整体院の地方経営は市場選びと発信が重要!【整体院EVOL 竹常元太さん】#2
地方でヘルスケア事業に携わっている方に、集客や売り上げアップのための取り組みについてインタビューする本企画。前回に続き、広島県広島市で「整体院EVOL」を経営する竹常元太さんにお話をお聞きします。
後編では、竹常さんが地方で整体院を経営するうえで大切にしていることを教えていただきます。
お話を伺ったのは…
整体院EVOL 院長 竹常元太さん
広島県三次市出身。柔道整復師の資格取得後、上京して東京都内の整骨院、スポーツジム、整体院に勤務。2022年、独立開業を機に広島県広島市に居を移し、「整体院EVOL」をオープン。
地方だからこそ情報を早くキャッチできるかが重要
――地方で整体院を経営するうえで大切なことを教えてください。
1つめは、市場として成立する立地選びだと思います。人口が少なすぎると経営は厳しくなるので、近隣の市と合わせて最低でも20~30万人くらいはいる市場を選べば、そんなに苦労はしないんじゃないでしょうか。
地方だと10万人以下になってくる場所もあると思いますが、そうなると集客も難しくなってきます。だからまずは、ある程度の人口がある場所で開業するのがおすすめです。
2つめは、都市の流行をいち早く取り入れること。やはり一番の激戦区と言われるのは、東京や大阪などの大都市です。そういった都市では、ライバルも多く生き残るのが大変な分、集客や広報などの方法がいち早く更新されます。その情報をしっかりキャッチして取り入れてしまえば、地方ではかなり早い段階で周りと差がつけられます。
例えば成熟している集客媒体の場合、参入が遅れれば資金勝負になってくる面があります。でも新しい媒体なら、まだライバルが少なくチャンスが増える。だから新たな情報をキャッチすることが、とても大切なんです。
――竹常さんはどこから情報をキャッチしていますか?
僕は東京でずっと働いていたので、都内に友人や仲間の独立した先生たちも多く、そういった方々と頻繁に情報交換をしています。SNSなどもこまめにチェックして、新しい情報を取り入れるようにしています。
集客は媒体の分散と接触頻度を増やすことが大切
――地方で集客を成功させるために大切なことは?
僕の場合、得意な集客方法をしっかり作ったうえで、サブの集客媒体をたくさん作っていくようにしています。メインはInstagramやYouTubeなどのSNS、サブとしてホットペッパーなどのリスティング広告、Google マイビジネスやGoogleマップ、ホームページのSEOなど…。
たくさんの媒体を持っていれば、ひとつの媒体の集客が落ちたとしても別のところで売上は確保できる。入り口がたくさんあると、ある程度の集客数は確保できるので、苦労することはないんじゃないかと思います。
地方の場合、「地域密着」という方向で集客していく方も多いと思いますが、僕の場合スタートがSNSからの集客だったので、思っていたより広い範囲から来院があったんです。だから現状の集客方法になったのもありますね。
――SNSからの集客だとリピートにつながりにくい印象もありますが、何かリピートにつなげる取り組みはしていますか?
「何故うちを選んだのか」という部分を大切にすることが継続につながると思うので、来院の理由や痛みを取りたい理由は、しっかりヒアリングしています。そして、その理由をきちんと改善できる治療計画を立て、しっかり伝えること。「だから来ないといけないんだ」というところまで、お客様が理解することが重要だと思います。
また、接触頻度を増やすことも大切にしています。来院ごとにセルフケアのストレッチをお伝えするんですが、毎回該当のYouTube動画やInstagram投稿を送っているんです。そうして、できるだけ接触頻度を高めて、忘れられないようにする。生活の一部にしてもらうことを意識しています。
今後は近隣の市への店舗拡大やオンラインでの活動も広げたい
――今後の展望を教えてください。
今後は人手も足りなくなってきたので、スタッフを増やして2店舗目3店舗目が出せたらと考えています。2店舗目は同じマンションの別の部屋で、3店舗目は隣の市などで出せたら。ネットからの集客がメインなので、路面店は考えていません。今後もプライベート感のあるマンツーマンの整体をしていきたいです。
またSNSを見てくださっている方も増え、遠方で通えないという声もいただくので、オンライン上で何かお手伝いできたらと考えています。最近はオンライン整体も増えてきたので、そういった活動もしていけたらと思います。
この仕事をしていて大切なのは、来てくれたお客様の人生をしっかりみてあげることだと思っています。痛み以外の部分、痛みを解消したその先の良い未来を作ってあげることを意識して、これからも活動していきたいです。
――最後に、地方でヘルスケアのお仕事を目指す方にアドバイスをお願いします。
地方もどんどん大手が入ってきているので、地域密着で活動するとしても、都心でバリバリ活動している方との接点を持つことは、とても役に立つと思います。最新の情報をキャッチしていけたら、地方での経営も勢いよくやっていけるんじゃないでしょうか。そういったつながりを作りながら経営していくことをおすすめします。
取材・文/山本二季