2000人以上の鍼灸師が集結!「鍼灸フェス」を主催「HariFa」御領原圭佑さん
浜松と名古屋に鍼灸サロン「warmy」、美容鍼サロン「HariFa」などを経営している、鍼灸師の御領原圭佑さん。前編では、6年連続離職率0を実現した「忙しくさせ過ぎない」経営術について伺いました。
後編では御領原さんが主催した「鍼灸フェス」について伺います。きっかけはキングコング西野亮廣さんの講演会開催の権利を購入したことだったそう。初回のイベントには2,000人が参加し、そこから3000人以上の鍼灸師が集まるコミュニティが生まれたといいます。また長く鍼灸業界で活躍する御領原さんならではの「これから生き残る方法」についてもお聞きします。
今回、お話を伺ったのは…
御領原圭佑(ごりょうはら けいすけ)さん
鍼灸師
鍼灸サロン「Warmy」、ごりょう整体院、美容鍼サロン「HariFa」のほか、温浴酵素、カフェなどの事業も行っている。美容鍼サロン「HariFa」では6年連続離職率0を達成。鍼灸師向けの経営塾なども経営している。
初めて主催したイベントに2000人が参加!
――「鍼灸フェス」はすでに3回開催されたそうですが、最初に始めたきっかけは?
キングコングの西野亮廣さんのオンラインサロンに入っていて、西野さんのオンライン講演会を開催できる権利を購入したことがきっかけです。僕は普段から西野さんの発言を聞いたり、ブログを読んでいたりしたので、鍼灸師向けに講演をしてもらえたら面白そうだなと思って、その権利を購入しました。
その講演会は主催者が、無料開催か有料開催にするかを選択することができたんです。最初は参加者の方にチケットを1000円くらいで販売しようかと思っていましたが、無料のほうがたくさんのつながりを作れるのではないかと思い始め、鍼灸師や鍼灸に関わっている人は無料で参加できる形で開催しました。
――どんな内容だったのですか?
西野さんが2時間話してくれるという内容だったのですが、せっかく鍼灸師が集まる機会なので、まる1日オンラインでセミナーや講演会をやるイベントをしようということになりました。鍼灸師で何かを話したい人がいればスピーカーになってもらい、みんなで勉強したり、情報共有をしたんです。これが好評で。もちろん西野さんのネームバリューと無料という理由もあったかもしれませんが、約2000人が参加してくれました。
その後は鍼灸師の方や外部講師を呼びながら、開催を重ねてきました。「鍼灸フェス」に参加してくださった鍼灸師の人たちとFacebookでグループを作っており、今では参加者が3200人ほどいる状態です。
そこで鍼灸師同士のたくさんのつながりができて、僕が運営している鍼灸師向けの経営塾や、美容鍼の技術を伝える協会に来てくださる方も増えています。
技術差はほとんどない状態。「あの人にみてもらいたい」をどう作るか
――鍼灸の業界で長く活躍されている御領原さんから見て、鍼灸師の仕事の魅力はどんなところでしょうか。
こんなに感謝をしてもらえる、やりがいのある仕事はないと思っています。目の前のお客さまが美容や体の施術で楽になったり、美しくなって「先生、今日もありがとうございました」と言ってもらえる。もちろんほかの仕事でもやりがいはあると思いますが、感謝される仕事はほかにはないのではないかと。
――感謝してもらうためには、技術力を高めていくことも必要ですか?
技術ももちろん大切ですが、人間性がとても大事だと思っています。というのも今の時代は、情報がそこらじゅうに転がっていますよね。鍼灸師の技術を高めようと思えば、やる気次第でいくらでも上手になれると思うんです。つまり業界全体が一定のレベルに達している状態で、店舗数もどんどん増えていますから、技術力で突出するのはとても難しいでのはないかと思っています。
例えるなら、コンビニのおにぎりのようなもの。今はどこのコンビニに行ってもおいしいおにぎりが置いてあるのが当たり前になっていて、コンビニの店員さんも「うちのおにぎりは特別おいしいですよ」とは言わないと思うんですね。
――確かにそうですね。
そうなってくると鍼灸師として大切なのは人と人との関わりになりますし、人間性がとても重要だと思うんです。いかに「この人にみてもらいたい」という状況を作れるか。うちのサロンでは自分と向き合って、人間性をどう育てていくかに重きを置いた研修もあります。人間として成長していければ、患者さんに求めてもらえますし、喜んでいただけるのではないかと思っています。
鍼灸師が長く活躍できる場を少しでも提供できるように
――今後の目標を教えてください。
おかげさまで「HariFa」の経営がうまくいっているので、この仕組みをフランチャイズで提供しています。現在は3店舗ですが、あと4年で全国に47店舗を展開し、50店舗にしていきたいと思っているところです。この店舗展開によって長く活躍できる鍼灸師が増えていけばうれしいです。
こんなふうに取材を受けているのに申し訳ないのですが、僕は鍼灸師の業界を盛り上げていきたいという、ものすごく熱い思いがあるわけではないんです。でも自分が関わっている業界で、すごくいい腕を持っているのにそれを発揮する場所がないまま辞めてしまう方が多く、とてももったいないと思っていて。そういう人が長く活躍できる環境を作っていくことが楽しいので、これからも続けていきたいと思っています。
自分の経営している店舗だけでなく、業界全体を広い視野で見渡し、道を切り開いてきた御領原さん。「鍼灸フェス」して多くの鍼灸師が集まってきたのも、その思いに共感する人が多かったからではないのでしょうか。今後も御領原さんの活躍から目が離せません。
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住所:愛知県名古屋市西区則武新町3-1-69