介護予防運動指導員の講座内容とは? 指定講習はどこで受けられるの?
高齢化に伴い、介護予防の必要性が年々高まりをみせています。このようななかで、介護予防に携わる仕事に興味をお持ちの方も多いのではないでしょうか。介護予防に関わる仕事のなかでも、とくに注目されてきているのが介護予防運動指導員という資格です。
受講条件や取得の流れに関しては、ほかの資格と異なる点があります。今回は、講座内容や指定講習におすすめのスクールなども含めてご紹介していきましょう。
介護予防運動指導員の講座内容とは?
介護予防運動指導員の資格要件や講座内容は、ほかの介護予防関連の仕事と異なります。ここではその違いについて整理しながら、受験資格や指定講座の内容をみてきましょう。
資格取得は指定講習の受講&修了試験の合格が必要!
介護予防運動指導員の資格を取得するためには、指定講習の受講を受けるだけでは修了となりません。修了試験を受けて、合格することが必要です。
講習を申し込む前に|受講対象資格を確認しよう!
介護予防運動指導員は、誰でも申し込むことができるわけではありません。受講対象者が保有する資格に条件が定められています。事前に条件を確認し、受講対象者に該当するかを確認することが必要です。
受講対象となるのは、「医師」や「歯科医師」「薬剤師」「保健師」「助産師」「看護師」「准看護師」「臨床検査技師」「理学療法士」「作業療法士」「言語聴覚士」「社会福祉士」などの資格になります。ほかに該当するのは「介護福祉士」「精神保健福祉士」「歯科衛生士」「あん摩マッサージ指圧師」「はり師」「きゅう師」「柔道整復師」「栄養士」「介護支援専門員」「健康運動指導士等」などです。
介護職員基礎研修課程を修了している方、訪問介護員2級以上であり実務経験2年以上の方も受講対象となります。ほかにも対象となるのは実務者研修を修了した方、初任者研修修了者で実務経験2年以上の方および上記国家資格の養成校等の卒業見込みかつ資格取得見込み者(国家試験受験者)です。
指定講習はどんな内容を学ぶの?
指定講習では介護予防の考え方以外にも高齢者の日常生活動作や起こり得る問題点、介護予防の実践などについて学んでいきます。ここでは、各分野別に内容を整理していきましょう。
介護予防|概論・評価学など
仕事をするうえでベースとなる介護予防についての考え方について学びます。介護予防評価法のほか、介護予防統計学ではデータの種類や検定方法についての知識を習得することが可能です。
高齢者筋力向上トレーニング|講義・実習
高齢者にとっての筋力向上トレーニングに関する概要に加え、プログラムの習得を目指します。座学以外に実際に使用する機械に触れ、高齢者が継続してトレーニングをおこなうために必要な内容についても考える講習です。
転倒予防|講義・実習
高齢者が転倒をすることで寝たきりになるケースがあり、運動機能の低下や認知、精神面へ影響を及ぼすこともあります。高齢者の方にとって、転倒予防はこれらのリスクを回避するためにも非常に重要です。実習では、機械を使わずにできる運動方法についても考えていきます。
尿失禁予防|講義・実習
「骨盤底筋群のゆるみ」「膀胱や神経の問題」「スムーズに歩行ができない」「認知症」など、尿失禁の要因はさまざまです。高齢者の方にとっては「外出を控えてしまう」「楽しみが制限されてしまう」「自尊心が損なわれる」など、さまざまな影響を及ぼします。
尿失禁の種類に沿った予防法や改善策、運動による効果などについて学習していく講座です。
出典元:公益社団法人全国老人福祉施設協議会 特別養護老人ホームにおける入所者の重度化に伴う効果的な排泄ケアのあり方に関する調査研究事業
高齢者栄養改善活動特論|講義
高齢期では食事への興味が薄れてきたリ、消化活動の低下、咀嚼の力の衰えなどによって低栄養状態に陥りやすくなります。高齢者栄養改善活動特論は、このような高齢期における栄養問題や低栄養予防プログラムの作成について学習する講座です。
認知症予防|講義・実習
認知症とは何か考え、認知症予防の根拠となる内容や実習では認知症予防プログラムの実施についての学びを深めます。
指定講習はどこで受けられるの? おすすめのスクール・教室を紹介
介護予防運動指導員の指定講習は、どこで受けることができるのでしょうか。ここでは指定講座を受けることができるおすすめのスクールや教室についてご紹介していきたいと思います。
講習を選ぶ前にチェックしたいポイント
スクールや教室選びで失敗しないために、事前に確認しておきたいポイントをみていきましょう。
東京都健康長寿医療センターの指定事業者か
指定講習を受講する前に、介護予防主任運動指導員養成事業に基づいた事業者であるか確認することが必要です。東京都健康長寿医療センターがもつ介護のノウハウを広めるための介護予防事業に理解を示した指定事業者であるかどうかを確認してください。
どこで学べるか|教室・通信
仕事帰りに指定講習を受講したい場合には、帰宅途中にスクールがあるかどうかを確認するとよいでしょう。もしも通える範囲に受講できる場所がなければ、通信教育を利用できるかも合わせて調べておくことがおすすめです。
学ぶ期間はどれくらいか
学ぶ期間はどの程度なのかというのもポイントになります。数日間続けてカリキュラムに参加ができない場合にも応じてくれるスクールもあるため、期間と合わせて確認しておくとよいでしょう。
学費・受講費はどれくらいかかるか
学費や受講費には、「教材費」や「修了試験受験料」「登録費用」などが含まれます。スクールによって金額は多少異なりますので、事前に確認することが大切です。
サポートやフォローは充実しているか
受講期間中に事故や病気などでしばらく入院しなければならない、あるいは転勤などで引っ越さなければならないなど、最後まで受講を修了できなくなってしまうこともあるでしょう。このような場合、決められた期間内であれば受講を延長できるようなサポート体制を整えているスクールもあります。
おすすめのスクール情報を紹介!
全国各地に介護予防運動指導員養成講座を受講できるスクールは存在します。ここでは、おすすめのスクールをご紹介しましょう。
ニチイ|介護予防運動指導員養成講座
ニチイの講座は、通学での学習方法となります。受講場所は全国各地にあり、受講期間の目安は約約1カ月です。講座を修了することで、介護予防運動指導員登録証が交付されます。
講師全員が介護予防主任運動指導員の資格をもっているため、安心して学習を進めていくことが可能です。
東京療術学院|介護予防指導員養成講座
東京療術学院の講座は3日間集中型のカリキュラム編成となっています。仕事や子育て、学業などで3日間続けて通うことがむずかしい場合は、月をまたいでの振り替え受講が可能です。
オンライン試験に対応しているため、場所を選ばずに受験することができます。東京や名古屋会場のほか、通信による学習方法も選択できるのが魅力です。
藤仁館医療福祉カレッジ|介護予防運動指導員養成講座
藤仁館医療福祉カレッジの講座は、4日間で修了できるようカリキュラムが組まれています。年間を通して隔月で開催しているため、都合に合わせてスケジュールを立てることが可能です。
欠席の場合は振り替えで資格取得ができるように対応してくれるため、万が一のときでも安心できます。2020年度の介護予防運動指導員養成講座が受講できるのは、池袋校と大宮校です。
セントラル|介護予防運動指導員の養成講座
セントラルスポーツでの講座は、5日間で組まれています。団体や企業での申し込みの際は、割引サービスを実施していることが特徴です。介護予防主任運動指導員の資格をもつ講師陣による授業を受けることができます。北は札幌から南は福岡まで、全国各地での受講が可能です。
介護予防運動指導員は高齢者の健康維持をサポートするお仕事!
受験資格の条件に該当する基礎資格があれば、指定講習を受けることで介護予防運動指導員の資格を得ることができます。日々の業務で学んだ知識やスキルを生かすことができ、介護施設や医療施設のほかにスポーツジムなど活躍できる場が広がるでしょう。
就職や転職先の選択肢を増やすことができるのも資格取得のメリットです。対象となる基礎資格をもっている方は、ぜひ目指してみてはいかがでしょうか。
出典元:
藤仁館医療福祉カレッジ 介護予防運動指導員養成講座
東京療術学院介護関連予防講座
セントラルスポーツ 介護予防運動指導員の養成講座
国立長寿医療研究センター 認知症情報サイト
ニチイ 介護予防運動指導員養成講座
公益社団法人全国老人福祉施設協議会 特別養護老人ホームにおける入所者の重度化に伴う効果的な排泄ケアのあり方に関する調査研究事業
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