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特集・コラム 2024-01-25

ケアマネジャーの仕事は心が折れる? 大変なところと対処策を紹介

介護支援専門員は介護を必要とする人たちの、ケアプランの作成やサービス事業者との連携をおこなう介護サービスのスペシャリスト。

苦労して介護支援専門員の資格を得たものの、働いているうちに仕事がつらくなり、心が折れそうになることもあるようです。

今回は、介護支援専門員の仕事の大変なところや心が折れそうなときの対処の仕方などを紹介します。

ケアマネジャー(介護支援専門員)の仕事は心が折れる? 大変なところとは

介護支援専門員の仕事の大変なところはどのようなところがあるのでしょうか?
仕事量が多いことや介護以外の知識やスキルが必要、更新研修の負担が大きいなどの理由が挙げられます。ここでは、ひとつずつ詳しく紹介していきます。

1. 仕事の量が多い

介護支援専門員の仕事は、アセスメントシートやケアプランの作成、モニタリングの記録や担当者会議など多岐にわたります。その大半の業務が書類の作成などであるため負担に思う人が多いようです。

また、他業種と連携を取らなければならなかったり、時には利用者宅へ訪問したりしなければならないため、仕事の多さに心が折れてしまう人もいます。

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2. 介護以外にも幅広い知識やスキルが必要になる

介護だけでなくケアプランの作成に関する知識はもちろん、利用者からの相談にこたえるために、その他の知識も頭に入れておかなければなりません。

利用者との面談などの際は、利用者との信頼関係の構築も必要です。本音で話してもらうため、面談技法や心理学理論なども学んでおかなければなりません。学ぶことの多さに負担を感じることもあるようです。

3. 更新研修に出なければならない

資格取得後は、5年に1度、更新研修を受講しなければなりません。更新研修は、研修時間が32時間以上と長く、費用もかかるため負担に感じる人が多いようです。

資格の更新を忘れてしまうと、介護支援専門員としての資格が失効してしまい業務がおこなえなくなるので注意が必要です。

ケアマネジャーの研修がしんどいと言われる理由とは? 実務研修・更新研修の内容を紹介

4. 責任が重め

自身の作成したケアプランが、利用者の生活を左右してしまうことに責任を感じてしまう人もいます。介護支援専門員が作成したケアプランによって利用者が受けるサービスが変わるため、中には生活が一変する利用者も出てきます。

そのことが大きなプレッシャーになってしまうこともあるのです。

5. 利用者と事業所の板挟みになりやすい

介護支援専門員は調整役も担っているため、利用者と事業所や役所など、関係機関との板挟みになりやすいことも悩みのひとつになっています。

両者からのクレームに悩まされたり、理不尽な思いをすることもあるようです。

6. 介護支援専門員以外の仕事に時間が割かれる

介護支援専門員以外の保有している資格の仕事を任せられて、介護支援専門員本来の仕事に時間を避けないことも。

人手が不足している事業所も多く、保有している資格との兼任も負担になります。

7. クレーム対応がつらい

利用者やその家族から理不尽なクレームを受けることも。クレームの対応は、介護支援専門員に限らずつらいものですが、親身になって対応していた分、特につらく感じるようです。

利用者によっては、サービスに含まれていないことなどに対してクレームを言われることもあり、悩まされることもあるかもしれません。

大変さの背景にあるものとは?

介護支援専門員が紹介してきたような大変な思いをしているのは、介護職員処遇改善加算が実施されたことに影響しています。その内容について詳しく見ていきましょう。

介護職員処遇改善加算で起きた逆転

介護職員処遇改善加算は、条件を満たしている介護施設の職員に対して、給与をあげるために国がお金を報酬として支給するという措置のことです。

介護福祉士など直接介護に関わる人の給与は上がり、事務的な仕事の多い介護支援専門員は対象外とされたため、介護職の中では給与の高かった介護支援専門員の方が低くなってしまう、というケースが見られるようになりました。

MORE REJOB:介護処遇改善手当とは? 介護業界で働く人が知っておきたい基礎知識を紹介

引用元
厚生労働省老健局老人保健課:令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果

介護支援専門員は処遇改善の対象に含まれていない

特定処遇改善加算制度とは、従来の処遇改善加算にプラスし、経歴の長い職員の賃上げを目的に、給与アップのためお金を支給するという制度ですが、介護支援専門員は対象外とされました。ただし、介護施設で介護職を兼任する介護支援専門員は対象となります。

今のところ特定処遇改善加算制度の恩恵を受けている介護支援専門員は、介護施設で介護職をしている人のみです。一方で令和5年の社会保障審議会では、介護支援専門員も対象とするべきだという声もあがっています。

引用元
厚生労働省:介護人材の処遇改善等(改定の方向性)

介護支援専門員の仕事を続けたい人への対処策

ここからは、つらいと感じていながらも、介護支援専門員の仕事を続けたい人への対処策を5つ紹介します。

1. 現在の状況や問題点を書き出す

まずは、現在の状況や問題となっているものを書き出していきましょう。書き出したら、ひとつずつ解決できるものかどうかを考えて、解決できるもの・できないものに分けていきます。

文字にすることで、気持ちが整理され客観的な視点から解決策を考えることができます。

2. 介護支援専門員のメリットやなった理由を考える

介護支援専門員のメリットを整理したり、なぜ介護支援専門員になったのか初心を振り返ったりするのもよいでしょう。その上で、介護支援専門員の仕事が好きなのかどうかを確認しましょう。

日々の業務の中で忘れていた、仕事のやりがいや魅力を再確認できるかもしれません。

3. 業務をスケジューリングして可視化する

業務を書き出し、スケジュールなどを見える化するのもよいでしょう。仕事内容の優先順位をつけて、効率よくこなせるようになれば仕事の多さに対する負担も軽減されるのではないでしょうか。

1週間の予定をまとめて立てておくと、何曜日に何をするかや、期限等も把握できておすすめです。

4. 自分のできる量を把握する

自分の限界量を把握しておくことも大切です。介護支援専門員だからと何もかもできるわけではありません。自分の抱えておける仕事量を事前に把握することで、できないことはお断りしたりほかの人にお願いしたりといった対処ができるため、ストレスも軽減されます。

全てを自身でこなそうとせず、線を引くことも時には大切です。

5. 同僚や上司に相談する

介護支援専門員は担当する利用者の状況も様々なことや、多忙から相談する時間の確保ができないなど、相談のしにくい環境ではありますが、悩みを一人で抱え込んだりせず同僚や上司に相談しましょう。

人に話すことで、なによりも気持ちが落ち着き解決策が見つかるかもしれません。施設内で難しい場合は、包括支援センターなど施設外の関連機関に相談してみるのもよいでしょう。

できるところから始めて環境を改善しよう!

介護支援専門員の仕事は、仕事量の多さや幅広い知識が必要になるなど大変な面があることがわかりました。ですが、そのどれもが介護支援専門員の仕事が、介護を必要とする方やその支援者にとって重要な役割だということを示しています。

介護職員特定処遇改善加算により給与面での厳しい状況はありますが、厚生労働省のデータを見ても、介護職の中で給与が高い職種であることは間違いありません。自分にできることから始めて働きやすい環境を作っていきましょう。

介護支援専門員の仕事につきたい人や、転職を考えている人はぜひ、一度リジョブをチェックしてみてください。

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