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ヘルスケア 2020-12-12

【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事 Vol.16】Re.Ra.Ku 山田温子さん流 セラピストの手技&技術

ヘルスケア業界のさまざまな職種にフォーカスし、その道で働くプロにお仕事の魅力や経験談を語っていただく『もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事』の企画。

これまで「Re.Ra.Ku 西武新宿ペペ店」でセラピストとして活躍する山田温子さんに、セラピストを目指したきっかけや、お仕事の魅力について伺ってきました。今回は、山田さんが施術を行うときに気をつけていること、施術の流れや手技についてご紹介します。

五感が研ぎ澄まされているからこそ、触れるときは丁寧に

―施術を行うとき、山田さんが気をつけていることは何ですか?

施術中は、フェイスタオルをおかけするので、お客様の視界が奪われていることが多いんですが、そのぶん五感が研ぎ澄まされるというか、目以外の聴覚や触覚が敏感になると思うんです。ですから、お話をするときには言葉遣いや声色、話し方に注意していますし、お身体に触れる際にはお声がけを徹底したり、タオル1枚かけるのも丁寧にするように意識しています。

雑に扱われていないかっていうのは、お客様が敏感に感じ取るところだと思うので、ひとつひとつのお声がけ、触り方、タオルの掛け方は、自分自身も神経を研ぎ澄まして対応するようにしていますね。

―施術前のカウンセリングも重要かと思うのですが、意識していることはありますか?

お客様の姿勢のクセは、横になる前のカウンセリングで必ずチェックします。また、お疲れの箇所の把握はもちろん、怪我の確認、触れて欲しくないところがあるかというのは、必ず事前に伺います。

あとは、少しでも安心感を持って施術を受けていただきたいので、緊張したまま横にならないように、対面の状態から少しでもリラックスしていただけるようにコミュニケーションを取ることを意識していますね。施術に入る前に、柔軟性のチェックのため3つほどポーズを取っていただくのですが、そこでできる限り会話をして、少しでも緊張が取れた言葉を引き出せるように、交流を図っています。

―おすすめのメニューについて、基本的な施術の流れを教えてください。

「疲労撃退」は、Re.Ra.Kuで一番人気のコースです。Re.Ra.Ku独自の「肩甲骨ストレッチ」を中心に、全身をほぐしていき、お身体のバランスを整えます。

また、「タイ古式ストレッチ」は、私も大好きなコースです。お客様とセラピストの2人で行うヨガと言われていて、疲労撃退よりゆったりとほぐしていくコースになります。

Re.Ra.Kuの施術の特徴はストレッチを行いながら身体全体をほぐしていくところ。ストレッチを行うことで、身体の柔軟性が高まり、疲れがたまりにくい身体に導けると言われています。タイ古式コースの時間は90~120分と長く、お客様が瞑想していただきやすいところもポイントです。

タイ古式の手技としては、セラピストが手のひらや肘、膝、足など身体全体を使って、人体に流れる『セン』というエネルギーラインを、象が歩くようなゆったりとしたリズムで刺激をしていくのが特徴です。お疲れの筋肉をリラックスさせていくことで血流が促され、自律神経のバランスが整いやすくなるため、人間が本来持っている免疫力や自然治癒力を高めていける効果が期待できます。

また、「Re.Ra.Ku」は肩甲骨を重視しているのが特徴で、「タイ古式ストレッチ」にも肩甲骨のストレッチを追加しています。

カウンセリング

※ふだんはマスクを着用して施術しています。

お身体の状態等をお伺いしたら、身体の柔軟性をチェック。両手を背中で合わせて肩甲骨の動き、前屈で骨盤の動き、両腕を上げて肩の動きを確認します。メジャーで測定したり、鏡で見ていただいて、現状をお客様と共有します。

施術

仰向けからスタート。足先から股関節に向かって、圧を加えます。手のひら全体に体重をかけて、ゆったりとしたリズムで行います。
お客様の柔軟性に合わせて、股関節をゆっくり大きく回してストレッチ。両脚ともにストレッチを行ったら、再度、圧を加えながら足先まで下りていきます。
うつ伏せになり、足先から腰まで押していきます。
腸腰筋のストレッチ。腰に膝を乗せ、逆側の脚を引いて、腸腰筋をのばします。反対側も同様に。お声がけしながら、無理のないよう負荷を調整します。
お客様のお尻に膝を乗せ、両腕を後ろに引いて上体を反らします。それにより、三角筋と大胸筋が伸びていきます。少し辛い体勢になるので、しっかり様子を見ながら行います。
肩甲骨をほぐしていきます。肩甲骨に手を添え、肩を持ってストレッチ。肩甲骨が柔軟に動くようにしていきます。
側位も同様に、足先からお尻、背中のストレッチを行い、肩周りへ。
仰向けで、首と頭部をほぐします。
仰向けから座位への移動も、お客様に動いていただくのではなく、セラピストがゆっくりと体重移動により誘導します。
座位では、腰周りと肩周りをほぐしていきます。体側を伸ばしながら、肩甲骨周りの筋肉をストレッチ。クロージング後、カウンセリング時と同じポーズをしていただき、変化を測定します。かなり変化が出たときは、お客様と一緒に大喜びします(笑)。
最後に、筋肉の硬さを再現したボードで、どのくらい変化があったか、次回どのくらいを目指したいかなど、詳しくお話させていただきます。

身体全体を使った「タイ古式ストレッチ」は、まさにお客様とセラピストさんが2人で行うヨガ! ゆったりとしたリズムによる揉みほぐしとストレッチが、とても気持ちよさそう。山田さんの明るく柔らかな声掛けも印象的でした。ぜひ、体感してみて欲しいです。

▽#1はこちら▽
【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事 Vol.16】Re.Ra.Ku 山田温子さんがセラピストを目指したきっかけ>>

取材・文/山本二季
撮影/片岡 祥

教えてくれたのは…

「Re.Ra.Ku西武新宿ペペ店」セラピスト 山田温子さん

専門学校卒業後、ウェディング業界にて3年勤め、2015年 株式会社メディロムに入社。セラピストとして技術・接遇を追求し、「リラクゼーションコンテストジャパン2019」でグランプリを獲得。お客様に寄り添った提案と施術で人気を集めている。

Studio Data

Re.Ra.Ku 西武新宿ペペ店
住所:東京都新宿区歌舞伎町1-30-1 西武新宿ペペ1F
TEL:03-6457-3305

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