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ヘルスケア 2024-06-27

希望通りの最期を迎えさせて家族にも幸せを届けたい【介護リレーインタビュー Vol.47/necodarumanさん】#2

介護業界に携わる皆様のインタビューを通して、業界の魅力、多様な働き方をご紹介する本連載。

今回、お話を伺ったのは…
25年介護福祉に従事し、今年3月から介護アロマケアセラピストとしても活躍しているnecodarumanさん。

訪問介護を専門にサポートが必要な方の生活を助け、休日には介護アロマケアセラピストとしてメディカルアロマを使った施術やワークショップの活動も行っています。

前編では、そんなnecodarumanさんが介護士になったきっかけや現在の働き方、利用者さんと接する時に心がけていることなどを伺いました。

後編では、訪問介護士のやりがいや介護アロマケアセラピストとしても活動するようになった経緯、介護士を目指す人へのアドバイスを伺います。

ご家族からいただく、心からのお礼がやりがい

――neodarumanさんが考える訪問介護士のやりがいを教えてください。

利用者さんの最期を看取った時ですね。訪問介護を依頼する利用者さんには、入院治療をしていたけども最期は自宅で迎えたいからと退院された方が多いんです。もちろん、亡くなるのは悲しいことではありますが、利用者さんにとっては希望通りの最期なので満足してもらえたのかなって毎回思います。

実際、ご家族の方が泣きながら「本人の望む最期を迎えられるようお手伝いくださって本当にありがとうございます」と言われたこともあり、その時は利用者さんの人生の最期に携わらせていただいたことへの感謝で胸がいっぱいになりました。訪問介護に関わらず介護の仕事は心からの感謝をしてもらえるのが魅力です。

――人生の最期のお手伝いをする仕事、とても感慨深いですね。

人生の最期を手伝う仕事なので、一見「精神が削られそう」と思われるかもしれないですが、最期の現場って悲しさと共に愛に満ちているんです。ご家族の方がやさしく声をかけていたりするのを見ると自分の心も温かくなって。とても寂しいですけれど、同時に温かさをいただけます。

介護アロマケアセラピストとしても活躍。「在宅生活の方を癒したい」がはじまり

――現在は介護アロマケアセラピストとしても活動していますよね。

そうなんです。2024年3月から個人事業主として訪問介護アロマケアセラピストの活動をしています。私が社員として働いている訪問介護の会社は医療法人なので、副業が認められていません。でもパートであれば問題ないので社員から転向して、休日に訪問アロマケアセラピストとして働いています。

――なぜ介護アロマケアセラピストを始めようと思ったのでしょうか?

きっかけは落ち込んでいた私自身がアロマを使って元気になったからです。私は現在シングルマザーで、2020年ごろに再婚の予定があったのですが、パートナーがうつ病になってしまって。その後、一切連絡がつかなくなってしまったんです。そこで精神的に大きなダメージを受けて落ち込んでいたところ、メディカルアロマオイルに出会って元気を取り戻せたんです。興味を持って深く調べていくと、医療関係でも使われていて、かつ体の痛みが軽減されたりなど効果的なオイルと分かりました。

そして、「これを在宅で生活をしている高齢者の方に使用できれば、本人だけでなくそのご家族も癒されるんじゃないか」と思い、介護アロマケアセラピストの活動を始めることを決意したんです。

――ご自身が効果を実感されたのがきっかけなんですね。技術などはどのように学んだのですか。

「介護×アロマ×看取り」第一人者の小池美喜子さんの講習を受講して学びました。現在、日本介護アロマ研究所に所属し、アロマヘルパーとしてケアを行っています。

――ちなみに施術内容はどのようなもの?

植物由来のエッセンシャルオイルを使ったアロマケアトリートメントという施術をしています。具体的には、8種類のオイルをお客さまの背中、脊髄に垂らして肌に浸透させていくんです。およそ30秒で脳をはじめ、血中やリンパなど体全体に循環します。すると、ホルモン、神経、免疫などの働きのサポートをしてくれるんです。ほかにも、体の痛み解消やむくみの軽減も期待できます。

――なるほど。

実は介護アロマケアセラピストを目指し始めてから先ほど話した元婚約者と連絡がついて。彼がぎっくり腰の痛みに悩んでいたので、アロマケアトリートメントの施術をしたんです。術前は歩くのもやっと…というくらい苦しそうだったのですが、術後は体をぴんぴんとさせて帰っていきました

アロマの魅力を届けるためにワークショップ開催にも尽力

――活動の一環としてワークショップも開いているとお聞きしました。

アロマの魅力と共に自分の知名度も広がればいいなと思って毎月1回ワークショップを行っています。まだまだ認知度が低いので、在宅で生活していてサロンに通えない高齢者の方にも施術ができるということを少しでも知ってもらいたいんですよね。具体的には、3月にアロマを使ったマッサージ、4月にアロマスライム作りのワークショップを開きました。ワークショップでハンドマッサージをしてあげた時は、血行がよくなってピンク色に変わった手に感動している方が多かったのを覚えています。

――これから介護福祉士を目指す方へのアドバイスをお願いします。

利用者さんだけでなく、自分も幸せになれる仕事だと私は思っていて、ご家族に感謝していただけた時は本当に嬉しいんです。介護は利用者さんの生活を支えて最期を満足に迎えさせてあげるという人生の大事な場面に関わる仕事で、とてもやりがいがあります。在宅介護だけでなく介護業界は人手不足となっていて、業界に新たに入って来られる方は貴重な人材なので、みんな丁寧に優しく指導してくれると思いますよ。ぜひ挑戦してみてほしいです。

私が介護士を始めたおよそ20年前は腰を痛めないと技術が身につかないと言われる時代でしたが、今は情報社会となってYouTubeなどのSNSでも簡単に技術を身につけられます。少しだけ興味があるという方はまず動画などを見て、介護に対してのハードルを下げるのもいいかもしれません。

――ありがとうございました。最後に、介護士&介護アロマケアセラピストとしての心得3箇条を教えてください。

・孫になる
利用者さんはおじいちゃんおばあちゃんがほとんどです。孫になった気持ちで接すると、利用者さんも孫のように扱ってくれます。そんな関係性になれると愛情を持ってケアができて、利用者さんもストレスなく生活してくれるので、若い方は孫になった気持ち、年齢を重ねている方は両親を世話する気持ちでコミュニケーションを心がけているんです。

・風になる
私が最初に入った訪問介護会社の社長に「ヘルパーは風になれ」とよく言われていました。在宅で生活をしている人は、外に出られないことからストレスを感じやすく家の空気がギスギスしがちなんです。そこでヘルパーは利用者さんの心と家の空気を変える、風のような存在になることを目指すのが大切。玄関のドアを開けたら笑顔で元気よくを意識していますね。新しい風が吹くと、何よりご家族がほっとされるんです。一人じゃないですよ。1人で抱えないでね。と背中をさすります。

・利用者さんらしく最期を迎えさせたいという思いを持ち続ける
これは仕事の丁寧さにつながってきます。利用者さんが最期を迎えた時、ご家族が最後の尊い時間をノイズなく過ごしてもらえるように丁寧かつ心地よいサポートを大切にしています。


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