始め、独学でインストラクター資格取得

アロマやフィトセラピー、ハーブの資格を多数持つ野林さん。 最初に資格を取ったのは47歳のころだったそう。

――まずはアロマセラピーを始めたきっかけを教えてください。

アロマセラピーに興味を持ったきっかけは、香りの持つ力を感じたことからでした。元々、「香り」というものがすごく好きだったので、なんとなく暮らしに精油を取り入れていたんです。なかでも末っ子が病気になって入院したときには、本当に精油の香りに助けられ、心から「アロマってすごいな」と感じました。

私も看病のために病室に通っていたんですが、ちょっとしんどいときに精油の香りをかぐことで、気持ちがやわらぎリフレッシュするきっかけになる。そういった経験もあり、「香りのことをもう少しよく知りたいな」と思ってアロマを学び始めたんです。

2006年AEAJアロマテラピー検定合格後、AEAJアロマテラピーアドバイザー認定を受け、次の上位資格を目指すにあたり、まだ子どもたちも小さかったのでなかなか勉強する時間が取れず…。結局、独学で2012年にインストラクターの資格を取得しました。

――フィトセラピーやハーブについても多くの資格をお持ちですね。

はい。インストラクターの資格を取ったころは、少しアロマに対して頭でっかちになっていました。本当の香りの良さを楽しめていなかったし、うまく活用できていない感じがして。

そのころちょうど東京の自由が丘にある(一社)日本フィトセラピー協会の大阪校ができたんです。そこでフィトセラピーと出会い、ハーブについても学ぶきっかけになりました。

そのフィトセラピー講座はアロマやハーブを使った実習が多く体験でき、アロマに対して頭でっかちになっていた私にとって、それがとても楽しかったんです。「こんな風に精油やハーブを楽しめるんだ」と、活用する楽しさを学ぶことができました

――フィトセラピーをサロン運営に取り入れて良かったことはありますか?

フィトセラピーはアロマとハーブをバランスよく活用する植物療法です。アロマセラピーの場合は精油のみなので、使う頻度や使える相手が限定される面があります。例えば小さなお子さんやお年をめされた方、香りに敏感な方などには、使いにくいこともあるんですね。でもフィトセラピーは、年齢を問わず楽しむことができます

また精油の場合、間違った認識を持ってしまうと、トラブルが起こることもあります。最近では、精油を飲むという投稿がSNSで広まったりしました。精油を安全に使うためには、精油を直接肌に塗ったり、飲んだりはしません。食品として販売されているハーブは、色や香りを楽しみながらハーブティーを飲んだり、お料理で風味づけに利用したり、活用の範囲が広く、健康や美容目的に楽しまれる方も多いです。

またフィトセラピーの植物療法という観点からすると、ハーブを育てるというのも良いことなんです。植物を育てて収穫したり、花をつけるものなら見て楽しんだり、香りや質感を楽しむこともできる。それらすべてが植物療法につながります。

本当に広い意味で、植物の良さをより楽しめるのがフィトセラピー。フィトセラピーを取り入れたことで、より多くの方に植物の良さを知っていただくきっかけになったと思います。

50歳で教室&サロンをスタート。以降も学び続け多くの知識を蓄積

資格取得のための講座だけでなく、
生活に取り入れやすいハーブにまつわる教室も好評です

――サロンを始めたきっかけは?

アロマやフィトセラピー、ハーブについてもいろいろ学び、自分の知識や経験が積み重なっていくなかで、この良さを誰かに伝えたいと思うようになりました。ちょうど2015年、50歳の誕生日までにアロマセラピストの資格を取りたいという目標を掲げていて。それが叶ったタイミングで、「ヘリオス」という屋号をつけてサロンと教室をスタートしたんです。

「50歳という年齢でセラピストの資格ってどうなんだろう」とは思ったのですが、教えていただいていた先生に「アロマトリートメントは力が必要なものではないから、年齢を問わず活躍できると思います」と言っていただいて。

本当にそこからが、私の1つのターニングポイントになったと思います。セラピストの仕事をするうえで、必ずしも資格は必要ではありません。でも人に触れるなら、やはり安心していただける材料にはなります。何より、アロマセラピストの資格が取れたということが、自分の自信につながりました。

――サロンを開かれるまでは専業主婦をしていたんですか?

パートタイマーでいろいろした時期もありますが、基本は家のことをしていました。上の3人が小学校に入ったタイミングで幼児教育の教室をしたり、以前英語の勉強をした経験から英語教室の先生をしたり。でも父が倒れたり、子供が病気になったりという家庭の事情が重なり、あまり長くは続けられませんでした。

でも今考えると、そういったことも現在の活動につながっている気がします。その度々に精油の良さに気づいたり、人に何かを教えることにやりがいを感じることに気づいたり。

植物を使った暮らしの良さや、人との触れ合いで癒やし、癒やされることの喜び。そういった経験が、サロン開業につながったんだと感じます

――サロンを続けるうえで大切にしている想いというのも、そのあたりが大きいのでしょうか。

そうですね。人それぞれ、口には出さないけれど、心や体の悩みがありますし、心の悩みから体の悩みに発展してしまうこともあります。それらを少しでも健全なかたちにする術が、私の場合は精油やハーブだったんです。だから、植物療法の魅力をまだ知らない方にも、お伝えするきっかけになるといいなと思って、サロンを続けています。

奈良県西ノ京の自宅で、生徒1人1人に寄り添った講座を提供

自宅内のサロンでは、講座を行う部屋のほかにトリートメント用の部屋も

――サロンを奈良県にあるご自宅で始めた理由は?

どこかを借りてサロンをするとなると、当然費用の負担が出てきますし、開業にあたり場所を探すところからスタートなので時間がかかります。

私の場合は、幸い自宅に使っていない部屋があったので、そこで始められました。その点では、とても恵まれていたと思います。同じように自宅でサロンをされている方には、ご家族と共有のスペースでサロンをしている方も多いですが、やはり大変な面はあると思うので。

自宅で活動できるのは、費用面でも活動の自由度でも、メリットが多いと感じています。

――お子さんを育てながら学び続け、サロンを開かれるまでになったというのが、すごいなと感じます。

やっぱり、好きなことでしたからね。いろんなことを一辺には頑張れませんが、アロマのことなら頑張れたし、学びながらも心と体を癒してくれるものだったので頑張れたのかなとも思います。

でも、サロンを開いてすぐに、すべての講座を始めたわけではないんですよ。開業してからも、新しく学びたいこと、してみたいことを少しずつ積み重ねながら、講座も増やしているところです。

――それでは現在の働き方を教えてください。

アロマセラピストとしての施術は、希望いただいた方がいた際に日程を相談して入れています。またサロンでの講座や教室は、今は日曜日に設定していることが多いのですが、平日しか受講できないという方がいれば、個別にご相談しながら日程を組むこともあります。

また、奈良市内を中心に、出張の講座もおこなっています。なので、ほぼ毎週何かの講座をしていますね。

地方でサロンを運営するために大切なこと3か条

ご自宅でサロン運営をしている野林さんに、地方でサロンを運営するうえで大切にしていることを教えていただきました。

1.自分の好きなことの発信

2.生徒1人1人を大切に向き合うこと

3.学びプラスαの楽しみを提供すること

後編では、野林さんの集客や発信についてのお話から、地方で自宅サロンを運営していくためのヒントを探ります。

取材・文/山本二季

Information

アロマとハーブの教室&サロン ヘリオス
住所:奈良県奈良市柏木町
※お問い合わせはHPよりお願いします

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