介護事務はつらい?大変と感じる5つの瞬間とやりがいを感じるポイントについて紹介
「介護事務の仕事はつらい・大変という話を聞いたことがある」という方もいるのではないでしょうか?介護事務の仕事は、事務作業だけでなく、介護サポートや施設利用者・関係者とのコミュニケーションなど、業務の幅が幅広く、大変だという意見もあります。
本記事では、介護事務がつらいと感じる5つの瞬間や実際の口コミ、やりがいを感じるポイント、就職・転職を成功させるコツについて紹介します。
介護事務として働く人がつらいと感じるポイント、やりがいを感じるポイントについて知って、介護事務への就職・転職を目指すべきか検討してみましょう。
介護事務がつらいと感じる5つの瞬間
介護職がつらいと感じる瞬間には、業務の多さや難しさ、人間関係、給料に関する不満などが挙げられます。ここでは、つらいと感じることが多いタイミングを確認しましょう。
1.仕事が多くて覚えきれない
介護事務の主な業務は介護報酬請求ですが、それ以外にも職員の給与計算や窓口業務など、担当する業務の幅が広いケースも珍しくありません。忙しい職場では、介護サポートに入って、食事介助や洗濯・掃除などの生活支援を担当することもあります。
とくに介護報酬請求の作成業務で多忙になりがちな月末・月初の時期にサポートを頼まれると、業務が多すぎて仕事を覚えきれずにつらいという方もいるでしょう。
2.職場の人間関係に苦労しがち
介護事務の仕事でストレスを感じてつらいと思ってしまうケースが多いのが、職場での人間関係です。同じ職場のスタッフや利用者、施設外の関係者とコミュニケーションをとる機会が多い介護事務の仕事ですが、その中で人間関係に悩んでしまうことも。
多忙な職場であればあるほど、先輩から丁寧に仕事を教えてもらえずに無視されたり、職場の同僚から嫌味を言われてしまったりといったケースもあるようです。
3.大変な仕事の割には給料はあまり多くない
介護事務の仕事は、大変な業務で心身ともに疲弊する場合もあるのに、その大変さの割にはあまり給与が高くないというデータもあります。
たとえば、日本経済団体連合会が公表している2021年6月時点での所定労働時間内賃金は全産業39万1,408であったのに対し、厚生労働省が発表している『令和3年度 介護従事者処遇状況等調査結果』によれば、介護事務の賃金は常勤で30万1,940円、非常勤にいたっては19万7,230円でした。介護職全体のデータと比較すると以下の通りです。
引用元:厚生労働省:令和3年度 介護従事者処遇状況等調査結果
重労働の割に給与が低いのは、つらいと感じてしまう大きな要因の一つのようですね。
4.介護に関する専門知識が求められる
介護事務の業務では、介護保険や介護報酬請求業務など、専門的な知識を求められるケースもあります。ただでさえ忙しい仕事ですが、職員全体の給与に関する業務に携わるということもあって、最初の頃は専門知識の習得に時間がかかってしまう点が大変です。
また、介護保険制度は3年ごとに更新されるので、介護事務として働くためには、継続的な介護保険の改訂内容を把握し、学習していく必要があることも大変なポイントでしょう。
5.責任が重い仕事が多い
介護事務の仕事は、責任が伴う業務も多いです。たとえば、介護報酬請求の内容にミスがあると報酬が振り込まれず、職員の給与が振り込まれないという事態も。このミスが許されない業務に携わっていることで、精神的なストレスを抱えてしまう方もいます。
介護事務として働く職員の実際の口コミ
介護事務の現場で実際に働いている、もしくは働いた経験のある方は、一体どのような体験をしているのでしょうか?ここでは、職員からの実際の口コミを紹介します。
事務作業だけでなく現場のサポートもお願いされた
“元々、介護職員として働いていましたが、身体的な不安から肉体労働が少ないと考えていた介護事務の職場に転職しました。しかし、実際の現場では、介護職員の方のサポートや雑用を任されるケースが多く、実質的に介護職員と変わらない業務内容でした”
介護事務の仕事を事務作業中心とばかり考えていたら、実際には現場の介護職員が担当しきれない業務のサポートや雑用を任されるケースがあるようです。
介護事務といっても職場によって業務内容が異なるので、業務内容の相違で後悔しないためにも、事前にやるべき業務を確認しておきましょう。
社会保険に関する業務や給与計算などが大変
“社会保険に関する業務や給与計算など、専門知識が必要で、ミスが許されず神経を使う業務が多く、サポート業務も多い中でそれらを全てこなすのは難しい”
介護事務の主な業務は介護報酬請求の業務ですが、その他のサポート業務が重なり、なかなか集中して業務をこなすのが難しいという声もあります。たくさんのサポート業務をこなす中で、ミスが許されない業務を集中力を保ちながら行うのは大変でしょう。
ライフワークバランスが保てない
“プライーべートと仕事のライフワークバランスがとれると思って介護事務の仕事を始めたが、意外にも残業や急な出勤要請も多く、仕事中心の生活になってしまった”
介護事務の仕事では、施設内の介護職員の人材不足を埋めるために残業や休日出勤せざるを得ないケースもあり、ライフワークバランスを保つのが難しいという声もありました。
介護事務でやりがい・魅力を感じるポイント
介護事務は大変な面も多い一方で、やりがいや魅力を感じるポイントもあります。ここでは、介護事務の仕事がもつ魅力について見ていきましょう。
責任が大きい分、達成感が大きい
介護事務は責任が大きい業務が多い一方で、自分にしかできない仕事をしているという自負や達成感がある点がポイントです。現場の介護職員を陰で支える縁の下の力持ちで、介護事務スタッフがいないと、現場がまわらないという職場もあるほど。
責任のある仕事で、人の役に立ったり達成感を得たりしたいという方におすすめの仕事です。
業務の幅が広くて飽きることがない
介護事務の仕事は介護報酬請求の業務や窓口業務といったメイン業務のほかに、現場サポートや利用者・利用者家族とのコミュニケーションなど、非常に多岐に渡ります。
事務所にこもって会計や請求書作成業務ばかりする訳ではなく、現場でのサポート業務にも携わるので、同じ作業の繰り返しに飽きてしまうことは少ないでしょう。
施設利用者から感謝の言葉をかけてもらえる
施設利用者との接点も多い介護事務の仕事は、業務をこなすと利用者から感謝とねぎらいの言葉をかけてもらえることもあります。他人とのコミュニケーションをとる中で、やりがいを感じたいという方にぴったりの仕事だといえるでしょう。
介護事務の就職・転職を成功させるためのコツ
介護事務の仕事内容に興味関心を持っている方は、就職・転職を成功させるためのコツについて知りたいでしょう。ここでは、いくつかのコツについて見ていきましょう。
業務内容を事前に確認する
介護事務の就職・転職を成功させるコツは、募集案件に応募する前に主な業務や副次的な業務として、どんな業務を担当することになるのか、残業の有無や頻度などを確認できる範囲でチェックしておくことがおすすめです。
そうすることで、就職・転職後のミスマッチを減らすことができるでしょう。
現場で必要とされるスキル・資格を取得しておく
介護事務の仕事は、職場によって異なります。現場で必要とされるスキル資格も、職場によって異なることが多いので、就職・転職を希望する職場で求められているスキル・資格の有無を把握して取得しておくことで、望んでいた結果を得られやすいでしょう。
介護事務はつらいこともあるが、やりがいを感じられる魅力的な仕事!
介護事務の仕事では、業務量の多さや仕事の責任の大きさ、人間関係や重労働な割に低い賃金に対して不満を抱き、つらいと感じる方もいます。しかし、大変である反面、やりがいや達成感を覚えたり、感謝の言葉をかけてもらえたりするケースも多いです。
就職・転職を成功させるためには、現場で必要とされるスキル・資格について確認して、選考で選ばれる人材を目指すことが大切だといえます。また、業務内容を事前に把握しておくことで、就職・転職後のミスマッチを減らせる可能性があるのでおすすめです。
介護事務として働いて、他人から感謝される業務をこなしていきましょう。
引用元
厚生労働省:令和3年度 介護従事者処遇状況等調査結果
一般社団法人 日本経済団体連合会:2021年6月度 「定期賃金調査結果」