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介護・看護・リハビリ 2021-06-23

牛乳パックとビーチボールを使って遊ぼう! 上肢・下肢・体幹を鍛えながら集中力と競争心を芽生えさせるゲーム【介護レクリエーションvol.27】

現場で役立つレクリエーションのアイディアをご紹介する「介護レクリエーション」。

今回は、牛乳パックで作った輪とビーチボールを使って遊ぶゲームレクリエーションを、レクリエーション・インストラクターの大野孝徳さんに教えていただきます。

「今回は『ビーチボール相撲』と『池ポチャ』というレクリエーションをご紹介します。『ビーチボール相撲』は、牛乳パックで作った輪の中にビーチボールを投げ入れるゲーム。ビーチボールを掴む・持つ・投げる動作が必要となり、上肢と体幹の運動に効果的です」(大野さん)

では、『池ポチャ』は?

「『池ポチャ』は池に見立てた牛乳パックの輪の中にボールを蹴り入れるゲーム。ボールを蹴る動作が必要となり、下肢の運動に効果的です」(大野さん)

牛乳パックで作った輪とビーチボールを用いて行う『ビーチボール相撲』と『池ポチャ』。2つのゲームを行うことによって期待できる精神面の効果は?

「どちらも集中力を養い、競争心を芽生えさせる効果が期待できます」(大野さん)

早速、遊び方をご紹介。

ビーチボール相撲

【対象者】上肢の可動域がある方
【レクの目的】上肢・体幹の運動、集中力を養う、競争心を芽生えさせる
【人数】2人以上
【実施に好ましい場所】ホール
【必要な道具】2Lの牛乳パック8個、ビーチボール(直径18〜25cm)2個、参加者が使用する椅子、記録用のホワイトボードなど
【制限時間】5分〜
【レクリエーションの内容】牛乳パックで作った輪の中にビーチボールを投げ入れるゲームです。

レクを始める前の準備

・スタッフは、2Lの牛乳パック8個を使ってゲームで使用する「牛乳パックの輪」を作ります。

<牛乳パックの輪の作り方>

1. 牛乳パック8個の注ぎ口を開き、Aの部分を残してハサミで切る。
2. Aと牛乳パックの側面をガムテープで貼り合わせる。
3. 全ての牛乳パックにAを貼り合わせたら輪の完成。

遊び方

1. 参加者を同じ人数になるように2チームに分け、チーム内でビーチボールを投げる順番を決めます。各チームのトップバッターは前に出て、2mほどの間隔を空けて向かい合わせに座ります。スタッフは参加者の間に牛乳パックの輪を配置し、各チームのトップバッターにビーチボールを渡しましょう。
2. スタッフは参加者に「『ハッケヨイ、ノコッタ』と声をかけ、同時に牛乳パックの輪の中にボールを投げ入れてください。相手のボールをはじき飛ばして輪の中にボールを入れられたチームの勝ちです」と、ゲームのルールを説明しましょう。
3. スタッフの「ハッケヨイ、ノコッタ」のかけ声が聞こえたら、各チームのトップバッターは牛乳パックの輪の中にビーチボールを投げ入れます。スタッフはどちらのチームのボールが輪の中に入ったのかをホワイトボードなどに記録し、参加者が投げたボールを拾って再び渡してあげましょう。
※どちらも入らなかった場合は、引き分けとなります。
4. 3を3回行い、より早く横綱に上りつめた人の勝ちとなります。スタッフは勝敗の結果をホワイトボードなどに記録しておきましょう。
5. 2番目以降の人も34を繰り返し行います。最後の人まで行い、最終的に横綱に上り詰めた人数の多いチームの勝ちとなります。

進め方のコツ

・ビーチボールを先投げor後投げした場合は、もう一度行うように促しましょう。
・「ハッケヨイ、ノコッタ」のほうが相撲感は出ますが、参加者の投げるタイミングがなかなか合わないときは「よーいドン」など、参加者の投げるタイミングが合いやすいかけ声に変更してもOKです。
・ビーチボールは大きいサイズのものを使用するほど、ゲームの難易度が上がります。参加者のレベルに合わせてサイズを変えてもOKです。

池ポチャ

【対象者】下肢可動域がある方
【レクの目的】手指・足の運動、集中力を養う、競争心を芽生えさせる
【人数】2人以上
【実施に好ましい場所】ホール
【必要な道具】2Lの牛乳パック16個、ビーチボール(直径20cm程度)2個、参加者が使用する椅子、記録用のホワイトボードなど
【制限時間】5分〜
【レクリエーションの内容】池(牛乳パックの輪)の中にボールを蹴り入れるゲームです。

レクを始める前の準備

・スタッフは、2Lの牛乳パックを使ってゲームで使用する「牛乳パックの輪」を2個作ります(作り方は上記の「ビーチボール相撲」の「牛乳パックの輪の作り方」を参照)。

遊び方

1. 参加者を同じ人数になるように2チームに分け、チーム内でビーチボールを蹴る順番を決めます。各チームのキッカーは前に出て横並びに座ります。スタッフは参加者から1.5mほど離れた場所に牛乳パックの輪を配置し、各チームのキッカーにビーチボールを渡しましょう。
2. スタッフの「よーいドン」の合図が聞こえたら、各チームのキッカーは牛乳パックで作った輪の中にビーチボールを蹴り入れます。スタッフは参加者が蹴ったボールを拾い、再び参加者へ渡してあげましょう。
3. 2を3回行い、より多くビーチボールが輪の中に入った人の勝ちとなります。スタッフは勝敗の結果をホワイトボードなどに記録しておきましょう。
4. 2番目以降の人も23を繰り返し行います。最後の人まで行い、最終的に勝利数の多かったチームの勝ちとなります。

進め方のコツ

・ビーチボールを蹴るのが難しい人は、手を使って牛乳パックの輪の中にボールを投げ入れてもOKです。
・リハビリとして足を動かしたほうがよい人には「3回のうち1回は足で蹴ってみませんか?」と促してみましょう。その際は、スタッフが足もとにビーチボールを置いてあげるなど、参加者が蹴りやすくなるサポートをしてあげましょう。

「参加人数が奇数でチームを同じ人数に分けられない場合は、2回挑戦したい人の参加を促してみましょう。それかスタッフが参加しても良いでしょう」と大野さん。今回紹介した2つのレクリエーションは、体の運動になることに加え、集中力や競争心の向上も期待できます。参加者のレベルや現場の状況に合わせながら取り入れてみてください。

イラスト:SMILES FACTORY
文:小沼奈央(レ・キャトル)

教えてくれたのは…

大野 孝徳さん

合同会社A-assist代表、介護福祉士、介護予防指導士、レクリエーション・インストラクター。学生時代は子ども会集団指導者講師として岐阜県内でレクリエーション指導に従事。そこでの経験が評価され、介護業界に入職。介護職・相談員・管理職、在宅・施設両面での介護業務と、介護現場において幅広く活躍。2016年に独立し、A-assistを設立。訪問型介護予防体操教室やレクリエーションサポート活動を展開。現在も現場に入り介護福祉士として従事する傍ら、「え~(良い)アシスト」を提供するべく全国を対象に事業を展開している。

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