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特集・コラム 2023-12-13

認知症ケアの資格一覧!未経験者や経験者のキャリアアップに役立つ資格をご紹介

認知症患者は2025年には約675万人に達し、日本人の約5.4人に1人が認知症になると予測され、認知症ケアに携われる人のニーズは高まっていくと考えられています。

認知症ケアに専門的に携わっていくためには、資格を取得するのがおすすめですが、一体どのような資格があるのかわからないという方も多いでしょう。

今回は、認知症ケアの概要や資格一覧、資格を取得する3つのメリットをご紹介します。

認知症ケアの専門職としてのキャリアを検討している方は参考にしてみてください。

引用元
公益財団法人 生命保険文化センター:認知症患者はどれくらい?

認知症ケアとは?概要を紹介

認知症ケアとは、認知症の方が家族や親しい友人と一緒に、慣れ親しんだ居住空間の中で安心して暮らせるよう、当人の尊厳を守りながらおこなうケアのことを指します。

認知症ケアを行うことで認知症の進行をおさえて、行動や心理状態の悪化を防ぐことが業務の基本です。また、家族の精神的な不安を和らげ、地域活動での社会参加をサポートすることも、認知症ケアの業務の一部に含まれます。

認知症ケアの資格には公的資格と民間資格がある

認知症ケアの資格には、大きく分けて公的資格と民間資格の2種類あります。

公的資格は、官庁や大臣が認定する資格です。事業所ごとに一定数の有資格者の配置義務や介護報酬加算があるなど、法律で定められているので、職場での待遇の改善や評価につながる資格です。

民間資格はさまざまな団体が主催する資格で、各々のカリキュラムに沿って資格講座や資格試験を運営しています。自分自身が身につけたい知識やスキルを専門的に学べる資格があれば、資格にチャレンジする意味は大いにあるでしょう。

未経験でも取得OK!認知症ケアの資格4選

認知症介護の業務経験や知識がなくても、挑戦できる認知症ケアの資格もあります。認知症ケアの専門性を高めてキャリア形成をしていきたい方は、参考にしてみましょう。

1.認知症介護基礎研修

認知症介護介護基礎研修は、認知症ケアに最低限必要な知識・スキル・考え方を習得するための研修です。チームでの基本的な認知症ケアに従事できるようになります。

令和3年度から、介護に携わる無資格者の医療・福祉スタッフに資格取得が義務化されました。すでに働いている方には3年間(令和6年度まで)の猶予期間が与えられ、これから新規で働く方には1年間の猶予期間が与えられています。

介護職として新たに働く方にとっては、就職後1年以内に取得必須の資格です。

認知症介護基礎研修のカリキュラムについては、以下の記事も参考にしてください。
認知症介護基礎研修は義務化!具体的なカリキュラムとキャリアアップに活かせる資格を紹介

引用元
認知症介護情報ネットワーク:知っていますか?認知症介護実践者等養成事業

2.認知症介助士

認知症介助士は、超高齢社会の現代日本において、認知症の方に寄り添ったコミュニケーション・接遇・応対・環境づくりを身につけられる資格です。研修のなかで、認知症に関する正しい知識やおもてなしの心、認知症の方に寄り添ったケアのあり方について学べます。

認知症の方との接し方やコミュニケーションのとり方について悩んでいるという介護・福祉・サービス機関などで働いている方におすすめの資格です。

引用元
公益財団法人 日本ケアフィット共育事業:認知症介助士 資格とは?

3.認知症ライフパートナー

認知症ライフパートナーは、言語コミュニケーションや言語外のアクティビティを活用しながら、ケアプログラムが適切に運用できているかどうかをチェックし、業務の反省点を日々の業務の改善に活かしていく仕事です。

資格は1〜3級まであり、最上級の1級では、ケアプログラムの立案・運用・評価といった認知症ケアのスタッフの指導と育成ができる能力を養成できます。

引用元
一般社団法人 日本認知症コミュニケーション協議会:「認知症ライフパートナー」の役割

4.認知症ケア指導管理士(初級)

認知症ケア指導管理士は、認知症に関する理解度を深め、認知症の方とその家族にとって必要な認知症ケアについて学びます。認知症本人の尊厳を守り、自分らしい生活を送れる環境を提供するために創設された資格です。どなたでも受験可能となっています。

引用元
一般財団法人 職業技能振興会:認知症ケア指導管理士【初級】

実務経験者向け!認知症ケアの資格4選

すでに認知症ケアに従事している方がキャリアアップを目指すための資格もあります。ここでは、経験者向けにおすすめの認知症ケアに関する資格の概要を確認しましょう。

1.認知症ケア専門士

認知症ケア専門士は、認知症ケアに関する高度な知識・技能・高い倫理観を兼ね備えた専門職の人材を育成し、介護業界の認知症ケア技術の底上げするために創設されました。

認知症の方やその家族に対してより質の高いケアサービスの提供を目指せます。

引用元
認知症ケア専門士 公式サイト

2.認知症介護実践者研修

認知症介護実践者研修は、認知症に関する深い知識と認知症の方に対する理解をもち、認知症の進行をゆるやかにできるような理念・知識・技術の習得を目指す研修です。

「身体介護に関する基本的知識・技術を習得しており、実務経験は2年程度、認知症介護基礎研修の修了者または同程度の能力を有する者」といった受験要件があります。

引用元
認知症介護情報ネットワーク:知っていますか?認知症介護実践者等養成事業

3.認知症介護指導者養成研修

認知症介護指導者養成研修では、認知症介護に関する専門的知識・技術・指導方法を習得します。また、研修プログラムの作成や教育技術、認知症ケアの質改善に向けた指導方法についても学べる点が特徴です。

認知症介護指導者養成研修の修了者は、公的研修の企画立案や講師を勤め、さまざまな地域における認知症施策の立案・推進などにも携われます。

引用元
認知症介護情報ネットワーク:知っていますか?認知症介護実践者等養成事業

4.認知症ケア上級専門士

認知症ケア上級専門士は、認知症ケア専門士の上級資格です。現場リーダーとして認知症ケアに従事するスタッフの指導や、地域の認知症ケアに関するアドバイザーを担える人材を目指すことができ、認知症ケアのスペシャリストとしてのキャリアも切り開けます。

引用元
認知症ケア専門士 公式サイト

認証症ケアの資格を取得する3つのメリット

認知症ケアの資格を取得することで、認知症の知識や技術が身につき、提供できるサービスの質が向上します。加えて、キャリアアップにも活かせる可能性も高いです。

ここでは、認知症ケアの資格を取得する具体的なメリットを学んで、自分が認知症に関する資格を取得する理由を見直してみましょう。

1.認知症ケアの質が向上する

認知症ケアに関する資格取得に向けた学習を継続し、講座や試験を受けることで、認知症に関しての理解が深まり、認知症ケアのクオリティが高まります。認知症の方と同じ目線に立って、より満足度の高いケアやコミュニケーションが提供できるようになるでしょう。

専門性を高めて認知症ケアの質を向上させたいと考えている方におすすめです。

2.就職や転職、昇進につながる

認知症ケアに関する資格を取得すると、認知症ケアに関する知識や技術を有することを証明でき、認知症の方が多く利用している施設や事業所などで重宝されます。就職・転職・待遇の改善などに活かせるので、自分が希望するようなキャリアアップを目指せるでしょう。

3.家族や地域で経験を活かせる

認知症に関する知識や技術を学ぶことは、認知症を患う家族に対する適切なケアを施し、認知症の方との接し方について広く理解することにつながります。日常生活で認知症の方と接する機会のある方にとって、認知症ケアの資格は無駄にならないでしょう。

認知症ケアの資格一覧を確認して、自分のキャリアに活かせる資格の取得を目指そう!

この記事では、認知症ケアの資格一覧を未経験者向けと経験者向けごとに紹介しました。

認知症ケアの資格を取得することで、認知症の理解が深まり、技術も高められます。

資格を保有していれば認知症ケアの知識やスキルを証明できるので、より高待遇な職場に就職できたり、昇進に役立つシーンも増えたりします。

認知症ケアに関する概要を資格ごとに確認して、自分自身のキャリア形成に活かせるような資格の取得を目指してみてはいかがでしょうか。

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