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ヘルスケア 2024-01-21

「生きているのが楽しいと感じてほしい」65歳以上のシニア向けのレッスンも大好評 Yuukaさん

怪我のリハビリをきっかけにピラティスを始めたという、ピラティスインストラクターのYuukaさん。前編では、Yuukaさんがなぜピラティスインストラクターを志したのか、またどのようにしてインストラクターとしての道を歩み始めたのかを伺いました。

後編では、ピラティスインストラクターになったYuukaさんがどのように活動の場を広げているのかをお聞きします。現在、自分のレッスンの他にも2社と業務委託契約を結び、ピラティスレッスンを受け持っているのだとか。またシニア向けのレッスンを開始するなど、生徒さんの年齢層を広げてピラティスを多くの方に伝え始めているそうです。

今回、お話を伺ったのは…

Yuukaさん

1997年生まれのピラティスインストラクター。怪我をきっかけに生活が困難なまでの腰痛に悩まされていたが、ピラティスに出会い体の動かし方を習得。自身が生徒として通っていた教室で講師資格を取得し、事務職として勤務していた企業を退職してインストラクターとして独立。レッスンのテーマは「好きなことをずっと続けるためのカラダづくり」で、20代からシニアまで幅広い層にレッスンを行う。

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近隣の体育館に直接売り込み、業務委託契約を獲得!

自身のピラティスにかける想いを伝えたところ、業務委託契約も獲得した

――Yuukaさんは、独立に際して2つの働き方の軸を持つことに決めたとお聞きしました。

2022年5月に独立するときに、自分のレッスンを持つことと、業務委託契約の働き方を両立しようということを決めました。ピラティスインストラクターとしての経験が浅かったこともあり、「オリジナルのレッスンを始めるのはまだ早い。もっと体のことを知って効果的なレッスンを生徒さんに届けたい」という意識があったのがその理由です。

すでに習得している知識を存分に発揮しながら個人の教室でレッスンをしつつ、同時に企業と業務委託契約を結び、他のインストラクターさんとの関わりを持つことでピラティスや人体への知識をより深めていくことにしたんです。

――なるほど!業務委託契約はどうやって結んだんですか?

みなさんがお住いの地域にも公営の体育館があると思うんですが、そこに出向いて「ここでピラティスを教えたいです!」と申し出ました。想いを伝えたかっただけで売り込むつもりはなかったのですが、結果的に売り込みになっていました(笑)。
ピラティスにかける想いや、自分はどんなレッスンができるのかを申し出たところ、体育館の運営元である大手スポーツメーカーと面談する機会をいただけました。数回の話し合いの後、業務委託契約を結んでピラティス教室を開けることになったんです!

――アグレッシブな行動のお陰で、契約までたどり着いたんですね!

体育館というと、エアロビクスやヨガのレッスンが受けられるところはたくさんあるんですが、ピラティスが受けられる施設は少なくて…。かつ、ピラティスを知らないような年齢層の方も体育館にはたくさんいらっしゃるので、ピラティスを広めるチャンスがあるのではないかと思ったんです!
自分がいかにピラティスに助けられたか、そしてピラティスを通じて体育館を利用する方々にどんなメリットをもたらせるのかを必死に伝えたら、チャンスをいただけました。「こんなレッスンを開催したい!」という提案もするのですが、よく話を聞いてくださいますし、実現する機会をいただけているのは本当にありがたいですね。

介護予防施設の勤務をきっかけにシニア向けレッスンを開始

さまざまな年齢層の方に向けてレッスンを実施中

――今まで、業務委託先にはどんなレッスンの開催を提案されたんですか?

65歳以上のシニア向けのレッスンを提案して、実現させていただきました!
実は独立を決意して元いた会社を退職した後に、「体についてもっと勉強をしよう」という思いで、介護予防施設で半年ほど働いたんです。その施設では、体が思うように動かなくなったり、常に体に痛みを感じたりすることで、気持ちが落ち込んでしまっているシニアの方にたくさん出会いました。
体の動きがままならず、「生きている意味がわからない」「楽しみがない」と嘆くシニアの方々を見て、「みなさんが楽しいと感じる時間を作りたい!」と思ったんです。それから、シニアピラティスのインストラクターの資格を取得して、体育館の運営元に掛け合って、シニア層向けのレッスンを開講しました。

――レッスンを開講してからの、生徒さんの反応はいかがですか?

通いはじめたばかりの頃には「膝が痛くて長時間歩けない」とおっしゃっていた方が、「旅行に行って、たくさん歩いたよ!」とニコニコしながら旅行先の写真を見せてくださるようになったり、「運動して気持ちが前向きになったわ!」と声を掛けてくださる方がいたりと、うれしい反応をいただいています
他にも、ご夫婦でレッスンに通ってきてくださる方が、ピラティスレッスン用のオリジナルTシャツをわざわざ作って2人おそろいで着て来てくださったこともあります。レッスンを楽しみにしてくださっている様子や、レッスンによって表情が明るくなっていく生徒さんの顔を見るのはなによりのやりがいです。

レッスン中はとにかく会話!濃密なコミュニケーションで満足感アップ

ひとりずつに必ず声をかけることを意識しているというYuukaさん

――レッスン中、心がけていることはありますか?

受講者の方と、しっかりとコミュニケーションをとることですね!
ピラティスというと、静かにエクササイズに集中するイメージがある方が多いと思うのですが、私のレッスンはとにかくたくさん会話をします。せっかくレッスンに参加しているのですから、コミュニケーションを取って、その場に参加している意識を持てたほうが、満足感が上がると思うんです。

――具体的にはどんなことをされていますか?

レッスンが始まる前からプライベートな話題について雑談をして、レッスン中も必ずひとり1回以上会話するようにしています
また新しい動きを習得した方には必ず、「できるようになりましたね!」という声掛けをして、「あなたのことをしっかり見ているよ!」ということを伝えるようにしています。
その他にも季節のイベントを実施して、レッスンを楽しいものだと感じてもらえる工夫をしています。ハロウィンの時期にはレッスン前にちょっとしたコスプレをして、みんなで動画撮影をしたりしました!

――最後に、Yuukaさんの今後の目標を教えてください。

今後は、かつての私のように体の不調によっていろいろなことを諦めている人に対しての活動を強化していきたいと思っています

医療のサポートが必要な状態と、健やかに日常を送れる状態の間には、深くて大きな川が流れていると思うんです。私は「医療」と「日常」の間にピラティスがあったから、毎日元気に楽しく過ごせるようになりました。かつての私と同じように困っている方がいたら、私が医療と日常の間の「架け橋」になりたいんです。そのために医療的な知識をつけるべく、体の仕組みや使い方などについて教えてくれる講座を受講中です。

もうひとつの目標は、私のレッスンを受けてくださった方が体の使い方を覚えて、その人の大切な人にそれを伝えてくれるという世界観を作ること。まだ抽象的な目標ですが、それによって「幸せだな」「楽しいな」と感じられる人が増えていく連鎖が続いたら、うれしいなと思っています。

未経験でありながら活動の場をどんどんと広げているYuukaさん。その活躍の裏には、明確なビジョンを持って、アグレッシブに行動を続ける努力がありました。ピラティスインストラクターさんとして活躍を目指している方は、参考になさってみてはいかがでしょうか?

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