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メディロム_江口康二
学び・キャリア 2019-07-29

株式会社メディロム 代表・江口康二(前編)私が統合医療の確立を目指す理由——そもそも統合医療とは?

「肩甲骨からしっかりと。」のキャッチコピーの由来でもある独自の「肩甲骨ストレッチ」を代名詞にしたリラクゼーションサロン、「Re.Ra.Ku」。都内に住んでいる方であれば、一度は緑を基調にした「Re.Ra.Ku」の文字を目にしたことがあるはずです。

「私たちのビジョンの一つに『健康管理で品質日本ナンバー1の店舗運営』がありますが、これは、『Re.Ra.Ku』をはじめとするリラクゼーションスタジオ運営※を通じて、実現できました。ただ、もっと大きな到達点——『健康予防管理から医療分野まで一貫して提供できるヘルスケア総合商社』には、まだ至っていません。また、それを実現するためには、『統合医療の確立』が必要です。良い意味で、メディロム=『Re.Ra.Ku』の会社ではないという解釈をつくらないといけません」
※Re.Ra.Ku以外にも、「Thai Stretch」「ELEMENTS stretch」「Terme Felice」のブランドを展開。

ブランド全体の年間来店者数は、200万人。リラクゼーション業界での地位を確固たるものにした株式会社メディロム・代表取締役の江口康二さんは現状に満足せず、「統合医療の確立」をキーワードに、次なるステージを見据えていました。

メディロム_江口康二

株式会社メディロム・代表取締役 江口康二(えぐち・こうじ)

1973年生まれ。東京都西東京市出身。東海大学を卒業後、自動車の買取・販売会社に入社。同社のインターネット事業部長に就任後、独自に開発したビジネスモデル特許「プライスダウンオークションシステム」で「日経優秀商品・サービス賞」を受賞する。同社退職後、2000年に株式会社リラク(現・株式会社メディロム)を設立。

 

 

統合医療とは複数の医学を組み合わせる療法

メディロム_江口康二

2012年3月。厚生労働省で「第1回『統合医療』のあり方に関する検討会」が開かれました。検討会は2013年2月8日までに5回開催され、話し合われた内容は、「『統合医療』のあり方に関する検討会 これまでの議論の整理について」にまとめられていますが、その中で、「『統合医療』は、近代西洋医学と相捕・代替療法や伝統医学等とを組み合わせて行う療法であり、多種多様なものが存在する」といった、統合医療について言及されている一文があります。しかし、これで「統合医療が何かわかった」と思える人は、皆無に近いかもしれません。

一般社団法人日本統合医療学会(IMJ)のサイトにある一般の方向けのページには、次の内容が掲載されています。

「統合医療」とは、近代西洋医学を中心として伝統医学や相補・代替医療を適宜合わせて行う医療のことをいいます。
出典:一般社団法人日本統合医療学会(IMJ)
「国(厚生労働省)が話題にしているものの、『統合医療』と聞いたところで、内容を知らない、もしくは理解できない人がほとんどだと思います。最近は、『ホリスティック医学』ともいわれていますね。

『統合医療』は人や機関によってさまざまな見解が発信されていますが、私の見解でお伝えすると……世界には大きく分けて『東洋医学』、『西洋医学』、『インド医学』、3つの医学があります。『統合医療』とは、これら3つを必要に応じて上手に組み合わせ活用していく療法なのですが、現在の日本ではさまざまな理由で、法律で禁止=解禁されていないんですね」

「根治治療」の東洋医学。「対処療法」の西洋医学

メディロム_江口康二
中国で生まれ、約2000年の歴史を持つ東洋医学は、薬物療法の「漢方医学」、はり・きゅうを用いる物理療法の「鍼灸医学」の2つから成り立っています。江戸時代、東洋医学は「漢方」と呼ばれ、日本独自の医療「和方」とともに明治維新までは医療の主流だったものの、明治時代に入ると西洋医学が台頭するようになりました。

「ヒポクラテス医学」ともいわれる西洋医学が日本に到来したのは、江戸時代の中期。その代表的なエピソードは、歴史の授業でたびたび登場する日本で初めての西洋医学書『解体新書』の発行でしょう。現在の日本をはじめ、先進国の医療の大半は「対処療法」(症状を取り除く)の西洋医学です。

「日本人は東洋医学になじみが深かったんですが、明治維新のとき、ドイツから裁縫や発電機などの当時の先進技術として一緒に入ってきたのが西洋医学です。そのとき、日本は主流医学を西洋医学にシフトしちゃったんですよね。カルテにドイツ語を書かれる先生がいらっしゃいますが、それはそのときの名残りなんですよ。

東洋医学は、簡単にいうと『内科が得意な医学のこと』です。漢方やはり・きゅうで身体そのものを治していく——いわゆる『根治治療』を目指すのが得意なんですね。

西洋医学について話すと……1096~1270年までの約200年の間に7回、『十字軍の遠征』という出来事がありました。そのとき、『錬金術師』と呼ばれる人たちがいたのですが、彼らは傷口を縫合する技術を持っていたんです。『金』の字が含まれているので、『金だけを作る人』と捉えている人が多いのですが、例えば薬剤師のルーツをたどると錬金術師に行きつくんですよ。

十字軍が戦えば、負傷者が出る。負傷者が増え続けると、戦えなくなる。そのサイクルを避けるために、野戦病院のような基地を設け、錬金術師たちが戦士たちを治療して、再度戦地に送り出していました。その治療を担当していた錬金術師たちの基の医術をヒポクラテスが広めたことから『ヒポクラテス医学(西洋医学)』の由来になっているんですね」

インド医学でわかる、五月病の原因

メディロム_江口康二

「インド大陸の伝統的医学で『アーユルヴェーダ』ともいわれるインド医学は、とっても面白いですよ。『生命の学問』と呼ぶ人もいますが、一言でいうならば、『スピリチュアル医学』。インド医学ではよく『太陽と月と星と私たち』という、非常に大局的な見方をする医学の考え方です。

天気が悪かったり気圧が下がったりすると、頭が痛くなる人がいます。そういった症状は近年、『気象病』といわれていますが、なぜ気象病が起きるのでしょうか?
日本を例に挙げると、5月までは、冬型の西高東低の気圧配置の影響でシベリアから乾燥している薄い大気が流れ込んでくるんですよ。これが夏が近づくにつれ、気圧配置、そして大気の流れが大きく変化していきます。そうすると、何が起きるか。頭蓋骨の厚さは、人によって異なります。薄い人、厚い人、さまざまです。薄い人ほど、その大気の変化の影響を受けて、結果的に身体的・心理的な不調が発生しやすくなるんですね。だから、『五月病』は気象病ともいえるんです。

インド医学では、地球の自転(1日に地球自身が回る)と公転(1年をかけて地球が太陽の周りを回る)の影響によっても、流れ込む大気の種類は変わるといわれています。また、満潮(大潮)は月の引力によって引き起こされるものですが、『海に変化を起こしているくらいだから、月のパワーは人間の身体に影響を及ぼしているはず』と考えるのが、インド医学です。だから、インド医学は『太陽と月と星と私たち』なんですよね。

インドでは、病院に行くと、先生が症状のこと以外に、生まれた月日、月周り、星周りを見ていきます。その結果で処方を提示します。ヨガや呼吸法なども施術の一種なのです。

とっても長い話になってしまいましたが(笑)、『東洋医学』、『西洋医学』、『インド医学』、どれか一つに固執するのではなく、症状などを見ながら、それぞれの特徴を上手に組み合わせて統合していく療法が、私たちが実現しようとしている、統合医療なのです」

江口さんのわかりやすい解説で統合医療の理解が深まった、前編。続く後編では、なぜ、メディロムが統合医療を実現する社会を目指そうとしているのか? その理由と、実現を支えるクレドと理念の存在を掘り下げていきます。

>>株式会社メディロム_代表・江口康二(後編) クレドを片手に魅力的な人材を輩出しながら目指す「ヘルスケア総合商社」への道

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