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ヘルスケア 2024-06-17

日本マッサージ選手権優勝!成長を続けてスタッフの見本を目指す【もっと知りたいヘルスケアのお仕事Vol.144 セラピスト「mynavilla」愛澤伸苗さん】#2

ヘルスケア業界のさまざまな職業にフォーカスし、その道で働くプロにお仕事の魅力や経験談を語っていただく連載企画「もっと知りたい! ヘルスケアのお仕事」。

前回に引き続き、都内に2店舗をもつアジアンリゾートスパ「mynavilla」の代表であり、プレイヤー、講師と幅広く活躍している愛澤伸苗さんにお話をお聞きします。前編では、どうしてOLを辞め、リラクゼーション業界へ飛び込んだのかを伺いました。

後編では、愛澤さんがヘルスケアの仕事をするうえで大切にしていること、活躍の秘訣を伺います。

今回、お話を伺ったのは…

「mynavilla」代表 愛澤伸苗さん

福島県出身。通販会社を退社後、バリ島へマッサージ留学。現地で学んだオールハンドのマッサージを生かし、帰国後は高級大手スパや接骨院などで数年間活躍している。2017年5月に独立し「mynavilla」を開業。現在、セラピスト、経営者、講師を務めている。日本マッサージ選手権2023ボディケア部門にて優勝を果たすほどの卓越した技術の持ち主である。

インスタグラム

先読みした行動を意識してお客さまに快適なサービスを

「mynavilla」のスパスクールでは、矯善筋骨、バリニーズオイル、タイ古式講座、小顔矯正の3つを揃えているそう

――スクールの講師も務めているとお聞きしました。

そうなんです。「mynavilla」では店舗のほかにスクールも展開していて、そこではあくまで講座の内容や仕組みなどを考えたりする仕事がメインですが、講師としても授業しています。これからセラピストを目指したい、さらに技術を磨きたいという方に向けて、解剖学を軸とした理論や実技を教えているんです。また、外部スクールの講師としても活動しています。

――施術者、経営者、講師と幅広いご活躍ですね。そんな愛澤さんがヘルスケアのお仕事をするうえで大切にしていることは何ですか?

施術を受けにくる方には、体だけでなく心までとことん癒されてもらいたいんです。マッサージが良くても、接客でお客さまが気持ちよく過ごせないようなことがあればそれは良いサービスとは言えません。「何をされたら心地いいだろう」とお客さま目線で考えて、心に寄り添ったサービスを行うということは1番大切にしていますね

施術中の本当に小さなことから、お客さまの心地よさは変わってくるんです。例えば、施術中にお客さまが鼻をすすっていたとします。その時に「ティッシュが必要ですか?」と聞いてからティッシュを渡すのではなく、お客さまにティッシュを差し出してから「使いますか?」と声をかけるんです。「わざわざ持ってきてもらうのは…」と遠慮してしまうお客さまが多いので、気を遣われる前にこちらが気を遣う、そんな先読みした行動の意識が快適なサービスにつながると思っています

――スクールの生徒さんにも気遣いの大切さは指導していますか。

そうですね。理論や技術の前に、まずは気遣いの心を指導しています。セラピスト=技術者だと思っている方が受講者の中にも多くいらっしゃるのですが、私はサービス業者だと思うんです。「おもてなしの心を忘れてはいけない」ということは、かならず伝えるようにしています。

ほとんどがSNS集客。親近感の湧く投稿がポイント

日本マッサージ選手権2023ボディケア部門で優勝した時の愛澤さん。この優勝をきっかけに主催者のもとで講師の仕事もしているそう

――集客はどのようにされているのでしょうか?

Instagramでの集客をメインとしています。投稿の際に意識しているのは、お店のサービスや情報などだけでなく、お店のバックボーンを感じられる投稿です。具体的には、どんな思いで店を作ったのか、私から見たスタッフの魅力、内装のこだわりなどをアップしています。施術とはまったく関係のない投稿をしたほうが、見た人が親近感を覚えて足を運びやすいのではないかと考えています

実際、Instagramを見て訪れるお客さまがほとんどです。他県から来てくださる方も多くて、なかには「ずっと来てみたかったんです」と言ってくださった方もいました。自分たちの知らないところで「mynavilla」という名前が広がっていることにすごく喜びを感じています。

――なるほど。では、愛澤さんが経営者として大切にしていることはありますか。

経営者であっても成長し続けることですね。どの企業でも言えることだと思いますが、社員は代表や先輩の背中を見て育ちます。上にいる人間がサボっていては、社員はモチベーションが上がらず成長できません。「自分も頑張ろう」と思って自然と社員が努力できるような見本になるため、私も様々なことに挑戦するようにしています。

昨年は日本マッサージ選手権2023ボディケア部門に挑戦し、優勝を果たしました。来月にはフランスで開催されるベストスパセラピストという世界大会の出場を控えていて、世界レベルの技術を間近で見ることが今から楽しみなんです。

――愛澤さんの向上心がスタッフと会社を引っ張っているんですね。優勝経験があるということですが、その技術力はどのように培ったのですか?

何ですかね(笑)。選手権に向けて特別何かを行ったというわけでもないんです。ただ1つ挙げるとすれば、日々の積み重ねだと思います。毎日のようにお客さまの体のことを考えて、より良い結果につながる施術はどんなものかをスタッフと練習し合っているんです。人を元気にしたいという目標が技術力を磨く力につながっているのかもしれません。

自分だけではなく、みんなで幸せになりたいが活躍の原動力

人の体は科学がどんなに発達しても人が行わなければならないという愛澤さん

――施術者や講師など、セラピストとして幅広く活躍されていますが、その原動力を教えてください。

みんなで幸せになりたいというのが原動力ですね。自分だけ幸せになっても意味がないと思っていて、身につけた技術や知識を独占せずに多くのセラピストに届ければ、自然とより多くの方々を元気にできます。自分が施術をしなくても、誰かの人生が豊かになるのであれば私はそれで幸せなんですよね

――セラピストというお仕事の魅力を教えてください。

最近、技術の発展によってセラピストの手に似せた機械が開発されていたりしますが、人の心に寄りそって施術をすることは人にしかできません。セラピストは、この先どんなに時代が進んでも奪われることのない仕事だと私は思っています。また、お客さまが体の悩みを解消して喜ぶ姿を見られることが大きなやりがいでもあります。「ありがとう」と感謝してもらった時は、この仕事をしていて良かったと感じる瞬間です。

――これからセラピストを目指す方や現在セラピストとして働いている方へのアドバイスをお願いします。

もしセラピストになるか迷っているようであれば、挑戦してみてほしいです。ありきたりな言葉かもしれせんが、人生は一度きり。後悔のないように少しでも興味があるのなら、私のようにリラクゼーション業界に飛び込んでみませんか?

興味はあるけど何からしたらいいのか分からないという方は、まず色んなサロンの施術を受けてみるのが良いかもしれません。マッサージだけでも種類は様々あります。興味が持てる施術を探すところから始めてみるのがおすすめです。

そして、挑戦してすぐに成果が出なくても諦めないで欲しいです。「向いてないのかな」などと不安になるかもしれませんが、必ず結果につながる時が来ると思うので、頑張ってください。


愛澤さんがセラピストとして成功できた3つのポイント

1.「人々を元気にしたい」という明確なモチベーション持って活動している

2.より良い施術を追求し、留学や解剖学など積極的に学習し続けている

3.お客さまの心に寄り添うことを大切に、施術だけでなく接客にも力を注いでいる

information

Mynavilla 人形町店
住所:東京都中央区日本橋人形町1-4-14 日庄別館4F
電話:03-6823-4360

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