鍼灸師の合格率はどれくらい? 国家試験合格を目指せる専門学校を紹介!
お客様の体に対して、手術をおこなわず、体の外側からの施術によって不調の改善を試みる治療法にはさまざまなものがあり、そのなかには国家資格となっているものも少なくありません。「鍼灸師」はこうした治療法のひとつであり、その施術をおこなうには国家資格を取得する必要があります。
ここでは鍼灸師だけでなく、鍼灸師の仕事とも深い関係のある「柔道整復師」と「あん摩マッサージ指圧師」の国家試験合格率、および資格取得を目指すうえでおすすめの専門学校をご紹介します。
鍼灸師の合格率はどれくらい? 第27回(平成31年実施)の情報を紹介
国家試験の難易度は、受験者数と合格者数を比較することである程度判断できます。ここでは第27回(2019年実施)の鍼灸師国家試験の情報を参考に、同試験の合格率をご紹介しましょう。ちなみに、この国家試験は「はり師」と「きゅう師」にわけて実施されるため、ここではこれら2つの試験のデータを別々にみていきます。
はり師の合格率|受験者数と合格者数
2019年に実施されたはり師の国家試験では4,861名が受験し、そのうちの3,712名が合格となりました。この結果から、この年の合格率は76.4%となっています。
平成に入ってから開始された「はり師国家試験」の受験者数は、2004年にはじめて4,000名を突破し、2006年には最多の5,561名を記録しました。また、合格者数に関しては2010年の4,553名が最多となっています。
近年の受験者数は4,000名台後半を推移していますが、合格率に関しては2017年に57.7%を記録するなど増減が激しく、年度によって試験の難易度には若干の違いがあるといえます。また、各数値の平均は、受験者数が4,009名、合格者数が3,111名、合格率が77.6%です。
きゅう師の合格率|受験者数と合格者数
2019年の「きゅう師国家試験」の受験者数は4,655名で、このうち3,656名が合格しています。この結果から、この年の合格率は78.5%となっており、基本的な数値ははり師国家試験のそれと大差ないといえます。
きゅう師国家試験の受験者数は2007年の5,539名が最多で、2013年以降は4,000名台で推移しています。また、合格者数は2010年の4,595名が最多となっており、この年の合格率は83.6%でした。
各数値の平均値に関しては、受験者数が3,979名、合格者数が3,109名、合格率が78.1%となっており、これらの数値に関しても、はり師国家試験の数値と非常に近いことがわかります。
同じく体の不調を癒す医療資格、柔道整復師やあん摩マッサージ指圧師の合格率は?
鍼灸師の仕事は「はり」や「きゅう」を使用して体の不調を改善しますが、道具は使いませんが同じような仕事を担う医療資格として「柔道整復師」と「あん摩マッサージ指圧師」もあります。
柔道整復師、およびあん摩マッサージ指圧師として働くには国家資格の取得が必須となり、この点も鍼灸師と共通します。続いては、柔道整復師とあん摩マッサージ指圧師の合格率についてみていきましょう。
柔道整復師の合格率|受験者数と合格者数
2018年度における柔道整復師国家試験の受験者数は6,164名で、このうち4,054名が合格となりました。この結果、この年の合格率は65.8%となり、はり師やきゅう師の国家試験に比べて若干難易度は高かったことがわかります。
また、直近10年の柔道整復師国家試験の合格率は、2017年度に58.4%を記録したことを除けば、60%台から70%台で増減を繰り返しています。
あん摩マッサージ指圧師の合格率|受験者数と合格者数
あん摩マッサージ指圧師になるためには国家試験への合格が必須となりますが、この試験は受験者数が少ないようです。2018年度の同試験では1,498名が受験し、このうち1,300名が合格、合格率は86.8%という数値が出ています。
また、直近10年のあん摩マッサージ指圧師国家試験では、2018年度を除いて受験者数は1,000名台後半を記録し、合格率は80%台を推移しています。これらのデータから、この国家試験の年度ごとの難易度はほぼ同じであるといえるでしょう。
国家試験合格を目指せる専門学校を紹介!
家試験を受け、それに合格する必要があります。専門学校などへ通うことは受験資格を満たすという点でも大きな意味があり、専門学校などへ通っていないと、そもそも国家試験を受けることができません。
続いては、鍼灸師国家試験の受験資格を満たすうえでも通うことが必須となる専門学校のなかでも、おすすめの学校を6校ご紹介します。ちなみに、通信講座を受けるだけでは受験資格を満たすことができないため、ここでは通学を必須とする専門学校をピックアップしました。
東洋鍼灸専門学校|鍼灸科(夜間アリ)
新大久保駅前に校舎を構える「東洋鍼灸専門学校」は、60年以上もの長い歴史を持つ専門学校です。こちらの学校の鍼灸科では、3年間で鍼灸を基礎から学ぶことができます。また、この学科には昼間部と夜間部があり、仕事をしながら資格取得を目指したいという方にもおすすめです。
一方、同校では鍼灸関連の学科として「鍼灸あん摩マッサージ指圧科」も設けているため、鍼灸師とあん摩マッサージ指圧師、両方の資格取得を目指すのもよいでしょう
出典元:東洋鍼灸専門学校 鍼灸科
日本医学柔整鍼灸専門学校|鍼灸学科(夜間アリ)
こちらは高田馬場にある専門学校で、「鍼灸学科」にて鍼灸を学ぶことができます。また、同学科のカリキュラムには日本鍼灸と中国鍼灸の両方を学ぶための講義・実習が組み込まれているため、資格取得だけでなく、その後の就職も見すえた実践的な技術を習得できるでしょう。
夜間部もあるため、仕事との両立を重視して学校を選びたいという方にもおすすめです。
横浜医療専門学校|鍼灸師科(夜間アリ)
横浜駅から徒歩5分の場所にある「横浜医療専門学校」の鍼灸師科は、鍼灸について学ぶことができる3年生の専門学校です。この学科では標準的な講義や実習だけでなく、国家試験への合格を目標とした試験対策講座を受けることもできます。
こちらの学校では昼間部の授業が9:00~12:10、夜間部の授業が18:30~21:40でおこなわれているため、社会人や学生の方でも通学がしやすいというメリットもあります。
出典元:横浜医療専門学校 鍼灸師科
名古屋医専|東洋医療学部 鍼灸学科(夜間アリ)
名古屋で鍼灸師を目指す方には、名古屋駅のすぐ近くにある「名古屋医専」がおすすめです。こちらの学校には医療や看護に関する多種多様な学科が設けられているという魅力があり、鍼灸については「東洋医療学部 鍼灸学科」で学ぶことができます。夜間部もあるので、仕事をしながら学びたいという方にもぴったりです。
この学科では資格取得だけでなく、その後の就職活動でも有利となる技術・知識の習得を目指すことができ、たとえば鍼灸師と柔道整復師の2つの資格取得を目指すことも可能です。
東洋医療専門学校|鍼灸師学科(夜間アリ)
大阪で鍼灸師を目指す場合は、こちらの「東洋医療専門学校」がおすすめです。こちらの学校では鍼灸について学ぶための学科として「鍼灸師学科」を設けています。
この学科ではスポーツトレーナーによるセミナーを受けられるという特徴があり、就職活動でも活かせる専門的な知識や技術を身につけたいという方にもおすすめです。また、こちらの学校でも夜間部が用意されています。
出典元:東洋医療専門学校 鍼灸師学科
九州医療スポーツ専門学校|鍼灸学科
「九州医療スポーツ専門学校」は北九州市小倉北区にある専門学校です。こちらでは「鍼灸学科」で鍼灸を基礎から学ぶことができるので、鍼灸の知識がほとんどなく不安という方でも、安心して国家試験合格を目指せます。
また、昼間部が2部にわかれており、午前の部と午後の部から好きなほうを選べるという魅力もあるので、仕事などとの両立がとくにしやすい学校であるといえます。
こちらの学校のスポーツ鍼灸学科は、夜間部開講しており鍼灸学科同様に鍼灸師資格が目指せるので、働きながら鍼灸師を目指すこともできます。
鍼灸師の国家試験合格率は高め!
鍼灸師国家試験は、ほかの国家試験に比べると合格率が若干高いという特徴があり、しっかりと対策を講じて受験すれば一発合格もじゅうぶんに狙えるでしょう。
ただし、国家試験を受けるためには、専門学校などへ通うことで受験資格を満たさなければならないため、在学中にしっかりと勉強し、実戦的な知識・技術を身につけることが重要であるといえます。
引用元:
公益財団法人 柔道整復研修試験財団 「1. 柔道整復師国家試験の実施」