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ヘルスケア 2024-06-15

OLからセラピストへ。カイロプラクティックを生かした「矯善筋骨」で、体の悩みを根本から治す【もっと知りたいヘルスケアのお仕事Vol.144 セラピスト「mynavilla」愛澤伸苗さん】#1

ヘルスケア業界のさまざまな職業にフォーカスし、その道で働くプロにお仕事の魅力や経験談を語っていただく連載企画「もっと知りたい! ヘルスケアのお仕事」。

今回は、都内に2店舗をもつアジアンリゾートスパ「mynavilla」の代表であり、プレイヤー、講師と幅広く活躍している愛澤伸苗さんにお話をお聞きします。もともとは通販会社の企画販促部でOLとして働いていた愛澤さん。2011年に起きた東日本大震災で地元が甚大な被害を受けたことをきっかけに「周りで落ち込んでいる人を癒したい」と思い、リラクゼーション業界の道に飛び込んだそう。

退社後、すぐにバリ島へ飛びマッサージ留学をしたという愛澤さん。現地のスクールにて技術を学び、強いインスピレーションを受けたことから、「mynavilla」での施術はすべてオールハンド。機械では生み出せない温もりと寄り添いを大切に、体だけでなく心のケアも行なっているそうです。

お話を伺ったのは…

「mynavilla」代表 愛澤伸苗さん

福島県出身。通販会社を退社後、バリ島へマッサージ留学。現地で学んだオールハンドのマッサージを生かし、帰国後は大手高級スパや接骨院などで数年間活躍。2017年5月に独立し「mynavilla」を開業。現在はセラピスト、経営者、講師を務めている。日本マッサージ選手権2023ボディケア部門にて優勝を果たすほどの卓越した技術の持ち主である。

インスタグラム

地元の人々を元気にしたくて。OLからセラピストへ!

被災した人への思いで胸が苦しくなり、元気にしてあげたいという目標が生まれたそう

――まずは愛澤さんがセラピストのお仕事を始めたきっかけを教えてください。

きっかけは2011年に起きた東日本大震災でした。地元、福島県の相馬市が甚大な被害を受けて、祖父の家が水浸しになったり、知人がヘリコプターで救助されたりしたんです。そんな状況を聞いて心配になった私は、家族や親戚、知人など被災した人とコミュニケーションをとっていたのですが、みんな「気にしなくていいよ」や「大丈夫だから」などと、強がっているように見えました。

どうにかして心のケアをしてあげたい…。そう考えた結果、行き着いたのがセラピストを仕事にすることでした。本当は傷ついているのにプライベートでは遠慮しがちな人に対しても、マッサージの場では心のケアが可能だと思ったんです

そこで私は「落ち込んでいる人々に元気を与えたい」という目標を持って、当時勤めていた通販会社を退職して、未経験でしたがリラクゼーション業界を目指すようになったんです

――実際に退職して挑戦するのはすごい勇気ですね!まずは何から始めたのでしょうか。

バリ島へマッサージ留学に行きました。現地のスパスクールに入学し、バリニーズマッサージやタイ古式マッサージ、ヘッドスパなどさまざまなオールハンド手技の技術を3ヶ月間みっちり学びました。

――なぜ日本のマッサージ店に行かず、バリ島へ留学を?

未経験でのスタートだったので、本場のマッサージを直に見てみたいと思ったんです。ほぼインスピレーションですね(笑)。バリ島を選んだ理由としては、世界有数のマッサージ大国だから。また、神々の国と呼ばれるほど神秘的な国で「目に見えない」ものを大切にする精神が、心のケアとつながっていると感じたんです

接骨院で解剖学を学習。理論に基づいた施術で指名率アップ!

お客さまにより良い施術を提供するため、実技だけでなく理論も学びたいと思ったという愛澤さん。学習し始めてからは、指名率が上がっていったという

――現在に至るまでをもう少し詳しくお聞かせください。帰国後はどのようにキャリアを積んだのでしょうか。

帰国後は、まず全国展開している大手高級スパに入社し約2年半経験を積みました。その後、出張マッサージを掛け持ちしながら接骨院に勤めて解剖学を学びました

留学の時も、スパで働いていた時も、実技訓練がメインだったので理論的な部分はあまり学べていませんでした。より良い施術を追求していくと、お客さまのどこをどう刺激すると良くなるという体の構造に関する知識が必要になってきます。それを学ぶために接骨院で働くことにしたんです。すると、自分でも驚くほど出張マッサージでの指名率がぐんぐん上がっていきました。体の構造を知っていることが施術においてどれだけ重要かを改めて認識した瞬間でしたね

そして、2017年5月に独立して「mynavilla」を開業しました。初めはマンションの一室からスタートしたのですが、今では何とか事業拡大もでき、都内に2店舗構えることができています。

――なぜ独立をしようと思ったのですか?

この業界に入る時から、最終的には独立をして地元の人々を元気にしたいという目標を持っていたんです。

じゃあ、何で今東京に店を構えているの?と思うかもしれませんが、理由があって。開業からしばらくの間は、地元への店舗展開も考えていたのですが、ある日現地に住んでいる知人に、「地元に帰ってこなくても、東京で頑張っている姿が見られれば、私たちには励みになるよ」と言われたんです。そのときに離れていても地元を元気にすることはできると気づいて、目標が切り替わりました。今は地元に私の名前が届くくらい、東京で頑張ろうと思っています。

想いを乗せられるオールハンドは、心のケアにつながる

「mynavilla」の店内は、落ち着いた空間を意識してすべて愛澤さんがデザインしたそう

――「mynavilla」の施術はどのような内容でしょうか。

「mynavilla」では、体だけでなく心のケアも行うことを大切にしているので、人の温もりや想いを乗せて施術するために機械に頼らず、オールハンドにこだわっています

メニューは9種類あり、30分単位で自由に組み合わせが可能です。例えば、リラクゼーション目的の方には徹底的に癒しを提供するメニューを提案。体の悩みを根本から改善したいという方にはストレッチや整体を提案、というようにお客さま一人ひとりのニーズに合わせたオーダーメイド施術を行なっています。

――愛澤さまが得意としている施術について教えてください。

私が得意としているのは解剖学を生かした「矯善筋骨」ですね。肩こりや腰痛など体の辛い悩みを根本から改善できるカイロプラクティックとなっています。具体的には、テコの原理を生かして効率的に筋肉を伸ばしつつ、骨にもアプローチして、体の歪みを治しているんです。実は最近、さらに効果的な施術を目指して、カイロプラクティックの専門学校に通い始めました。仕事との両立は大変ですが一生懸命頑張っています。


地元の人々を元気づけたいという思いをきっかけにOLからリラクゼーション業界へ飛び込んだ愛澤さん。実技だけでなく、理論も自ら積極的に学び、悩みを根本から解決できる「矯善筋骨」を身につけて多くの方々を元気づけてきました。後編では、愛澤さんがヘルスケアの仕事をするうえで大切にしていること、活躍の秘訣をお聞きします。

information

Mynavilla 人形町店
住所:東京都中央区日本橋人形町1-4-14 日庄別館4F
電話:03-6823-4360

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