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ヘルスケア 2023-06-12

鍼嫌いだからこそ行き着いた、業界でも稀なエコーを使った鍼治療「BODY REMAKER鍼灸治療院」

浅草橋に「BODY REMAKER鍼灸治療院」を構える、種市敢太さん。治療院に一歩足を踏み入れると目を引くのは、所せましと並んだ最新機器の数々。鍼嫌いだったという過去から、業界でいち早くエコーを導入し、鍼治療の安全性や研究を続けているそうです。そんな真摯な姿勢に患者さんからの信頼も厚く、リピート率は8割を超えているといいます。

今回、お話を伺ったのは…

種市敢太(たねいちかんた)さん

鍼灸師/「BODY REMAKER鍼灸治療院」代表

カイロプラクティックをベースにした鍼灸整骨院に5年勤務して技術を磨いたのち、2019年に独立。「BODY REMAKER鍼灸治療院」を立ち上げる。3年ほど前にエコーを利用した鍼治療を業界で初めて取り入れたほか、ラジオ波やメディセルなど最新の技術を導入。患者さんにあった治療を提供することをモットーにしており、平均リピート率8割を誇る。慢性痛を改善した例も多数。エコーを利用した鍼治療を研究する「西洋鍼灸研究会」の代表も務める。

治療技術を狭めるのは施術者のエゴ。自分が扱えるものはすべて使う

実際の肩の部分のエコー画像。体の内部を見ることで、安全かつ効果的な鍼治療が可能に

――エコーを使った鍼治療は業界ではほとんど取り入れられていないとお聞きしました。導入にはどんなきっかけがあったのでしょうか?

一番大きな理由は、私が鍼を信頼していなかったからです。整骨院に勤務していたときも鍼を使っていましたが、鍼が万能だとか、すごい技術だと思ったことは一度もありません。表面から見ているだけではどこにどう刺さっているかわからないですし、なぜ効いているのかわからない。鍼灸師は医師以外で唯一体に異物を刺せる仕事なのに、体内の情報を一切学ばずに、体の表面のイラストと解剖図だけで鍼を刺してしまうからトラブルが絶えないと考えています。そして私自身、鍼の施術を受けるのが怖いし、痛いし、苦手です。

だからこそ効果がない鍼を適当に刺そうという気にはなれなくて。患者さんの安全を確保しながら鍼治療をしてもらうには、どのように体内に鍼が刺さっているかを確認するしかなく、そのためにはエコーを使うしかないと思っていました。ただ通常、エコーと言うのは医師が診断用に使うもので、鍼灸師が使えるものがなかったため、なかなか導入ができなかったんです。今から3年ほど前に鍼灸師でも使えるエコー観察装置があると聞いて、すぐに導入を決めました。

――では、鍼治療を行う方すべてにエコーを使っているのでしょうか?

必要があれば、という感じですね。エコーは医師でなくては診断ができないので、あくまで学習用だと思っています。さまざまな長さの鍼があるので、それぞれの鍼を体のどのくらいまで刺せば効くのかを再現できれば、エコーを毎回使う必要はないと思っています。ただ今まで学習していないようなパターンの方が来院されることもあるので、そういう方に対してはエコーを見ながら鍼治療を進めます。

ここではエコー以外にも体の深部まで温めることができる「ラジオ波」や筋膜リリースが可能になる「メディセル」などさまざまな機械を取り入れています。私が一番大切にしていることは、患者さん1人1人にあった技術を扱えるようになりたいという思いです。自分にはこの治療方法しかないと選択肢を狭めてしまうのは治療家のエゴでしかないと思っていて。患者さんが治る可能性のあるものは、自分で見つけて提供していきたいと考えています。手札を多くして、切れるカードを増やしているのがこの治療院の強みです。

治療に懐疑的だった過去。患者さんそれぞれの痛みの元を徹底的に探す

「BODY REMAKER鍼灸治療院」には数々の最新機器が並んでいる。種市さんは患者さんのためになるのであればと、設備投資をいとわない

――さまざまな機器をお使いだということですが、どの機器をどう使うかは、どのようにして決めているのでしょうか?

その方の主訴に対して原因がどこにあるかを見極める、いわゆる鑑別をして決めています。たとえば肩こりという主訴があったら、血流やリンパの流れが悪いという液体的な問題なのか、脂肪や筋膜の癒着がある器質的な問題なのか、体の機能的な問題なのか。原因となりえる要素がたくさんあるんですね。それを見極めて、ラジオ波、筋膜リリース、電気治療、超音波などをステップアップしながら治療していきます。体の奥に届くことや、体内に物質的に入ることなど鍼治療にしかできないこともありますが、最後の一手が鍼になることが多いですね。

――その治療法で慢性痛も治すことができると。

はい。私は元々、鍼治療だけでなくカイロプラクティック的なゆがみを治す手技に対しても懐疑的だったんです。体の治療ではよく、ゆがみが問題だと言われますよね。たとえば骨盤矯正。ただ私が骨盤矯正の施術をしていても骨盤が元の位置に戻った試しがなくて。解剖学的に見ても、骨盤というのは動かないものだと思うんです。

そもそも人間の体は内臓の大きさ、手足の筋肉量、骨格の違いなどがありますから、ゆがんでいて当たり前ですし、その人にとってゆがみは問題ではなく、ゆがみがあるままの姿勢が楽だということもあります。何が問題になるか、痛みにつながるかは人それぞれなので、その人の原因を探すことで症状を改善するようにしています。

一番大切なのは自分の技術を疑い、学び続けること

自分の技術にあぐらをかかず、疑うことでより良い治療を提供したいと種市さん

――鍼灸師として心がけてきたことはどんなことでしょうか?

自分の技術を一番に疑うことを徹底しています。私が鍼灸嫌いでよかったと思うのは、もし鍼灸が好きだったら「自分には効いたから」、「自分にはよかったから」と自分の技術を正当化してしまったと思うんです。この鍼はどう効くのかということを客観視して、技術を疑わないといけないですし、そしてその疑いを晴らすために学びを止めてはいけないと思っています

――患者さんに対して心がけていることはありますか?

患者さんを否定しないことです。治療院でよくありがちなのが、「あなたはこういう運動をしないからだめなんですよ」とダメ出しをすることだと思うんです。でも患者さんは生活のなかでがんばって生きていて、それでもちょっとしたケアが行き届いていないがゆえに体が悪くなってしまっている。その方を肯定したうえで、改善策を用意し、生活を良くするのが我々の役目だと思っています

――ちなみにエコーを使い始めたことに関して、ほかの鍼灸師の方からはどんな反応がありましたか?

あまりいい反応はなかったですよ(笑)。鍼を使って腕一本で勝負すべきという考え方の人が多いんだと思います。ただ私は患者さんの安全のためにエコーを使っているので、そういう思いをきちんと話すと分かってくれる方も多く、最初はSNSで否定されていた方と仲良くなったケースも多いです。


後編では5年前の独立時のお話を伺います。物件を見つけてから1週間という超スピード展開で治療院を開いた種市さん。まったく集客をしないままオープンしてしまったために、初月の売上は8万円程度だったそうです。しかしそこから4カ月目には60万円の売上を達成。その裏には治療院を訪れた人の口コミがあったといいます。後編もお楽しみに!

information

BODY REMAKER鍼灸治療院
住所:東京都台東区浅草橋2-2-3 大島ビル1F
TEL:03-5809-3024

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