認知症ケアのおすすめ資格7選と取得のメリットを紹介
介護の現場では、助けを必要とするさまざまな利用者がいます。そのなかで、認知症の方に対しては、より慎重な対応が求められることも。そこで、認知症の方への介護には、資格を持っていると安心です。どんな資格があるのか、概要や取得方法を押さえましょう。
認知症ケアとは?

認知症ケアとは、認知症の方が家族や親しい友人と一緒に、慣れ親しんだ居住空間の中で安心して暮らせるよう、当人の尊厳を守りながら行うケアのことを指します。
認知症ケアを行うことで認知症の進行をおさえて、行動や心理状態の悪化を防ぐことが業務の基本です。また、家族の精神的な不安を和らげ、地域活動での社会参加をサポートすることも、認知症ケアの業務の一部に含まれます。
認知症ケアの資格には公的資格と民間資格がある
認知症ケアの資格には、大きく分けて公的資格と民間資格の2種類あります。
公的資格は、官庁や大臣が認定する資格です。事業所ごとに一定数の有資格者の配置義務や介護報酬加算があるなど、法律で定められているので、職場での待遇の改善や評価につながる資格です。
民間資格はさまざまな団体が主催する資格で、各々のカリキュラムに沿って資格講座や資格試験を運営しています。自分自身が身につけたい知識やスキルを専門的に学べる資格があれば、資格にチャレンジする意味は大いにあるでしょう。
未経験でも取得OK!認知症ケアの資格3選

認知症介護の業務経験や知識がなくても、挑戦できる認知症ケアの資格もあります。認知症ケアの専門性を高めてキャリア形成をしていきたい方は、参考にしてみましょう。
1. 認知症介護基礎研修
認知症介護介護基礎研修は、認知症ケアに最低限必要な知識・スキル・考え方を習得するための研修です。チームでの基本的な認知症ケアに従事できるようになります。
令和3年度から、介護に携わる無資格者の医療・福祉スタッフに資格取得が義務化されました。すでに働いている方には3年間(令和6年度まで)の猶予期間が与えられ、これから新規で働く方には1年間の猶予期間が与えられています。
介護職として新たに働く方にとっては、就職後1年以内に取得必須の資格です。
150分の講義動画の視聴(eラーニング)や確認テストののち、取得できます。費用は地域によって異なる可能性があり、たとえば、仙台センターの管轄では3,000円(税込み)です。受講後、自分で修了証を発行できます。
認知症介護基礎研修のカリキュラムについては、以下の記事も参考にしてください。
関連記事
認知症介護基礎研修は義務化!具体的なカリキュラムとキャリアアップに活かせる資格を紹介
引用元
認知症介護情報ネットワーク:知っていますか?認知症介護実践者等養成事業
認知症介護基礎研修 eラーニング:eラーニングの利用手順
2. 認知症介助士
認知症介助士は、超高齢社会の現代日本において、認知症の方に寄り添ったコミュニケーション・接遇・応対・環境づくりを身につけられる資格です。研修のなかで、認知症に関する正しい知識やおもてなしの心、認知症の方に寄り添ったケアのあり方について学べます。
認知症の方との接し方やコミュニケーションのとり方について悩んでいるという介護・福祉・サービス機関などで働いている方におすすめの資格です。
40分間の検定試験に合格すれば取得できます。必須ではありませんが、セミナーを受講し、その流れで受けると取りやすいでしょう。セミナーの受講料は16,500円、公式テキスト代は3,300円、試験の受験料は3,300円(すべて税込み)です。
合格率は約8割と高いですが、独学で受ける場合も公式テキストで対策を行ったほうがスムーズに取得できます。
引用元
公益財団法人 日本ケアフィット共育事業:認知症介助士 資格とは?
認知症介助士:取得の流れ・料金
認知症介助士:よくあるご質問
3. 認知症ケア指導管理士(初級)
認知症ケア指導管理士は、認知症に関する理解度を深め、認知症の方とその家族にとって必要な認知症ケアについて学びます。認知症本人の尊厳を守り、自分らしい生活を送れる環境を提供するために創設された資格で、どなたでも受験可能です。
試験は60分間の筆記試験で、受験料は一般10,000円、学生6,000円。合格基準はおおむね70%以上なので、公式テキスト(2,200円)や直前講習(10,000円)も活用しながら対策しましょう(費用はすべて税込み)。
引用元
一般財団法人 職業技能振興会:認知症ケア指導管理士【初級】
実務経験者向け!認知症ケアの資格4選

すでに認知症ケアに従事している方がキャリアアップを目指すための資格もあります。ここでは、経験者向けにおすすめの認知症ケアに関する資格の概要を確認しましょう。
1. 認知症ケア専門士
認知症ケア専門士は、認知症ケアに関する高度な知識・技能・高い倫理観を兼ね備えた専門職の人材を育成し、介護業界の認知症ケア技術の底上げするために創設されました。
認知症の方やその家族に対してより質の高いケアサービスの提供を目指せます。
取得には受験が必要で、インターネット上で受験する第1次試験は、4分野(受験料は合計12,000円)でそれぞれ70%以上正答すれば合格です。
合格後に第2次試験を受けられ、論述問題に解答して提出します。受験料は8,000円で、合格後には倫理研修を受けることも必要です。
引用元
認知症ケア専門士 公式サイト
認知症ケア専門士認定試験
認知症ケア専門士認定試験:第1次試験概要
認知症ケア専門士認定試験:第2次試験概要
2. 認知症介護実践者研修
認知症介護実践者研修は、認知症に関する深い知識と認知症の方に対する理解をもち、認知症の進行をゆるやかにできるような理念・知識・技術の習得を目指す研修です。
「身体介護に関する基本的知識・技術を習得しており、実務経験は2年程度、認知症介護基礎研修の修了者または同程度の能力を有する者」といった受験要件があります。
東京都を例にとると、受講料は無料で、実務経験2年以上で都内の施設などに従事している人が対象。約450分間のeラーニングとZoomでの4日間の講義・演習、さらに勤務先での約4週間の実習を経て取得可能です。
引用元
認知症介護情報ネットワーク:知っていますか?認知症介護実践者等養成事業
東京都福祉局:令和7年度東京都認知症介護研修のお知らせ(実践者第11~14回、管理者第4回、小規模第3回)【最短6月12日〆切】
東京都福祉局:令和7年度 東京都認知症介護研修のお知らせ
3. 認知症介護指導者養成研修
認知症介護指導者養成研修では、認知症介護に関する専門的知識・技術・指導方法を習得します。また、研修プログラムの作成や教育技術、認知症ケアの質改善に向けた指導方法についても学べる点が特徴です。
認知症介護指導者養成研修の修了者は、公的研修の企画立案者や講師を務められるほか、さまざまな地域における認知症施策の立案・推進などにも携われます。
東京センター管轄内(関東だけでなく九州なども含む)の場合、医療や介護の専門資格を持ち介護現場で働いている人などが対象で、全308時間の研修を受けます。
受講料は230,000円、教材費と保険料が計5,000円で、段階に応じてセンターでの受講と職場でのオンライン受講があり、遠方の場合などはセンターの宿泊施設への宿泊も可能です(素泊まり1泊2,000円)。
引用元
認知症介護情報ネットワーク:知っていますか?認知症介護実践者等養成事業
認知症介護情報ネットワーク:認知症介護指導者養成研修【東京センター】
認知症介護情報ネットワーク:令和7年度 認知症介護研究・研修東京センター 認知症介護指導者養成研修受講者募集要項
4. 認知症ケア上級専門士
認知症ケア上級専門士は、認知症ケア専門士の上級資格です。現場リーダーとして認知症ケアに従事するスタッフの指導や、地域の認知症ケアに関するアドバイザーを担える人材を目指すことができ、認知症ケアのスペシャリストとしてのキャリアも切り開けます。
受験料は10,000円で、全3巻の専用テキストに準じた筆記試験で70%以上正答すれば合格です。「認知症ケア上級専門士研修会を修了していること」など、受験資格があるため、詳しくは公式サイトで確認してください。
引用元
認知症ケア専門士 公式サイト
認知症ケア専門士 公式サイト:第17回認知症ケア上級専門士認定試験
認知症ケアの資格を取得する3つのメリット

認知症ケアの資格を取得することで、認知症の知識や技術が身につき、提供できるサービスの質が向上します。加えて、キャリアアップにも活かせる可能性も高いです。
ここでは、認知症ケアの資格を取得する具体的なメリットを学んで、自分が認知症に関する資格を取得する理由を見直してみましょう。
1. 認知症ケアの質が向上する
認知症ケアに関する資格取得に向けた学習を継続し、講座や試験を受けることで、認知症に関しての理解が深まり、認知症ケアのクオリティが高まります。認知症の方と同じ目線に立って、より満足度の高いケアやコミュニケーションが提供できるようになるでしょう。
専門性を高めて認知症ケアの質を向上させたいと考えている方におすすめです。
2. 就職や転職、昇進につながる
認知症ケアに関する資格を取得すると、認知症ケアに関する知識や技術を有することを証明でき、認知症の方が多く利用している施設や事業所などで重宝されます。就職・転職・待遇の改善などに活かせるので、自分が希望するようなキャリアアップを目指せるでしょう。
3. 家族や地域で経験を活かせる
認知症に関する知識や技術を学ぶことは、認知症を患う家族に対する適切なケアを施し、認知症の方との接し方について広く理解することにつながります。日常生活で認知症の方と接する機会のある方にとって、認知症ケアの資格は無駄にならないでしょう。
認知症資格Q&A

つづいて、認知症資格についてよくある疑問にQ&A方式で回答します。
Q1. 認知症に関する国家資格はある?
A1. 認知症ケア資格の例をいくつか挙げましたが、一般の組織・団体が認定する民間資格が多く、現在のところ国家資格はありません。
なお、国家資格ではありませんが、自治体が主体の公的資格はあります。今回紹介したなかでは、「認知症介護基礎研修」や「認知症介護実践者研修」です。
Q2. 認知症の資格は難易度が高い?
A2. 資格の難易度は資格の種類やレベルなどによるため、一概に難しいとか簡単であるとはいえないのが事実です。修了試験がなく受講すれば取得できるものもありますが、受講に条件が定められていることもあり、誰でも取得できるとは限りません。
自分のキャリアやスキルに合った資格を選びましょう。
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認知症ケアの資格はさまざま!自分のキャリアや目標に合わせて取得を目指そう

この記事では、認知症ケアの資格一覧を未経験者向けと経験者向けに分けて紹介しました。
認知症ケアの資格を取得することで、認知症への理解が深まり、技術も高められます。資格を保有していれば認知症ケアの知識やスキルを証明できるので、より高待遇な職場に就職できたり、昇進に役立ったりする可能性が高まり、いいことずくめです。
認知症ケアに関する概要を資格ごとに確認して、自分自身のキャリア形成に活かせるような資格の取得を目指してみてはいかがでしょうか。
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