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ヘルスケア 2022-11-18

子供連れOKのヨガ&ピラティスで、地域のママのコミュニティに【Flowers Me! 三井章子さん】#2

地方でヘルスケア事業に携わっている方に、集客や売り上げアップのための取り組みについてインタビューする本企画。前回に続き、滋賀県大津市・栗東市・守山市を中心にピラティス&ヨガ教室とメディカルアロマ教室を開いている「Flowers Me!」の三井章子さんにお話をお聞きします。

後編では、「子供連れOK」というコンセプトにしてよかったこと、売上&集客への取り組みについてお聞きします。

お話を伺ったのは…
「Flowers Me!」主宰 三井章子さん

体育科教員と体操競技指導を経験後、妊娠・出産を機に退職。運動から離れた生活のなかで心身の不調を感じるとともに、子育て中でも通いやすい場所の少なさを実感。子連れでも通いやすい教室を作るため、ピラティスとヨガのインストラクター資格を取得し、「Flowers Me!」をスタート。教室での出会いをきっかけにメディカルアロマの資格も取得し、多方面から生徒さんの健康をサポートしている。14歳、12歳、10歳の子を持つママ。

Instagram:@flowers.me2015

子育て中のリアルがわかるからできたターゲット設定

自身の経験から子育て中のママをサポートできる
ヨガ&ピラティス教室をスタートした三井さん

――前編で、地方でのスタジオ運営で大切なことのひとつめに「ターゲットをしぼる」とお聞きしました。「子供連れで通える」というコンセプトでスタートしてよかったことは?

このコンセプトで7年やっているので、おむつの頃から知っている子が小学生になったりして。生徒さんたちのお子さんの成長が見られるのはすごく感慨深いです。遠くから通ってくださる方もいるので地域はバラバラなんですが、うちの子も含め子供同士で友だちの輪が広がったり、大きい子が小さい子の面倒を我先にみようとしたりという様子も、見ていて嬉しくなりますね。

――ママをターゲットにしたのは、ご自身の経験からとのことでしたね。

体を動かしていると、悩みやイライラが消化されることってあるじゃないですか。すごく悩んでいたのに、運動した後には「なんであんなに悩んでいたんだろう」と思ったり。とくに子育て中はいろんなストレスや悩みがあると思うんです。でも子供を連れて行けるような、体を動かせる場所って少ない。

そういうリフレッシュできる時間をお母さんが持てないことで、イライラを子どもに向けてしまうのは、お母さんにとっても子どもにとっても一番よくないですよね。運動することで、笑顔で子育てができる。そこに少しでも関われているなら、やってよかったなと思います。

子育て中の急なお休みにも対応できる低価格&都度払い制に

自宅スタジオでのエアリアルヨガの様子

――地域の子育て中のお母さんたちがメインターゲットかと思いますが、売上面での取り組みは?

金額面は始めるときに悩んだ部分でした。一般的なヨガスタジオなどは、月〇回で数万円ということが多いんですが、子供がいると結局1回しか行けなかった…ということもあり得ます。そうなると続かないし、お金ももったいないなと、自分の体験から感じていたんです。

だから県内の教室のなかでも低価格になるように設定し、基本は都度払いにしています。でも正直、最初のころは赤字になることもありましたね。売上面を考えたら都度払いよりもコースを作ったほうが良いんだと思います。それでもコース制ではなく、対面でもオンラインでも、好きなときに好きな方法で参加いただけることが、続けやすさにつながっているんじゃないかと思っています。

また、売上面でよかったことのひとつが、メディカルアロマを取り入れたことでした。元々はメディカルアロマをしている会員さんが作った自作化粧品が、会員さん同士の中で広まっていたんです。その方が引っ越すことになり、アロマを少し齧っていた私が引き継ぐことになりました。その化粧品を気にいってくれた方も多く、アロマの方で売上がプラスになることもありましたね。

――集客面での取り組みは?

私一人で運営しているので、正直なところ最初は「誰でも彼でも」というのが受け入れられなくて。だから最初はもちろん知り合いや友人から始まり、その方々から友達を紹介してもらって…というのが、ずっと続いてきました。

最近はInstagramを始めたり、いろいろなところに講師として顔を出せるようになったりして、そこから新規の方も何名かいらっしゃっています。

ただやっぱり7年やってきた中で、ずっと来てくださっている方たちをないがしろにはしたくないし、興味を持って来てくださった方たちを受け入れられないってなるのは、ちょっとイヤで、広告を出したりというところまではしていません。

基本は、自分がしんどくならないように、受け入れられる範囲でやっていこうと思っています。

つながりを大切にすればレッスンの幅も広がる

自ら外に出て作った横のつながりから
新しいクラスに声をかけられることもあるそう

――地方でのスタジオ運営で大切なこととして、「つながり」も重要とのことでした。

地方になるとスタジオの数が限られる分、集客面でお客さんとのつながりは重要ですし、トラブル回避や情報収集のためにもインストラクター同士のつながりも持っていたほうがいいなと思います。地方だとインストラクターの学ぶ場も少ないので、毎回都会に出ていくわけにもいきませんから。

――数が少ない分、つながりを作るのも難しそうですね。

とくに同業者のつながりというのは、ライバルでもある分、自分から作っていかないと難しいですよね。私の場合は大阪で資格をとったので、最初のころは滋賀県に同業者の知り合いがいなくて、すごく孤独に感じたんです。その後たまたま声をかけてもらったり、Instagramでつながりを作れたり、参加した勉強会で仲良くなったりして輪が広がっていきました。

やっぱり地方だと、待っているだけでは何も手に入らないので、自分から外に出ていかないといけないなと思います。続けていれば自分の中で迷いは出てきますし、そのときに違う視点からアドバイスをくれる同業者がいたほうが、自分自身もしんどくならずに続けていきやすいんじゃないでしょうか。

――最後に今後の展望を教えてください。

やりたいことはいっぱいあります。まずはシルクサスペンションの資格を取りたいのと、骨盤底筋ヨガの指導者養成の勉強もしたいです。骨盤底筋は、産後の方から上の年代までずっと関係するもの。だから、より幅を広げつつ、産後の女性の体について知識を深めていきたいなと思っています。


ご自身の経験から、地域のママたちに寄り添うヨガ&ピラティスを提供している三井さん。つながりを広げたことで、最近ではメディカルアロマの養成講座を担当されるようになったそう。自分から外に出てつながりを作ることも、地方でヘルスケア事業を続けるためには大切なんですね。これから地方で開業を目指す方は、ぜひ参考にしてみてください。

取材・文/山本二季

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Information

Flowers Me!
住所:滋賀県大津市瀬田
MAIL:flowers.me.3125@gmail.com

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