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ヘルスケア 2022-09-12

たくさんの人の笑顔を見るために、その人に合った施術を提供し続けたい【院長 鈴木 智之様さん】#1

地方でヘルスケア事業に携わっている方に、集客や売上アップのための取り組みについてインタビュー。

今回は、愛知県内で鍼灸院と整骨院の2店舗を経営する院長の鈴木 智之さんにお話を伺います。

前編では、鈴木さんが業界に進んだ意外なきっかけや経営の経緯、展開するサービスについてご紹介します。

お話を伺ったのは…
院長 鈴木 智之様さん

愛知県内にある明治国際医療大学へ進学し、鍼灸について学ぶ。その後、実家のお寺を継承するため大本山総持寺で僧侶として1年間修行。鍼灸だけではなく、整骨の資格を取得するため米田柔整専門学校へ入学し、柔道整復師の免許を取得。卒業後、整骨・整体の派遣会社で約10年間勤務し、義父の整骨院で8年働いたのち、経営者となり現在愛知県内で二店舗開業。

たくさんの人の笑顔が見たくて整骨の道で経営者を目指した

老若男女の幅広い客層に親しみを持ってもらうため、季節ごとにイベントを開催。写真はハロウィンの様子で、スタッフが仮装をし、くじ引きを行うなど治療院の枠にとらわれない楽しみを提供

 

――初めからこの業界に進もうとされていたのですか?

最初は、映画関係の仕事に就きたいと思っていました。映画って、見ると元気をもらえたり笑顔になれたりするじゃないですか。映像一つで場所や人関係なく、間接的にたくさんの人の笑顔が生み出せるところがとても魅力的だなって思っていて映画に憧れがありました。

でも「それ一本で」というのは不安だなと…。夢とは別に手に職をつけておいたほうが安心できると思い、京都にある鍼灸が学べる大学へ進んだことがきっかけです

――映画と整骨、ジャンルが遠いように感じますが、本格的に整骨へ進んだきっかけは?

きっかけは、大学で鍼灸を学んだ後に仕事の幅を広げるべく、整骨の免許も取ることに決めて夜間に通える柔整の専門学校に進学した頃に訪れました。

夜間の授業以外は整骨院のバイトをしていたのですが、お客様と触れ合ううちに笑顔ってこんな身近でも生み出せるんだってことに気づいたんです。笑顔を生み出す手法は映画じゃなくてもいいんだとわかり、そこで改めて整骨の仕事がしたいと感じました

――より近くで笑顔が見られることの大切さに気づいたのですね。その後の経歴について教えてください。

専門学校を卒業してから幅広い知識や施術を取得するために、整骨院を母体とした派遣会社で働き始めました。派遣なので月・火・水は整形外科、木・金は内科リハビリ、翌週は整体、整骨…と。当初から「自分のやりたいことの実現」をするために経営者になろうと考えていて。そこでいろんな手技を身につけることができました。

現在は、そのときの知識や経験を活かして鍼灸院と整骨院を経営していますが、割合としては整骨、整体をメインに施術を行っています。

――最初から経営を視野に入れて幅広く学んで経験を積まれたのですね。「自分のやりたいことの実現」とは、笑顔を生み出すことに関係していますか?

そうですね。現場の経験を積んで自信をつけてから自分のやりたいことが実現できる経営者を目指そうと思っていたので。

理念にも反映しています。経営する二店舗ともに、理念は「笑顔そうぞう」。お客様に笑顔になっていただくためにという気持ちを込めています。

クイック型からゆっくり丁寧な施術にシフトチェンジして人気も売り上げも安定

満足のいく施術を提供するため、スタッフとの勉強会も欠かさず行う

 

――その理念のもと、初めて経営した院について教えてください。

初めに開業したのは、江南市にある「かえる鍼灸整骨院」。主に高齢者の方が多く、外傷や痛みのケアを医療的な観点で施術をしています。

――集客はどのようにして行ったのでしょうか?

まずは、認知してもらえるようにHPの作成から取り掛かりました。あとは、院周りの店舗に挨拶に行ったり、チラシを作成して配布。その結果、口コミが広がり、オープン初日にも関わらず50人もの方にご来店いただきました。

現在は一日の利用人数が20〜30人と減りましたが、当時の倍以上の利益を出しています

――初めから人数が減っても売り上げを変わらずキープできている秘訣はなんですか?

途中でシフトチェンジをしたことですね。最初は、「早い」「安い」をテーマにしたクイック型だったんです。でも、その時に表面上の痛みは取れても、繰り返してしまうのでは根本的な解決はできていないんじゃないかって思って。だったら、一人ずつ時間をかけて診た方が施術や指導も手厚くすればお客様も安心できるし、何より施術側もやりがいを感じられる。クイック型の頃の売り上げと差が出ないように、一人にかける時間を増やした分は単価を上げて調整しました。

――その好調ぶりを受けて、二店舗目を?

そうですね。あとは、私がいなくてもスタッフに任せられるくらいになったこともあって…。加えて、かえる鍼灸整骨院でお母さんたちの「施術に行きたくても子どもがいるから行けない」というお声が耳に入るようになったんです。そうした声を元に、もう二店舗目を出すなら子育てするお母さんに子どもを気にせずに、気兼ねなく来ていただける院を作ろうと思ったことがきっかけですね。

整骨と美容メニューの二本柱で、完治後も満足なサポートを実現

わきあいあいとした雰囲気の院内。

 

――二店舗目の「海と空のくじら整骨院」のコンセプトについて詳しく教えてください。

「海と空のくじら整骨院」は子連れのお母さんをターゲットに、施術後のケアや予防のトレーニングなど体づくりに特化しています。

あとは、産後骨盤矯正をはじめとした美容メニューにも力を入れています

――美容メニュー、気になります。詳しく教えてください。

バストアップケアや姿勢矯正のメニューがありますが、多くの方はダイエット目的が多いので体重測定やDNAの検査に基づいた食事法・運動の指導などがメインです。その人の身体を調べてそれに合った方法を提示し、決めていきます。場合によっては「痩せる」ことよりも「筋肉をつける」ことが必要な方もいらっしゃるので、そのためにもまずは検査をして指導に移ります。その人ごとに、「体づくりが優先」なのか「痩せることが優先」なのか見極めることが必要です。

――整骨院なのに、美容メニューを取り入れた理由は?

施術が終わった後、腰痛や肩こりだけ残るお母さんが結構いらっしゃるんです。実は、その症状は姿勢とか普段の活動習慣が起因になっていることが多く、施術した後が肝心なんです。立ち方や姿勢、歩き方など…。そこを補うために、施術後のケアにも特化するように目を向けたのが美容メニューでした。

――なるほどです。ところで、美容メニューを利用できるのは既存のお客様のみですか?

新規の方も可能です。ですが、利用されている多くの方は、整骨での施術から再発防止のため美容へ切り替える流れにしています。整骨の施術後にアンケートをとってお客様のご意向を伺い、方向性を決めるイメージ。決して、押し売りにならないようにお客様のお気持ちと客観的なデータを照らし合わせて提案するように気をつけています。


映画関係を志望しながら整骨の道へ歩みを進めた鈴木さん。「決めてから実行する時はとても慎重に行動します」とお客様を想いながら、日々試行錯誤をされている様子が垣間見られました。後編では、今後力を入れたいことやスタッフの教育、今後の目標を伺います。

取材・文/東菜々(レ・キャトル)

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information

かえる鍼灸整骨院
住所:愛知県江南市村久野町平河65
TEL:0587-81-8114

海と空のくじら整骨院
住所:愛知県一宮市浅野八幡裏2
TEL:0586-82-5919

※写真は「海と空のくじら整骨院」

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