デイサービスへ転職する際のメリットとデメリット
要介護認定を受けた高齢者が、社会参加、食事や入浴、レクリエーションなどのサービスを受けることができるデイサービス。送迎車で送り迎えがあることや、高齢者が家族以外の人と交流できるなど人気の高い介護保険サービスです。介護職員がデイサービスへ転職を希望する際、どのようなことに気をつければいいのでしょうか。転職する際のメリットとデメリットについてまとめました。
デイサービスの仕事に求められる能力
デイサービスで働く上で求められる能力は、主に3つ挙げられます。
適切な状況判断をし、臨機応変に対応できる能力
デイサービスでは様々な性格や、精神的、身体的特徴を持った方々に一つのフロアで楽しく過ごして頂けるよう配慮した行動が求められます。状況判断を誤ったが為にご利用者に危険や不安、不満を与えることになりかねません。そのため全体に気を配りながら、それぞれの高齢者にあわせた対応が求められます。
意欲を引き出すコミュニケーション能力
デイサービスでは、身体介護だけが仕事ではなく、ご利用者と積極的にコミュニケーションを図ることで、ご利用者の不安を解消し日常生活への意欲向上を図る事が求められます。デイサービスは高齢者が、できる限り自立した日常生活を楽しめるように、コミュニケーションや活動を通じて身体機能の維持、向上やそのための生活意欲の向上を図ることが目的だからです。
複数の業務を同時にこなせる能力
デイサービスでは利用者が過ごしやすいように、落ち着いてゆったりとした雰囲気を演出しますが、その一方で業務は多忙で時間に追われることが多いです。例えば、一人で何人もの利用者を見守りつつ介助を行う場合もあり、複数の業務を同時にこなさなければならない場面もでてきます。
そういった場面でも、求められた仕事を落ち着いてこなす必要があります。デイサービスで働くということは、そういった面を利用者に感じさせないようにふるまうことが求められているのです。
介護職員がデイサービスへ転職する際のメリット
デイサービスへの転職におけるメリットは主に3つ挙げられます。
それぞれの利用者に寄り添った支援ができる
イサービスへ通う高齢者は介護度が低い方も多く、身の回りのことがある程度できる人が多いのが特徴です。そのため相手の立場に立った接遇や自立支援、介護予防といった幅広い介護が求められます。
特にデイサービスで行われるレクリエーションでは、高齢者の自立した日常生活の実現に向けた意欲向上、要介護状態の重度化を予防するためのさまざまな工夫が凝らされています。仕事内容がバリエーションに富んでいるためやりがいを感じやすいといえるでしょう。
利用者だけでなくその家族へも支援ができる
デイサービスの目的は、高齢者の介護支援だけでなく、その家族の介護負担を減らすことです。高齢者をデイサービスに預けて家族が自分の時間を持つことは、在宅介護を続けていく上でとても重要なことです。介護の仕事を通じていろんな人の役に立っていると感じられることは、仕事をする上でもやりがいにつながります。
勤務時間が規則的で働きやすい
デイサービスの勤務時間は施設によっても異なりますが、朝8時~夕方17時までが最も多いのが特徴です。土日や祝日が休みの施設もあり、24時間体制で365日間稼動している入所型の施設と比較すると働きやすいといえます。
介護職員がデイサービスへ転職する際のデメリット
デイサービスの仕事には大きなやりがいがある一方で、デメリットもあります。
身体介護の技術を深めることができない
デイサービスは介護度が低い高齢者が多いため、自立支援や介護予防のスキルは深められても、身体介護する場面は少なめです。そのため、身体介護の技術を深めるには適していないといえるでしょう。
人間関係にストレスを感じる場合も
デイサービスの利用者は高齢であってもしっかりとした人が多いため、接遇などしっかりとした配慮が必要となります。ご利用者の中には気難しい性格の人もいますので、配慮が必要となります。
給料が安い
24時間体制の入居型の施設と比べ夜勤手当がない為、デイサービス施設の方が給料が安いことが多いのです。
いかがでしたか? デイサービスでの給料は他の介護施設と比べると低めです。ただし夜勤もなく勤務時間が規則的なので仕事をする上でも負担が少ないといえるでしょう。介護の仕事がしたいという気持ちがあっても体力面に不安がある方や、子育てをしているので夜勤を避けたい方にとっては、デイサービスの仕事は向いているといえます。
▼監修者プロフィール
氏名:近藤 貴史(株式会社SOL 代表取締役)
経歴:介護現場の最前線で活躍後、通所介護事業FC本部直営事業所役員として従事、管轄下の事業所売上は全て大幅黒字。その後、社会福祉戦略研究所(株)に取締役として就任。現在は(株)SOL代表取締役として介護・医療事業の新規開設・運営改善を主とし、介護システム開発アドバイザリー・CCRC導入等、一部上場企業・市区町村からの依頼まで多方面で活躍。