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ヘルスケア 2024-01-01

東洋医学をベースにした「養生ダイエット」を考案、ダイエットコンサルタントに転身【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事 Vol.123 ダイエットコンサルタント Ellyさん】#1

ヘルスケア業界のさまざまな職業にフォーカスして、その道で働くプロにお仕事の魅力や経験談を語っていただく連載『もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事』。

今回は、ダイエットコンサルタントをしているEllyさんにインタビュー。もともとはヨガインストラクターとボディメイクトレーナーをしていたEllyさんが、ダイエットコンサルタントにシフトチェンジした経緯とは?

前編では、ダイエットコンサルタントに転身するまでの経緯、自身が打ち出している「養生ダイエット」の詳細や活動内容についてお聞きします。

お話を伺ったのは…
養生ダイエットコンサルタント Ellyさん

会社員として約13年働いたあと、ヘルスケア業界に転身。ヨガインストラクター、ボディメイクトレーナーとして活動したのち「養生ダイエット」を考案し、ダイエットコンサルタント一本に絞って活動をスタート。現在は、オンラインを軸に多くの人へ「養生」の大切さを広めるために発信し続けている。

インスタグラム:@elly_bodymake_oriental

YouTube:Ellyのボディメイクチャンネル・養生ダイエット

トレーナーから一転! ダイエットコンサルタントになった経緯とは?

トレーナー時代にEllyさんが打ち出していたのは、「『ヨガ+筋トレ』のストレッチメニューです」。激しい運動が苦手な方に人気のメニューだったとか

――この業界へ進むまでの経緯をお聞かせください。

トレーナーになる前は、会社員として働いていたんです。その間に結婚、出産と経験し、子育てと仕事を両立していましたが…変わり映えのない毎日に変化がほしい、何かを学びたい気持ちが溢れてきて。どうせなら手に職を持った方が良いのではないかと思って学び始めたのがヨガインストラクターでした。

――どんな理由からヨガインストラクターに?

私は昔からぽっちゃり体型で悩んでいました。痩せるためには「運動」が必要だと考え、あまり得意ではなかった運動を習慣づけるよう意識。体重に変化はありませんでしたが、このときの出来事がきっかけになり、体を動かす楽しさに気づいたんです

それから、ヨガインストラクターの資格(RYT200)を取得。副業として始めたヨガインストラクターでしたが、思った以上にレッスンのオファーをいただけたことを受け、一本化を決めました。

最初はヨガインストラクターだけだったのですが、お客様のお問い合わせやトレーナーとしてのオリジナリティを出すために、ボディメイクトレーナーの資格も取得。ヨガ以外に筋トレやボディメイクトレーナーとして活動するようになったんです。

ゆくゆくは完全に独立したいと考えていたので、どのジムでもレギュラーを持つことを目標に、フリーランス契約で複数のジムへ週7日渡り歩く日々を過ごしていました。

――そんな中、ダイエットコンサルタントにシフトした経緯とは?

ジムにいらっしゃるお客様はダイエットを目的にしている方が主ですから、要望に応えようといろいろ勉強しました。ある日気づいたのですが、ダイエットの根本って「特別なこと」を毎日継続しなければいけないところが難点だなと。筋トレや食事制限を毎日毎日続けても、いざその習慣をやめると今までの努力が消えてしまいますよね。私自身も継続型のダイエットに終止符を打ちたいと思っていたときに出会ったのが、のちに「養生ダイエット」の核となる「東洋医学」だったんです。

――東洋医学から得た気づきとは?

体の不調を内側から俯瞰して見られるところでしょうか。

まず、東洋医学では「気」「血」「水」の3つのタイプに分けられます。そのどれかが足りないと不足している栄養素や体の動きが分かるようになっているんですね。これをベースに考えると、今まで痩せるために指導していた筋トレや栄養学に基づいた食事方法は西洋医学では良いとされているものでも、東洋医学の視点から見てみると必ずしも良いものだとは言い切れないと気づきました。そのとき東洋医学をもとにして考えてみたら、今まで解決できなかったことの理由が腑に落ちる感覚があったのです。

そもそもヨガと東洋医学は、根本が「ウパニシャッド哲学」という古代インドで生まれた思想を元に考えられています。先にヨガでそういった思想を理解できていたことが影響して、東洋医学の考え方が入ってきやすかったのかなと感じます。

――いったいどんな思想なのでしょう?

人間は自然の一部であり、そのルールのもと生きている。自然のルールに同調することで、自然治癒力が発揮され心身が平穏になるといった思想です。

どちらも「自然本意」であり、無駄なものを削ぎ落として本来の力を取り戻す点、天然のものを使って癒していく点が似ていると思いました。

そうした背景から東洋医学を取り入れたアドバイスを始めたところ、思っているより反響をいただいて。もっと広い範囲で伝えられる場所が必要だと考え、トレーナーから「養生ダイエット」を発信していくダイエットコンサルタントへシフトしたんです。

東洋医学をベースにした「養生ダイエット」とは?

――では、東洋医学を元に考案した「養生ダイエット」について教えてください。

日常生活の食事で週に3〜4回、一汁一菜を意識して習慣化するだけなんです。おすすめは、米と具沢山の味噌汁。おかずを添える場合は、できるだけ自炊で素材の味を活かすことを重視します。ただ、1週間に2回くらいは「ハレの日」と言って、なんでも食べていい日を設けます。これを大体2週間ほど継続してみると、何が太らせる原因だったのかはっきりしますし、最初は待ち遠しく感じていた「ハレの日」も貴重に思わなくなるんです。いわば味覚のリセットのようなものでしょうか。

――いったいどんな仕組みになっているのでしょう?

スーパーやコンビニ、外食を利用する機会が多い昨今、現代人は余分なものを溜め込みがちです。いずれも便利ではありますが、添加物が多く含まれていたり、体にとって余分なものを摂取しやすくなっているんですね。本来ならば、基本の醤油や塩、砂糖などといったシンプルな味付けで問題ないはずなのに、そういった食生活を送っていると無意識的に余分なものを溜め込んでしまっている状態が出来上がってしまっています。

また、栄養を摂取することばかりに気をとられて余分なものを出していく必要性を見落としてしまっているケースも。例えばビタミンCが不足しているとなれば、果物を食べて摂ろうとする方がいるかもしれませんが…果物は甘味もあるので、体がむくみやすくなるなどのリスクがあります。大事なのは栄養素を摂るだけではなく、余分なものを排出する作用のあるものも同時に摂り入れること。不足している栄養素を補うことばかりにとらわれず、全体を俯瞰してみることが重要なのです。

「養生ダイエット」は、そうした体の中に溜め込んだ余分なものを排出し、本来の摂取量に戻していく方法として有効なのです。

――「養生ダイエット」がおすすめな人の特徴はありますか?

どの人にもおすすめできます。ただ、長年ダイエットに悩んでいる方や、痩せるための方法に悩んでいる方、カロリーや栄養素を気にし過ぎて雁字搦めになっている方は特に良いかもしれません。

――実際のお客様の反応は?

喜ぶ以外に、泣いている方もいらっしゃいます。太っているときって、体重だけではなく心も不安定になりやすいんですね。でも、痩せることで気持ちが軽くなったり、前向きになれたりするなど、ダイエットの目的以外にも気持ちの面で新しい発見があるとお声をいただいています。

――ダイエット以外にも嬉しいことがあるようですね。

「養生ダイエット」は体重を減らすだけではなく、心も体も健康的になることができるんです。そうしたお客様の嬉しい声をいただけることや多くの方の人生に関われることは、ダイエットコンサルタントの醍醐味だと感じています。


ヨガインストラクターとボディメイクトレーナーをしていたEllyさん。自身の悩みでもあったダイエット方法と、運動や食事制限で無理をしなくても良い「養生ダイエット」を考案します。後編では、ダイエットコンサルタントになってからの働き方や多くの方に注目されているSNSについて、詳しくお話を伺います。

取材・文/東 菜々(レ・キャトル)
撮影/生駒由美

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