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メディロム_江口康二
学び・キャリア 2019-07-29

株式会社メディロム 代表・江口康二(後編)クレドを片手に魅力的な人材を輩出しながら目指す「ヘルスケア総合商社」への道

前編、統合医療のことを詳しく解説してくれた、株式会社メディロム・代表取締役、江口康二さん。統合医療だけではなく、東洋医学、西洋医学、インド医学の知識も深められたのではないでしょうか? 今回江口さんにお聞きしたのは、統合医療を実現したい理由や、江口さんが会社を経営するにあたって大切にしていること。その一語一句から、メディロムが掲げている未来のロードマップ——「『ヘルスケア総合商社』を目指す道のり」を垣間見ることができました。

アメリカでガンによる死亡者が20年間減り続けている事実と限られた少ない日本の医療の選択肢

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アメリカでは、ガン患者に西洋医学を含むさまざまな治療法が提示され、患者さんが自らの意思で選択できる仕組みになっています。この事実だけだと、治療の選択肢の幅が広くなっただけ……と捉えられがちですが、驚くなかれ。何と、アメリカのガンによる死亡者数は、この20年間、減り続けているのです。「この結果は、統合医療の有用性を示していると思います」。江口さんは真剣なまなざしで、そう話しました。
※参考:米国がん協会(ACS)『がん統計2018年版(Cancer Statistics 2018)』

「ガン以外の病気……アトピーを例に挙げてみましょう。アトピーに対する西洋医学のアプローチは、ステロイド外用薬の使用です。効果は劇的で、肌はたちまちきれいになりますが、一度使用を止めてしまうと状態が元に戻ってしまい、場合によっては使用前よりひどくなることもあるんですね。この例が意味するのは、『西洋医学は対処療法に特化している医学である』ということです。

一方、東洋医学では、『アトピーの原因をつくっている毒を身体から排毒させて、アトピーが発症しない健康な身体をつくる考え方』から治療をスタートさせます。この考え方は、西洋医学と決定的に異なる点ですね。治療に適した漢方薬を3年半ほど飲み続けて100%完治したケースもあるようです。

アメリカでガンによる死亡者数が減少している事実。アトピーの事例。これら2つの出来事を踏まえてですが、例えば、一時的に治したいのであれば西洋医学、長期的にじっくり治したいのであれば東洋医学というように、治療法を患者さんの意思で選べる世の中になったらいいですよね。2つを併用することで、もしかしたら、病気の早期発見・予防、健康維持などにもつながるかもしれませんし。私たちは、そこにとても大きな可能性を感じているんです。

しかし、日本では『混合診療の禁止』といって、法律で認められていません。違法なんです。不思議ですよね(笑)」

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現在の日本では、西洋医学による医療が、健康保険などの公的医療保険制度が適用される保険診療の対象です(医療費の自己負担額は3割〈現役世代の場合〉)。しかし、「代替医療」ともいわれる東洋医学やインド医学などの医療の大半は、保険診療ではなく、医療費を全額自己負担する保険外診療(自由診療)に該当するのです。この保険診療と保険外診療を掛け合わせた治療を「混合診療」と呼んでいるのですが、混合診療は、一部の例外を除き、医療保険制度で認められていないのが現状です。

「たまに『日本の医療は世界で最先端だ』といった声も聞こえていきますが、ちょっと待ってくれと。もし、それが事実だとしたら、日本の医療を求めに、世界各国から病気を抱えている人たちが訪れるはずなんですよ。けれども、そうじゃない。少なくとも、最先端ではないんです。

それなのに、日本の医療しか選べないのは、不平等ですよね。選択肢が『日本の医療』一択しかなくて亡くなる人も、たくさんいるのです。だから私は、混合治療を解禁すべきだと思っているし、そのための意識改革をしなければならないと考えています。日本人は、『医療の選択肢』という点で日本が極めてプアである事実を、もっと知る必要があるでしょう」

「Re.Ra.Ku」の登場で「選択肢」を増やしたかった

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医療の選択肢が少ない、日本。その課題に立ち向かうために立ち上げたのが、リラクゼーション分野に根を張った「Re.Ra.Ku」だったそうです。

「ヘルスケアの世界は広くて、非常に分散しているのですが、『Re.Ra.Ku』を立ち上げた当時、日本ではあまりリラクゼーションの産業が確立されていなかったんです。だからこそ、その先頭に立てばもしかするとグローバル展開もあり得るのかなと、思えました。リラクゼーションそのものに、宗教や人種、世代、イデオロギーなどを超越する普遍的な価値を感じたことも、大きかったです。あとはやはり、選択肢、ですよね。『Re.Ra.Ku』が直接的に医療に携わっているわけではありませんが、何かしら、健康につながるための選択肢は増やしたかったんです。

リラクゼーションのスタジオ運営を通して、健康に関するパーソナルデータを膨大に取得でき、ビッグデータ化できるのは大きな強みですね。事実、そのパーソナルデータの蓄積が統合治療の研究開発や予防医療のための健康管理アプリの開発、ヘルスケアの商品開発に生きていますし、『健康予防管理から医療分野まで一貫して提供できるヘルスケア総合商社』につながる大きな架け橋になると確信しています」

全従業員でつくったクレドから生まれた理念「魅力的な人材の輩出」と「for youの精神」のこと

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「メディロムがヘルスケア総合商社になるために、一番大切にしている思いは何ですか?」。そう尋ねると、江口さんは即答で「それはもう、理念でもある『魅力的な人材の輩出』ですよ」と答えてくれました。

「私の知人に、大阪のリッツ・カールトンで働いている人間がいたんです。彼は、リッツ・カールトンのクレドをつくったメンバーでした。そんな彼からある日『クレドがあるからこそ、自分たちは宗教や人種、性別などといった異なる背景をフラットにできたし、常に同じ方向を向いて高品質なサービスを提供できるんだ』という話を聞いて、すぐにメディロムのクレドをつくることを決めましたね」

知人の「社長の意見が入ってしまうとクレドじゃなくなるから」の助言もあり、あえて江口さん自身がメンバーから外れ、アルバイトも含めた従業員全員でつくったメディロムのクレドには、「魅力的な人材の輩出」の理念と14個の行動指針が記載されていました。

「行動指針は、『会社が掲げているだけ』では、ダメなんです。上から押し付けられた目標は、社員にとって外発的動機にすぎません。自分たちが主体的に考えた結果生まれた行動指針だからこそ、意識が変わり、行動が変わってきます。自分たちで自分たちなりに考え抜いて、その考えをまとめる時間をつくることがとても大事なんですよ。それが、内発的動機を促すんです」

最後に、聞いてみました。「江口さんが求める人材像を教えてください」。

「『for youの精神』を持つ人ですね。『魅力的な人材の輩出』とは、自分が魅力的な人を目指すと同時に、誰かを魅力的な人に成長させるということに、他なりません。それには『for you(利他的)』の精神が必要だと考えています。従業員が自ら率先して魅力的な人材になってくれるのであれば、会社は従業員を全力で守ります。それは、自分への約束でもあり、使命でもありますね」

「『for youの精神』を持って、毎日、クレドに触れ続けると、本当に人って変われるんですよ」。インタビュー後、そう笑顔で、自信たっぷりに語ってくれた、江口さん。メディロムが名実ともに「ヘルスケア総合商社」になる日は、そう遠くなさそうです。

>>株式会社メディロム_代表・江口康二(前編) 私が統合医療の確立を目指す理由——そもそも統合医療とは?

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