人との繋がりを大事にすることでフォトグラファーとしての活動も充実【介護・看護・リハビリ業界のお仕事企画 看護師×フォトグラファー 森末美穂さん】#2
業界のさまざまな職業にフォーカスして、その道で働くプロにお仕事の魅力や経験談を語っていただく連載「介護・看護・リハビリ業界のお仕事企画」。今回は、看護師×フォトグラファーの森末美穂さんにお話を伺います。
前編では、総合病院勤務時代や訪問看護など看護師としてのキャリアと、フリーランスとして活動されている予防医学のスピーカーについてお聞きしました。
この後編では、もうひとつのお仕事フォトグラファーについて。森末さんは、助産師として起業する友だちのプロフィール写真を撮ったのをきっかけに、フォトグラファーとしての活動をスタート。プロとして心がけていることや、人との繋がりを大事にすることで仕事も充実していくことを教えていただきました。
お話を伺ったのは
看護師×フォトグラファー
森末美穂さん
大学卒業後、総合病院に入職、整形外科や内科勤務。訪問看護師を経て、現在は予防医学/地球環境講師としても活躍。子どもの成長記録を残すために本格的にカメラを始め、2020年フリーランスとして起業。プロフィール撮影、サロンフォト、イベント撮影などを手がける。ビジネスコミュニティMy Palette、ママコミュニティかまくらパラレル主催
友だちのプロフィール撮影がきっかけでフォトグラファーに

「自分が撮った写真で喜んでくれる人がいることがとても嬉しいです」(森末さん)
――森末さんはフォトグラファーとしても活動されています。そのきっかけは?
大学生の頃から写真を撮るのは好きで、子どもが生まれてからもデジカメで撮って、インスタに投稿していました。インスタでいつも見ている子が成長していく姿を見守るのも楽しくて、その繋がりで友だちもたくさんできました。リアルで会ってお互いの子どもの写真を撮ったり、とにかくカメラを楽しんでました。
義父も野鳥を撮るために一眼レフを使っていて、新しいのを買ったからと古いカメラを譲り受けたんです。その一眼レフで撮った写真を見て、「カメラが違うとこんなにきれいに撮れるんだ」と感動したんですよね。
ある日、インスタの投稿を見てくれていた総合病院時代の同期が、助産師として起業するからプロフィール写真を撮ってほしいと声をかけてくれたんです。そのときに撮った写真を気に入ってくれて、「これお仕事にできるよ」と背中を押してくれたんですね。それがカメラを仕事にするようになったきっかけです。
――フォトグラファーとしての活動がスタートしたのですね。
フォトグラファーと同時に、日用品やサプリメントなどオーガニック用品のオンライン販売の二本立てで起業しました。オンライン販売もその助産師の友だちがすでに始めていて、わたしにも向いてそうだからとすすめてくれたんです。
撮影メニューは「全プランカウンセリング付き」

モデルさんとお話しながら、自然な表情を引き出すフォトグラファー森末さん。
――お仕事ではどんなものを撮っているのですか。
ママ友やコミュニティに起業女子やこれから起業しようかなという人が多く、フリーランスで働く方にお会いする機会が増えたので、その方たちのサロンやプロフィール写真を撮らせてもらっています。
――フォトグラファーとして活動するようになってからと、趣味で撮っているときとの違いや心がけていることは?
趣味で子どもを撮っているときは自己満足の世界でしたが、仕事ではその方のご要望に沿った写真を撮ることが最優先だと思っているので、その方がなんのために必要な写真で、どんなイメージで撮りたいのか、最初の段階でていねいにお聞きします。ホームページのメニューにも「全プランカウンセリング付き」という文言を加えています。
――写真の用途やイメージを明確にすることは大事ですよね。
それと撮影のときに緊張している方が多いので、おしゃべりしながら自然な表情を引き出すように心がけています。その人の魅力がより伝わるように、くるくる回ってもらったり、ジャンプしてもらったり。この前の撮影では「ぜひ一発芸を!」と振って「できないよ」と笑った瞬間の表情がすごくよかったです。
楽しく過ごす大人を撮りたい

「子どもが大人になるのは楽しそうと思ってくれたらいいな」(森末さん)
――森末さんは人と繋がるのがすごく上手ですよね。意識的にそうされているのでしょうか。
基本的に人が好きなんだと思います。人と話したり、その人が何を思っているのかが結構気になったりするので。
いい情報はいつも人が運んできてくれるなと感じているんです。だから目の前の人を大切にしようという気持ちで関わるようにはしています。なんなら写真を撮るだけじゃなくてお茶もしましょう。それで仲良くなれた方とお仕事ができたらいいなと思っています。
――とくに集客の勉強などはされていないのですか。
起業のきっかけとなったBeeコミュニティで、経済やコミュニケーションについての考え方は学びましたが、それもノウハウではなかったですし、集客の勉強やいわゆる起業塾と言われるところには行ってないですね。
初対面の方に「フォトグラファーやってます」とは言いますが、営業ではなくどちらかというと「必要だったら行きます」というスタンス。それよりも、「こんな方いたよ」といろんなお仕事をされている方同士を繋ぐのが好きで、それがまた巡り巡って自分の仕事に繋がったりするのかなと感じています。
――最後に今後の目標を教えてください。
基本的に大人を撮りたいです。大人が楽しそうに過ごしていたら、子どもも大人になるって楽しそうだなと思えますよね。だから、大人が楽しく過ごすためのお手伝いができたらいいなと思っています。
大人が輝くためには、その土台となる健康や環境がすごく大事。温暖化など切羽詰まった地球環境下で、「健康にいいこと=地球にもいいこと」を伝えながら、生き生きした女性や大人を増やす活動をしていきたいです。でもそれって結構大きなことで、とても自分ひとりでは成し得ない。今後はさらにコミュニティを充実させて、みんなでそれを伝えていった先に、環境をよくするための選択が変わる人が増えて、その基準が変わっていったらいいなと思います。
森末さんが看護師として充実している理由は
1.ライフステージに合わせて仕事スタイルを変化させてきた
2.女性が生き生きできるように自分の知識を伝えてきた
3.人との繋がりを大事にすることでダブルワークも充実
自然体の森末さんの前では、こちらも肩の力が抜けて心地よい時間を過ごせるようなインタビューでした。患者さんも、セミナーを聞く人も、写真を撮られる方もみんな心地よくなってしまうのでは。
取材・文/永瀬紀子