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特集・コラム 2023-03-14

認知症介護基礎研修は義務化!具体的なカリキュラムとキャリアアップに活かせる資格を紹介

認知症介護に携わる施設で働きたいと考えている方で、無資格の介護職員向けに実施される認知症介護基礎研修について聞いたことがあり、具体的な研修内容が知りたい方は多いのではないでしょうか?

認知症介護基礎研修は2021年に受講が義務化された研修で、経過措置を含めた2024年までには完全義務化されます。ただし、いくつかの例外措置が認められている点がポイントです。

この記事では、認知症介護基礎研修の受講の義務化についてや研修内容の概要、介護職員初任者研修との違いについて解説。加えて、認知症介護基礎研修を修了した後に受講してキャリアアップを目指すことができる資格についてもあわせて紹介していきます。

認知症介護基礎研修の義務化や研修の概要、その他の福祉系資格の特徴について知って、認知症介護の現場で働くための準備をしましょう。

認知症介護基礎研修の受講は2021年に義務化された

認知症介護基礎研修は、2021年の4月の介護報酬の改訂に伴い受講が義務化されました。ただし、2024年3月までは経過措置が適用され、完全なる義務化には至っていません。この章では、認知症介護基礎研修の受講が義務化された背景について見ていきましょう。

認知症に関する体系的な理解をサポートする

認知症介護基礎研修の受講の義務化は、認知症介護の知識とスキルを身につけるために制定。2015年に策定された『認知症施策総合戦略(新オレンジプラン)』に基づき、将来における認知症患者の増加に応えるための施策の一部として考案されました。

また、昨今の感染症の拡大や災害への対応力を強化する目的で、日頃の感染症対策の徹底と非常時に必要な介護サービスを継続するための取り組みを理解するためにも重要。

従来は現場で必要となる、認知症介護の研修を受けずに介護サービスに従事しているケースがあり、認知症に関する知識や経験がない状態が問題となることも。

認知症介護基礎研修の受講が義務化され、介護に携わるスタッフが認知症ケアに関する基礎的な知識やスキル、考え方を学ぶことで、適切なサービスを提供することが可能になります。

高齢者の5人に1人が認知症になる社会に備える

認知症介護基礎研修の受講が義務化された背景には、認知症ケアのニーズが高まっていることが挙げられます。

厚生労働省が発表した『認知症施策総合戦略(新オレンジプラン)』によれば、日本国内の認知症高齢者の数は2012年時点で462万人。その数は2025年には700万人を超え、65歳以上の高齢者の5人に1人が認知症になると推計されています。

このような認知症ケアのニーズの高まりを背景に、認知症介護人材の質と数の確保を目的として、認知症介護基礎研修の受講が義務化されたといえるでしょう。

認知症介護基礎研修の具体的な概要

認知症介護基礎研修の受講は2024年3月までに完全義務化されますが、具体的にどのような内容で、どのような人を対象とした研修なのでしょうか?この章では、認知症介護基礎研修の対象者やカリキュラム、受講方法、受講料、経過措置について解説します。

研修の概要を知って、対象となる場合は受講が完全義務化されるまでに受講しましょう。

対象となるのは無資格の介護職員

認知症介護基礎研修の受講の義務化対象となるのは、介護サービス事業所にて介護に直接携わっている、無資格の介護職員です。義務化の対象外となるのは、以下のような資格を有している介護職員です。

・医療系:医師、薬剤師、歯科医師、看護師など
・介護系:介護職員初任者研修、介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、実務者研修、社会福祉士、訪問介護員養成研修修了者、認知症介護実践者研修修了者など
・リハビリ系:言語聴覚士、はり師・きゅう師、理学療法士、作業療法士など
・体調管理系:栄養士、管理栄養士など
・その他:認知症介護実践研修、福祉系高校の卒業、認知症介護指導者研修など

ただし、これらの資格を有している方でも、希望があれば研修を受け、認知症ケアについての知識やスキルを学べます。

研修のカリキュラムは約6時間

認知症介護基礎研修のカリキュラムは全部で約6時間です。カリキュラム概要をまとめると、以下のようにまとめられます。

引用:認知症介護情報ネットワーク:認知症介護基礎研修シラバス

引用:認知症介護情報ネットワーク:認知症介護基礎研修シラバス

約6時間に及ぶ基本と留意点の学習や実践を通して、実際の認知ケアの現場で必要となる知識や適切な対応方法を学べるのが特徴です。

研修の受講方法

認知症介護基礎研修は、各自治体や委託された教育機関によって受講方法が異なります。新型コロナウイルスの影響により、国の要綱において原則eラーニングでの研修ですが、一部自治体では集合研修も行われています。

お住まいの自治体のホームページで認知症介護基礎研修のコースについて調べて、どのような方法で研修を受講できるのかを確認しておきましょう。

研修の受講料

研修にかかる受講料も自治体や教育機関によって異なります。ただし、東京都や大阪府、福岡県など、多くの自治体でeラーニングを取り入れた研修が3,000円で受講可能です。

3年間の経過措置がある

認知症介護基礎研修には3年間の経過措置が認められており、2014年4月まで対象者に対する研修の完全義務化は保留とされています。それ以降は無資格の介護職員は研修の受講が義務化されるので、それまでに研修を受講しておきましょう。

介護職員初任者研修と比べてどちらがおすすめ?

認知症介護基礎研修とよく比較される資格に、介護職員初任者研修があります。この章では、介護職員初任者研修との違いとおすすめの資格について見ていきましょう。

キャリアアップするなら介護職員初任者研修

介護職員初任者研修では、訪問介護で必要とされる身体介護や生活援助など、介護の基礎から応用までの一連の流れを学べます。その一方で、認知症介護基礎研修は認知症ケアに関する基礎的な知識を学べる研修です。

認知症介護基礎研修はもちろんですが、介護職員としてのキャリアアップを目指すなら、介護職員初任者研修も修了すべきでしょう。

認知症介護基礎研修の次に目指すべき資格とは?

認知症介護基礎研修を修了したら、どのような資格取得を目指すべきなのでしょうか?この章では、認知症介護基礎研修の後に目指すべき資格について見ていきましょう。

認知症介護実践者研修

認知症介護実践者研修は、認知症介護基礎研修を修了した後に受けられる研修です。認知症の方が、自立して社会生活を送るための手助けをする人材を目指します。

東京都福祉保険局が公開している研修の受験要項によれば、受講資格は認知症患者の介護経験が2年程度以上あり、介護福祉士と同等の知識を有し、各施設において介護チームのリーダーとなる資質のある方が受講者として想定されています。ただし、自治体によって条件が変わる可能性があるので注意してください。

認知症介護実践リーダー研修

認知症介護実践リーダー研修は、認知症介護実践研修を修了した後に受けることになる研修です。チームリーダーとして他の介護職員を指導し、地域にある事業所等との連携をはかり、地域の社会資源を用いて認知症の方を支援していきます。

東京都福祉保険局が公開している研修の受験要項によれば、認知症介護実践研修の修了から1年以上が経過しており、認知症ケアの介護業務に5年以上従事している方が研修の対象となります。ただし、自治体によって条件が変わる可能性があるので注意してください。

認知症介護基礎研修を受講して、介護職員としてのキャリアをスタートさせよう!

認知症介護基礎研修は2024年3月から受講が完全義務化される資格で、それまでのうちに無資格の介護職員が受講しなければならない資格です。ニーズが高まりつつある認知症ケアの基礎を学べ、それ以上に高度な認知症ケアに関する資格取得の足がかりになります。

認知症介護基礎研修を受講して、介護職員としてのキャリアをスタートさせましょう。

引用元
厚生労働省:認知症施策総合戦略(新オレンジプラン)
厚生労働省:令和3年度介護報酬改定の主な事項について
認知症介護情報ネットワーク:認知症介護基礎研修シラバス
東京都福祉保健局:認知症介護基礎研修eラーニングについて
東京都福祉保健局:東京都認知症介護研修の概要

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