医師提携によりレントゲン撮影が可能に「塩川カイロプラクティック」塩川雅士さん
1972年に開業したカイロプラクティックの名門、「塩川カイロプラクティック」。現在では二代目である塩川雅士さんが後を継ぎ、院長を務めています。前編では塩川さんがカイロプラクターとなったきっかけや、塩川さんが魅了されたという「カイロプラクティックの哲学」について伺いました。
後編では塩川カイロプラクティックが50年以上、愛されてきた理由を掘り下げます。塩川カイロプラクティックでは、医師提携によるレントゲン撮影などを通して、神経を阻害している要素を科学的に見つけ出す検査を行っているといいます。
今回、お話を伺ったのは…
塩川雅士さん
「塩川カイロプラクティック」院長/米国政府認定カイロプラクター
1980年、東京都生まれ。17才で渡米後、2004年パーマーカイロプラクティック大学を優等で卒業。D.C.の称号取得。米国ナショナルボード合格。日本カイロプラクティックリサーチ協会(JCRA)役員。2005年からカイロプラクターを育成する学校の運営と講師に携わり、現在、年間約300時間の講義やセミナーなどの活動を全国で精力的に行っている。
レントゲンや器具を使い、神経の流れを阻害しているものを断定
――塩川カイロプラクティックの施術の特徴はどんなところにあるのでしょうか?
医師と提携し、レントゲン画像を確認することで、科学的なデータに基づく施術計画が可能になっています。前編でお話した通り、カイロプラクターは神経を整え、流れを阻害しているもの、カイロプラクティックの用語で「サブラクセーション」といいますが、これを解放します。ただ、サブラクセーションは、手で触れて分かるものではありません。そこで重要になるのがレントゲン画像です。レントゲン画像によって体の土台となる骨盤の状態から全体のバランスを評価すること、またレントゲン以外にも温度を測る器具などを使い、サブラクセーションを見つけることができます。
――医師との提携はとても難しいと聞きますが、どのようにして可能になったのでしょうか?
元々、父の患者さんには医師も多く、知り合いの先生を伝って見つけることができました。この院には現在、3つほど提携先があり、今後も少しずつ協力してくれる医師を増やしていこうとしているところです。スクール生が独立するときも、医師との提携は簡単なことではなく、諦めてしまう人が多いのですが、やはりレントゲン画像はとても重要なので、開業先の近くで提携する医師が見つけられるように、私たちもサポートしています。都内であればうちの提携先を紹介する形を取っていますね。
――では、患者さん全員にレントゲン撮影を提携先の病院でしてきてもらうわけですね。
はい。ただ、妊婦さんなど撮影ができない場合は別の検査方法をとるようにしています。レントゲン撮影に抵抗がある方に関してはまず初診でその重要性をお伝えするようにしており、そうすると大体の方は撮影にいってくださいます。
500万件の臨床データを蓄積。グループの強み
――ほかにも「塩川カイロプラクティック」の強みはありますでしょうか。
結果にコミットしているところだと思います。「シオカワグループ」では、スクールの卒業生やセミナー受講生が生涯学び続ける仲間として定期的に症例報告を行っています。その累積データは500万件以上にのぼります。先ほどお話しした科学的な検査方法に加えて、圧倒的なデータに基づいて見立てをしていくので、結果を出すことができるのだと思っています。
――塩川さんがカイロプラクターとして心がけてきたことを教えてください。
カイロプラクターが大事にすべき要素には哲学、科学、芸術があると言われていて、私も心がけてきました。科学性を持った施術法や検査法をしっかりと確立すること、芸術に関しては結果にコミットした、サブラクセーションを正確に見つけることのできる高い技術力。最後に大切になってくるのが哲学で、私たちの目的が一体何なのかを明確に持ち続けること。哲学、科学、芸術を常にバランスよく、しっかりと勉強し続けることが、カイロプラクターにとっては大事だと日々感じています。
感謝、感動、希望にあふれる社会を実現する
――今後の目標を教えてください。
院の理念にもつながるのですが、ひとりでも多くの人にカイロプラクティックの持っている可能性を知ってもらい、感謝、感動、希望にあふれる社会を実現するということです。感謝や感動というのは、自分の体に対する感謝であり、自分の治る力に対して感動すること。そして自分の体がこれからやりたいことに対して希望を持てるという状態です。
その状態を実現するためにも、私ひとりが1日で診られる患者さんの数は決まっているので、スタッフと受講生の育成に力を入れきたいと考えています。カイロプラクターとして尊敬しかない父が土台を作ってくれたのでその輪を広げ、カイロプラクティックをしっかりと勉強して科学的なデータを元に客観的な分析ができるようなカイロプラクターを日本全国に輩出していきたいです。
塩川さんとお話していて感じたのは、カイロプラクティックの哲学を広めていきたいという揺るぎない思い。父である満章さんとも、使命ともいえる強い力でつながっているように感じました。カイロプラクターの仕事に興味のある人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。