グループホームで働くには、求められる資格と素質
グループホームというのは、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。その名称の通り、利用者は認知症を患っている人です。グループホームでは、利用者にできるだけ自立した日常生活を送ってもらうため、食事の支度や掃除、洗濯などは、利用者とスタッフが協力して行います。ここでは、グループホームで働くために必要な資格や素質などについてご説明します
グループホームで働くために求められる資格
グループホームではどんな職種の人が働いているのでしょうか。まず、グループホームに必ず置かなければならない職種として、ケアマネジャー(介護支援専門員)があります。グループホームには、計画作成担当者を置く必要があり、その中の一人はグループホームの有資格者でなければいけないことが定められているからです。
そして、当然のことながら、グループホームでは介護職員が働いています。介護職員として働くためには、特別な資格は必要ありません。ただし、冒頭にも書いたように、グループホームの利用者は、認知症を患っている方です。介護の知識が全くない状態で仕事に就くのは難しいかもしれません。できる限り実務研修を受け、いずれは介護福祉士などの資格取得を視野に、グループホームで働くことにした方がいいでしょう。
最後に、グループホームでは看護師などの医療系の資格を有している人が働いています。ただし、グループホームの場合、看護師のような医療スタッフは設置義務があるわけではありませんから、グループホームによって設置している場合としていない場合があります。結論としては、計画担当者などの特別な役職に就かない限り、無資格であってもグループホームで働くことが可能です。
グループホームで働くために求められる資質
グループホームで働く上で、必要な資質のようなものはあるのでしょうか。グループホームで働く場合、利用者の方と一緒に食事を作ったり、洗濯や掃除を行ったりします。そうすると、家事が苦手という人は、グループホームで働くことは難しく感じるかもしれません。
しかし、グループホームは、できる限り利用者に自立した生活を送ってもらうことで認知症の進行を抑えることも目的としています。したがって、スタッフの側が家事をやり過ぎるのも良くないとされています。家事が得意な利用者の方に料理を教えてもらえるケースもあるくらいですので、家事が得意であるということは、グループホームで働く上で必ずしも要求されません。
むしろグループホームの場合、大事なのは認知症の人の特徴を学んで適切な対応をすること、認知症の人を一人の人間として尊重した態度を取れることです。また、利用者の家族や施設周辺の住民とのコミュニケーションも必要なので、コミュニケーション能力が高い人は、グループホームで働くのに向いています。
グループホームで働くときに注意すべきこと
最後に、グループホームで働くときに注意すべきことについて、ご紹介します。グループホームの利用者は、認知症の方です。要支援2以上(要支援1の人は入所できない)ということは決まっていますが、実際にどの程度症状が進行している人が入所しているかは施設によって異なります。当然、職員の対応も症状の重さによって異なってきます。
グループホームで働くときには、事前に施設見学などをして、施設の状況を確認した上で就職されることをお勧めします。また、グループホームに入所されている方は、ADLが自立している(食事や排泄、移動、入浴といった、日常生活を営む上での基本的な動作が自分でできる)ことが多くなっています。このことは、スタッフの負担が軽減されることに繋がりますが、身体介護の技術を学びたいと思っている人にとっては、経験を積むことができないということを意味します。介護技術を習得したいと思っている人にとっては、グループホームでの仕事は向かない面があります。
以上、グループホームで働く上で必要な資格や資質についてご紹介しました。グループホームは、無資格であっても働くことができ、アットホームな雰囲気で働くことができる施設もあります。一方で、グループホームは、施設の運営方針によって仕事内容が大きく異なるといわれています。グループホームで働く際には、事前によく調べてから就職先を決めてください。