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ヘルスケア 2023-08-22

自身の挫折経験から生まれた、「やわハリ」ボディメイクで軌道修正に成功【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事Vol.110 ボディメイクトレーナー 高澤 麗さん】#1

ヘルスケア業界のさまざまな職業にフォーカスして、その道で働くプロにお仕事の魅力や経験談を語っていただく連載『もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事』。

今回は東京都を拠点に骨格を整え、「やわハリ」ボディを形作る、ボディメイクトレーナーの高澤 麗さんにインタビュー。実はトレーナーになる前は、化粧品会社に勤めていた高澤さん。突如会社を辞め、トレーナーへ転身したきっかけとは?

前編では、トレーナーを志した経緯や現在の「やわハリボディメイク」を考案するまでの道のりについてお聞きします。

お話を伺ったのは…
ボディメイクトレーナー 高澤 麗さん

大学卒業後、化粧品会社に就職するも、半年で退職。その後、フィットネスクラブにてジムスタッフとしてアルバイトを始め、トレーナーデビュー。4年ほど勤めたあと、将来を見据えて独立を果たす。独立後に一度つまづくも、「やわハリ」ボディメイクを考案し、一躍有名に。現在は、子育てをしながらトレーナーを続けている。

Instagram:@rei.takazawa

フィットネスクラブのアルバイトが人生の転機となった

――化粧品会社からトレーナー職に転身したきっかけは?

優等生気質だった私は大学を卒業したら就職するべき、という考えのもと、当時好きだった化粧品会社なら「やりがいを感じられそう」と、淡い期待を抱いて、化粧品会社に就職を決めました。そんな理由で入社したからか、モチベーションが上がらず、ほどなくして退職。生まれて初めて無気力になってしまいました。

そんなとき「自分が一番楽しいと思えることをしたら良いよ」と、友人からアドバイスを受けて思い浮かんだのが、学生時代にアルバイトをしていたフィットネスクラブの現場だったのです。当時から、ジムに通うお客様やトレーナーさんをはじめ、身体を動かす楽しさはひしひしと感じていました。友人の言葉に背中を押され、ジムで働こうと決意。働き始めると、落ち込んでいたのが嘘のように元気を取り戻すことができました。

周りには迷惑をかけましたが、一度就職したことで自分のやりたいことが明確になったので、自分にとっては良い経験だったと感じます。

――挫折経験も自分のためになったのですね。それからトレーナーデビューを?

そうですね。ジムスタッフとしてマシンの使い方やジム内の掃除を中心に働き、ジム内のスタッフをまとめるリーダーまで務めたあと、念願のトレーナーデビューを果たしました

――独立を考え始めたのはどんな経緯から?

トレーナーデビューしたとはいえ、業務委託で働いていたため、集客はジムに任せっきり。将来を考えたときにこのままでいいのかな?と思うようになったんです。さらに利用いただくお客様の幅もそれぞれで、自発的な方もいれば他人任せの方も多くて。それなら私は、一緒に前を向いて取り組み続けられる方を応援したいな、と。そうした方々と出会うためにも、集客などビジネスの力をつけていきたい、という思いが募るようになりました。

当時の状況を打破するにはお客様のターゲット層を細かく決めて、自分の力で集客することが必要だと感じ、独立を決めました。

――独立するにあたって、取り組んだことは?

独立するとなると、自分で集客しなければなりません。認知されるためにも、トレーナーとして箔をつけるためにも、鍛えた身体を披露するコンテストに出場することに。持っている限りの知識をフル活用し、かなりストイックに身体を絞って、結果的には準グランプリを受賞できました。

多くの方に認知していただいたものの、ストイックに鍛え過ぎてしまったようで、生理が止まったり、骨が見えてしまうほど痩せこけたりと身体はボロボロになり、周囲からも心配されるほど。全く健康的とは言えませんでした。

「やわハリボディ」の考案により、トレーナーとしての基盤ができた

やわハリボディの高澤さん「自分でもやわハリボディメイクを実践してみたら、長年悩んでいた脚の太さが改善しました」

――現在の「やわハリボディ」からは想像もつかないです…!

その状態になってから改めて自分のトレーニング方法に疑問を持ち、同業者の先輩に相談。そこですすめていただいたのが「骨格ラインから美しく機能的な身体をつくる re・Frame Conditioning Academy」です。

――どんなメソッドなのでしょう?

rfcaメンバーと。手前の男性が創設者かつ、高澤さんの師匠の石井さん

骨格に注目したエクササイズにより、痛みが改善されると同時に脚は真っ直ぐ、お尻も上がって見た目もきれいになった考案者の経験談から作られたメソッドなのだそう。

今までのような過度な筋トレをしなくても、骨格にフォーカスして整えれば、身体の凝りや痛みだけではなく見た目もきれいに引き締まる。今まで身体の筋肉に注目して身体づくりをしていましたが、このメソッドを知ったときは目から鱗でした。

――セミナーを受けて考案した「やわハリボディメイク」について教えてください。

ネーミングの通り、女性特有の「やわらかさ」と「ハリ」のある身体にするものです。骨格を整え、ハリを生み出す筋力トレーニングをすることで、やわらかくてしなやかな身体づくりを目指しています

大事なのが、やわらかさの部分。絞り過ぎてしまっては「やわらかさ」が残りませんから、食事管理の指導も行っています。

「やわハリ」ボディメイクを考案してから、売上もだんだん安定し始めました。

――軌道に乗り始めるまで、大変と感じたことは?

自分の型が完成し、トレーナーとして活躍できる基盤は揃いましたが、お客様のモチベーションを維持するところが難しいと感じていました。

――と、いいますと?

骨格を整えることは成果が見えにくく、地道な作業です。成果を生み出すには、日々の積み重ねがとても重要で、一緒にトレーニングをしない日もアプローチしなければいけないので、宿題とかも出しますが、取り組んでいるほうは不安になってくると思うんです。そこでモチベーションを保つために「間違ってないですよ」「着実に成功に向かっていますよ」と、サポートすることが必要で、いかに小さい成功体験を積み重ねられるか、今後も私が向き合う課題だと思います。


自身の目指したい目標のもと、ブランディングに成功した高澤さん。後編では集客するために取り組んだこと、トレーナーをするうえで大切なことやお仕事の魅力をお伺いします。

取材・文/東 菜々(レ・キャトル)

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