管理栄養士や栄養士が活躍できる職場10選|人気のある就職先や選ぶ際のポイントを解説
管理栄養士や栄養士の活躍の場は給食施設や病院、介護施設だけにとどまりません。メーカーや行政機関、研究機関など、就職先の業種・職種の選択肢が幅広いのが特徴です。
本記事を読めば、栄養士の具体的な仕事内容や働ける場所、就職先の見つけ方、栄養士に向いている人の特徴を理解したうえで自分に合った職探しができます。
- 管理栄養士ってどんな仕事?
- 【10選】管理栄養士・栄養士が活躍できる就職先
- 1. 病院・医療施設
- 2. 給食施設|保育園や学校・企業など
- 3. 介護施設|高齢者福祉施設など
- 4. 行政|保健所・公立施設など
- 5. メーカー|食品・医薬品など
- 6. スポーツ・美容施設|フィットネスジム・サロンなど
- 7. 飲食店|レストランなど
- 8.薬局・ドラッグストア
- 9.研究機関|企業や大学など
- 10.フリーランス|インフルエンサーや料理教室の主催など
- 管理栄養士・栄養士から人気が高い就職先とは
- 自分に合った就職先はどうやって見つけるの?
- 自分に合った就職先を選ぶポイントを解説!
- 管理栄養士に向いている人の3つの特徴
- 管理栄養士・栄養士の資格を活かせる職場は多い!
管理栄養士ってどんな仕事?
管理栄養士・栄養士は、食・栄養に関する専門知識を有し、食事管理や調理など、食に関するトータルサポートをおこなう仕事です。健康な方だけでなく、高齢の方や病気を患っている方、身体に障害を抱えている方に対しても、専門知識とスキルをもって栄養管理や栄養指導を実施していきます。
管理栄養士は年々増えている
管理栄養士・栄養士の数は増えつつあるのが現状です。厚生労働省が発表しているデータを見ると、令和元年以降の管理栄養士・栄養士の数は以下のように増加しています。
年度 | 管理栄養士(総数) | 栄養士(総数) |
令和元年 | 24万4,487人 | 111万4,690人 |
令和2年 | 25万4,223人 | 113万2,211人 |
令和3年 | 26万4,181人 | 114万8,982人 |
引用元
厚生労働省:栄養士免許交付数の推移・管理栄養士名簿登録数の推移
管理栄養士・栄養士が増えている背景には、勤務先の選択肢が増加しているほか、AIに台頭されにくい業務内容であるため、将来的なニーズも期待されている点があるでしょう。
管理栄養士・栄養士の就職先の選択肢については以下の見出しでご紹介します。
【10選】管理栄養士・栄養士が活躍できる就職先
栄養管理士・栄養士の仕事内容は、健康を考えて栄養的にバランスの取れた献立を考える、あるいは栄養指導をおこなうことなどにあります。
就職する職場によっては研究開発が中心になったり、献立作成が中心になったりと仕事の内容にはかなりのバリエーションがありますので、自分の得意分野を発揮できる職場を見つけることが大切です。ここでは、活躍できるおもな就職先を確認しておきましょう。
1. 病院・医療施設
栄養士の就職先のなかでも、実力を発揮できることからとくに人気が高いのが、病院と医療施設です。このような施設では、入院患者の食事の管理と調理、提供をおこなうのがメインの職務となります。
病気の治療や再発防止、何らかの合併症の予防の観点から、一人ひとりの患者にとって適切な栄養管理や栄養指導をおこなう必要があります。
病院の医療スタッフや介護スタッフとの連携、患者とのコミュニケーションをはかる機会が多いので、コミュニケーションをとるのが得意な方に向いている仕事です。
また、病院食によって食中毒を起こさないための衛生管理などは、管理栄養士にしかできない仕事です。
2. 給食施設|保育園や学校・企業など
保育園や学校・企業などの給食施設は、栄養士・管理栄養士として着実な経験を積みたいという人におすすめの職場といえます。
仕事の内容は子どもの成長に合わせた献立の作成や食材の選定と購入、調理、そして調理をする場所の衛生管理などです。食物アレルギーや肥満症、糖尿病などを患う子どもに対して個別にメニューを考案したり、栄養指導をおこなったりすることもあります。
職場によってはデスクワークだけのところもありますので、仕事内容をよく確認したうえで自分の得意分野を発揮できる職場を選ぶことが大切です。
3. 介護施設|高齢者福祉施設など
栄養士の就職先のなかでも、年々ニーズが増加傾向にあるのが高齢者福祉施設などの介護施設です。高齢化社会を迎えた日本では、同じ介護施設でも食事の内容にこだわるところが増えてきました。
介護施設で栄養士として働く際には、流動食に対応したり、高齢者が飽きないようなメニューを考えたりといった適応力が要求されます。
4. 行政|保健所・公立施設など
保健所や公立施設などといった、行政関係の職場に就職するのもひとつの案です。都立学校や区市町村立学校、保健所、あるいは都立病院などが栄養士のおもな就職先で、栄養成分表示の監視指導や栄養調査、地域の食を通じた健康づくりなどに携われます。
地方公務員・国家公務員として、時には健康づくりや食に関するセミナーを実施して、健康づくりや栄養価を考慮した食事について広める広報活動に従事する必要があります。
5. メーカー|食品・医薬品など
食品や医薬品などの一般メーカーに就職するのも、栄養士・管理栄養士が実力を発揮するいい機会といえるでしょう。こういった職場では、商品の企画や開発に携わることができますので、幅広い栄養知識を活用したいと考えている人には最適です。
広報などの業務をおこなうこともありますので、人とのコミュニケーションが好きな人に向いている就職先といえます。
6. スポーツ・美容施設|フィットネスジム・サロンなど
フィットネスクラブやジムなどといったスポーツ関連企業では、健康増進やダイエットを促進するための栄養指導、および食生活についてアドバイスをするスポーツ栄養士の求人を随時おこなっています。
スポーツ団体の監督やコーチからのニーズも高く、スポーツ選手たちの怪我を予防し、疲労回復をサポートする専門的な食事づくり・栄養サポートが求められます。
スポーツ栄養士として経歴を積んだあとは、スペシャリストとして独立開業し、プロスポーツチームと専属契約することも夢ではありません。
また、エステティックサロンのような美容施設においても、体質改善やダイエットに向けた栄養指導や食事のアドバイスをおこなうことがあるでしょう
7. 飲食店|レストランなど
レストランなどの飲食店も、最近は低カロリー・ヘルシー志向のメニューを意識するところが増えてきており、メニューの開発や献立作成の場で栄養士・管理栄養士の需要が増えています。
また、社員食堂や学生食堂では食材の衛生管理や献立作成、栄養管理、調理指導、食事の提供などを一貫しておこなう機会もあるでしょう。
メニューのカロリー表示なども栄養士の仕事です。栄養を通じて自己実現したいという人にはおすすめの就職先といえるでしょう。
8.薬局・ドラッグストア
薬局やドラッグストアでは、お客様一人ひとりの相談に乗りながら、それぞれに合った健康・栄養指導をおこないます。店舗内に測定機器が置いてある場合は、使用方法を説明したり、サポートしたりすることもあるでしょう。
また、栄養管理や食事に関わるイベントの立案に携わることや、薬局やドラッグストアのレジ業務や品出し業務などの一般業務にも従事するケースがあります。
9.研究機関|企業や大学など
食品関係の企業に入って商品の研究開発をおこなったり、大学や研究所の研究室に所属して日夜研究に勤しんで、研究論文を発表したりすることもあるでしょう。
自分が興味関心のある研究分野がある方は、研究機関で働くのも選択肢の一つです。
10.フリーランス|インフルエンサーや料理教室の主催など
フリーランスの管理栄養士・栄養士として、料理教室を開催したり、SNSでフードコーディネーターとしての知識や経験を活かして配信活動をおこなったりする方もいます。
固定給がもらえる訳ではないので、あくまでも自発的に動ける方に向いた働き方です。
管理栄養士・栄養士から人気が高い就職先とは
全国栄養士養成施設協会が公表している令和4年度の栄養士養成施設の卒業生の就職率は90.03%となっており、管理栄養士・栄養士の就職先は以下のとおりです。
管理栄養士養成施設の卒業生の進路内訳 | 割合 |
行政 | 2.66% |
学校 | 3.91% |
病院 | 31.37% |
企業 | 27.47% |
児童福祉施設 | 9.78% |
社会福祉施設 | 3.27% |
介護保険施設 | 8.60% |
教育機関 | 0.49% |
委託給食会社等 | 11.44% |
その他 | 1.01% |
栄養士養成施設の卒業生の進路内訳 | 割合 |
行政 | 0.44% |
学校 | 8.25% |
病院 | 20.59% |
企業 | 16.10% |
児童福祉施設 | 20.08% |
社会福祉施設 | 2.77% |
介護保険施設 | 12.22% |
教育機関 | 0.80% |
委託給食会社等 | 16.75% |
その他 | 2.00% |
引用元
一般社団法人 全国栄養士養成施設協会:卒業生の就職率と就職先
このように、病院や企業、委託給食会社に就職する方が多いです。その中でも管理栄養士は病院と企業、栄養士は病院や児童福祉施設に就職する割合が高くなっています。
自分に合った就職先はどうやって見つけるの?
管理栄養士・栄養士の守備範囲は非常に広いため、就職先もさまざまな場所が考えられます。そのため、自分が将来、どんな職場で活躍したいのか、どのような形で自己実現をしていきたいのかをよく考えたうえで、自分にぴったりの就職先を見つけることが大切です。
実際にどのように就職先を見つけたらいいのかについて、くわしく見ていきましょう。
在学中|大学や専門学校の就職窓口で相談する
管理栄養士や栄養士になるために、短大や専門学校、大学に在学しているのであれば、学校の就職窓口で相談をするのがおすすめです。
栄養大学などが求職者のために設置している「就職支援室」では、求人に関するさまざまな情報を公開しています。就活プランの作成などを通してサポートをしてくれますので、ぜひ利用してみましょう。
都道府県栄養士会のホームページで探す
各都道府県の栄養士会ホームページでも、手っ取り早く就職先を見つけられます。随時更新されている求人情報を無料で閲覧できますし、都道府県ごとに開催している研修会への参加予約フォームなどにも簡単にアクセスできるのが栄養士会ホームページの大きなメリットです。
日本栄養士会のホームページから、各都道府県の栄養士会のホームページのURLが並んでいるので、就職する予定の都道府県のホームページで仕事を探してみましょう。
たとえば、東京都栄養士会のホームページでは、保育園や病院などの豊富な求人情報を閲覧できます。
引用元
公益社団法人 日本栄養士会:全国の栄養士会
公益社団法人 東京都栄養士会
就職情報サイトや求人情報サイトで探す
就職情報サイトや求人情報サイトを使って、管理栄養士・栄養士の就職先を見つける方法もあります。大手の求人サイトであれば、栄養士向けの求人も多数掲載されていますので、数多くの選択肢の中から自分のニーズに最も合った就職先を選ぶことが可能です。
自分に合った就職先を選ぶポイントを解説!
管理栄養士・栄養士として働ける職場は多いですが、自分に合った就職先を選ぶためにはどんなことに注意したらいいのでしょうか。ここでは、就職先を選ぶ際のポイントをご紹介します。
1. 職場の規模より仕事のやりがいを
病院や企業などで栄養士の就職先を探す際に、どうせなら規模の大きいところで働きたいと考える人も多いようですが、大手企業や大病院が必ずしも理想的な職場とは言い切れません。
自分の能力を発揮できる、やりがいのある職場は、案外身近な小規模の病院や企業である可能性も少なくないです。新しいことに挑戦したいのであれば、中小のベンチャー企業もおすすめです。
2. 夢を達成できるかどうか
就職先を選ぶ際には、給与や福利厚生の充実度などが基準として重視されますが、仕事内容が自分に合っていなければ、うまく自己実現できません。
多少お給料が低くても、自分の夢を達成できる職場であれば満足度も高く、長期間にわたってストレスなく仕事を続けていける可能性も大きくなります。つねに目的意識を持って、生き生きと働ける職場を探すことは非常に大切です。
3. 将来的なキャリアを考える|知識と経験を積んだ先
初任給がいいなどといった目先のことだけを考えずに、5年先、10年先の将来的なキャリアを考えて就職先を探すことも忘れてはいけません。
自分なりのキャリアプランを立ててみて、理想とする管理栄養士になるためにはどのような職場で経験を積んだらいいのかについて考えてみれば、自ずと最適の就職先もわかってくるはずです。
4. 再就職可能な職場かどうか|ライフイベントに合わせて選ぶ
管理栄養士・栄養士は女性の割合が多い職業ですので、結婚や妊娠・出産などといったライフイベントに合わせて就職先を選ぶことも考えなければなりません。
出産や子育てでいったん退職した後も再就職が可能な職場かどうか、福利厚生は充実しているかどうかなどをよく確認したうえで就職先を選びましょう。
管理栄養士に向いている人の3つの特徴
食への興味関心がある方や栄養計算を苦に感じないような計算能力、栄養バランスに基づいた献立を作成できる論理的な思考能力がある方が、管理栄養士に向いています。
管理栄養士・栄養士としての素質があるのかどうかをチェックしてみましょう。
1.人の身体や健康に興味がある
管理栄養士・栄養士の仕事は、健康づくりに携わる仕事です。人体の構造や病気になるメカニズムなどについて理解して、病気を予防・改善するための食事内容を考えます。
人体や病気のメカニズムについて学習する意欲がある方に向いています。
2.食べることが好き
管理栄養士・栄養士は、食事に関わる仕事です。栄養バランスや調理方法を考え、時には自分で献立を考案することもあります。食べることが好きな方でないと難しいでしょう。
また、食事を通して料理の文化的な側面を伝える役割を考慮する必要もあります。
3.計算や論理的な思考能力がある
栄養バランスのとれた献立を作成するためには、栄養価を計算したうえで予算内でおさまるような食材を選ぶ必要があり、その都度、細かく計算しなければなりません。
計算能力や論理的な思考能力が求められる点は覚えておきましょう。
管理栄養士・栄養士の資格を活かせる職場は多い!
紹介したように、管理栄養士・栄養士の資格を活かせる職場は多岐にわたります。つまり、豊富な選択肢のなかから好きな就職先を選べるということですので、自分の将来や夢に向かって、職場を選ぶのがおすすめです。
「自分の作った料理で誰かを幸せにしてあげたい」「人と接する仕事が好き」といった自分のアピールポイントを今一度見直して、自分に合った職場を選んでみてくださいね。
また、管理栄養士・栄養士の仕事を探す際におすすめなのがリジョブです!介護・看護に特化した求人サイトなので、管理栄養士・栄養士に人気の就職先から仕事を探せます。
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