口コミと紹介の集客で来春まで予約が満席! ピラティスインストラクターYuukaさん
ピラティスインストラクターのYuukaさんは、元々会社員としてオフィスワークに従事していましたが、中学時代から長年苦しんできた腰の痛みを理由に休職をしました。仕事を休んでいる間にリハビリとして始めたピラティスを通じて腰痛が改善したことに感動し、インストラクターになることを決意したそうです。
今回、お話を伺ったのは…
Yuukaさん
1997年生まれのピラティスインストラクター。怪我をきっかけに生活が困難なまでの腰痛に悩まされていたが、ピラティスに出会い体の動かし方を習得。自身が生徒として通っていた教室で講師資格を取得し、事務職として勤務していた企業を退職してインストラクターとして独立。レッスンのテーマは「好きなことをずっと続けるためのカラダづくり」で、20代からシニアまで幅広い層にレッスンを行う。
きっかけは「リハビリ」 腰痛改善のためにピラティス教室へ
――Yuukaさんがピラティスを始めたきっかけを教えてください。
怪我のリハビリをきっかけに、ピラティスを始めました。私は子供の頃から運動が大好きで、特にサッカーに夢中になりました。運動によって腰の痛みが起きたため検査したところ、ヘルニアと脊髄の腫瘍が見つかり、手術を受けました。「今後、車椅子生活になるかもしれない」と宣告されるほど深刻な状況で、サッカーは断念をせざるを得ない状況に…。大学時代にも、2度目の腰の手術を経験しました。卒業後は、就職してオフィスワークに従事するのですが、座りっぱなしのデスクワークがたたり、腰の痛みが悪化。体の自由がきかないことで心まで病んでしまい、ついには休職することに……。休職期間のリハビリとして、体に負担をかけず、無理なく取り組めそうなピラティスをやってみることにしたんです。
――最初は、あくまでリハビリの一環として出会ったんですね。
はい、少しでも体の動きを回復できればという思いでピラティスに取り組み始めました。
ピラティスは単なるエクササイズではなく、体のあらゆる部分の動きを自分でコントロールして、正しい体の使い方を覚えるという意味合いがあり、リハビリにぴったりだったのです。
実際にレッスンに取り組んでみたら、今まで意識したことのなかった背骨のひとつひとつなど、細かな体のパーツが体のなかにあることを感じるとともに、それらを思った通りにコントロールすることの難しさに驚きを覚えました。同時に、ピラティスを通して体の細部にまで意識を向けたことで、「今まで自分が痛みに慣れてしまい、いかに体からのSOSを無視していたのか」ということに気づかされました。
正しい体の使い方を覚えたいと思い、週に何度かピラティスのレッスンに通う生活が続きました。
――最初はリハビリ目的だったピラティスを仕事にしようと思ったのはなぜですか?
週に3回整体に通っても、ジムに通って筋トレをしてもよくならなかった腰痛が、ピラティスで軽減されたという感動があったからです。体質は人それぞれですが、私にはピラティスがあっていたのだと思います。徐々に、「かつての私のように体の不調でいろいろなことを諦めている人にも、この感動を味わってほしい」と思うようになり、ピラティス講師を目指す選択肢を考え始めるようになりました。
そろそろ休職期間が終了するというタイミングで、大好きな祖母と食事に行ったところ「最近、肩が痛くてつらいのよねぇ…」と体の不調を打ち明けられました。しかし、知識のない自分には何もしてあげられることがありません。そのとき、途方もない無力さを感じたんです。
「体の不調で辛い思いをしている人が目の前にいたら、迷わず助けられる自分でありたい」と心が決まり、ピラティスインストラクターを目指すことになりました。
ピラティス教室でインストラクター資格を取得。自分の「想い」を伝えるため独立
――ピラティス講師になることを決めてからは、どんな行動をしましたか?
生徒としてピラティスのレッスンを受けていたものの、どうやったらインストラクターになれるのかという道筋は知りませんでした。そこで元々通っていたピラティス教室に継続して通学し、 約半年間でインストラクターになるための教室独自の資格を取得しました。
緊張してしまう性格なので、講師として人前に立つことにもドキドキしていたのですが、「ピラティスをもっと多くの人に伝えたい!」という熱意でなんとか乗り越えました(笑)。
――講師になるためのレッスンではどんなことを学びましたか?
最初は、基礎となるエクササイズを徹底的に学びました。それと同時に、生徒さんの体の使い方の癖を理解し、狙ったとおりに体が動いているかどうかの確認をするための方法を学びました。たとえば、「股関節を使うエクササイズなのに、腰を使ってしまっていないか」など、使うべき部位が正しく使えているか、体を触って確認する方法なども教えてもらいましたね。その他にも、「レッスン中はどんな声掛けが最適か」などの指導法についても学びました。
――指導法を学んだ後、ピラティスのスタジオなどに就職をする道もあったと思うのですが、なぜ独立されたんですか?
私の場合、「かつての自分と同じように、体の痛みのせいでいろいろなことを諦めている人に対して、ピラティスで支援をしたい」という目標が明確にあったからです。
もしスタジオに属した場合、そのスタジオが掲げるビジョンや想いに沿ってレッスンをしていくことになりますよね。そもそもピラティスインストラクターとして活動をする動機が明確にあったので、自分の指針に沿ってレッスンを運営したいという思いがあり、スタジオに属さずに独立することにしました。
知人・友人を招いてのレッスンで、インストラクターとして活動を開始!
――インストラクターとしてどのように活動を開始したのですか?
最初はもちろんお客さまもおらず、レッスンする場所もない状況でした。始めたてのころは、時間貸しのレンタルスタジオを借り、元同僚や友人に声をかけてレッスンを受けてもらいました。利益目的ではないレッスンとして、大切な友人や元同僚に対して「私はこれからピラティスで頑張っていくことにしたよ!」という宣言をして、今までの感謝の気持ちを伝えながら、一緒に楽しく体を動かす…ということをしていましたね(笑)。
――そこからどうやってお客さまを増やしてきたんですか?
実は集客はほとんどしていません。というのも、ほとんどのお客さまが紹介か口コミによってレッスンを受けてくださっているからなんです!
勉強を兼ねて顔を出すようになった、個人事業主や経営者の方が集まる会でたくさんの方に知り合い、その方々がレッスンに来てくれるようになったんです。その方たちや、レッスンを始めたての頃に呼んでいた友人や知人が、私の教室を口コミで広げてくださったり、知り合いを紹介してくださったりして、どんどんお客さまが増えてきました。今もその繋がりでレッスンに参加してくださる方が多いですね。お陰でオンラインレッスンは2024年の春まで予約でいっぱいになっているんですよ!
――レッスンのクオリティとYuukaさんのお人柄が、生徒さんを集めていらっしゃるんですね!
そうだとうれしいです(笑)。今、レッスンに来てくださる半分以上の方は、リピーターになってくださっているのでとてもありがたく感じています。
今後は、新規の生徒さんにも出会いたいと思っているので、Instagramでの発信に力を入れ始めました。SNS発信による認知の拡大も狙っていきたいと考えています。
後編では、ピラティスインストラクターになったYuukaさんがどのように活動の場を広げているのかをお伺いします。実は現在、ご自身のレッスンの他にも2社と業務委託契約を結び、ピラティスレッスンを受け持っているのだとか。またシニア向けのレッスンを開始するなど、生徒さんの年齢層を広げてピラティスを多くの方に伝え始めているそうです。
Yuukaさんの活躍の裏にある、情熱的な努力の秘密を覗ける後編もお楽しみに!