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特集・コラム 2020-05-17

機能訓練指導員になるための学校はあるの? 資格試験はある? 機能訓練指導員を目指すために必要な資格とは

「機能訓練指導員」という仕事があることをご存知でしょうか。介護福祉施設と縁のあった方なら、その名称を聞いたことがあるかもしれません。しかし、機能訓練指導員について詳しいことまでは知らないという方も多いのではないでしょうか。今回はどのような人が機能訓練指導員になれるのか、どうやったら機能訓練指導員になることができるのかをご紹介します。

機能訓練指導員になるための学校はナシ!

介護福祉施設などでリハビリを担当する「機能訓練指導員」になるためには、どうしたらよいのでしょうか。実は、機能訓練指導員になるための専門的な学校はなく、「機能訓練指導員」という資格もありません。

「機能訓練指導員」になるための資格試験もナシ

機能訓練指導員は、介護福祉施設などで機能訓練、すなわちリハビリを担当し、利用者それぞれに適切な機能訓練計画を作成、実施する仕事を担当する人を指す職種名です。機能訓練指導員はその職務にあたるために、最低限の知識と技術を持つ医療系国家資格を持つ人を充てることが定められているため、資格試験は必要ありません。

ただし、最低限の知識と技術では、納得のいくリハビリができないことも多いです。そのため、各資格の公益社団法人や自治体などで、機能訓練指導員など自立支援に関わる職種の資質の向上を目的とした講習会・研修会が開催されています。また、スキルアップのための通信講座などもおこなわれているのです。このような研修会や通信講座などを利用したり、他施設の同職種の人との情報交換を行ったりすることで、よりよい支援が可能となります。

機能訓練指導員になるために必要な資格を紹介! 資格を活かした仕事内容とは

機能訓練員として働くためには、必要とされている資格を取得しなければなりません。機能訓練員はベースとなる資格を生かしたリハビリをおこなうことが可能です。それぞれの資格別に取得方法と特徴を解説します。

自分に合った資格を選んで専門的に学ぼう

機能訓練指導員になるには、まずは入試を経て大学や専門学校に入り、医療関連の専門的な勉強をして必要な資格を取得しなければなりません。ご紹介する7種の医療系国家資格にはそれぞれ特徴があり、身体へのアプローチの方向性がそれぞれ異なります。また、機能訓練指導員として働く以外にも、さまざまな方面で活躍すること可能です。自分に合った資格を選んで挑戦してみましょう。

1. 看護師・准看護師

看護師や准看護師の資格は、「保健師助産師看護師法」により定められています。看護師は3年以上の看護に関する過程を修め、試験に合格すると厚生労働大臣から免許が発行されるのに対し、准看護師は2年間の看護に関する過程を修めて試験を受ける都道府県知事の免許が発行される資格です。

いずれも病院実習が必須となっているため、通信教育などで取得することはできません。看護師がデイサービスなどの通所介護施設において機能訓練指導員として働く場合、介護福祉施設の衛生管理や利用者の健康管理をおこなうという看護師業務を兼ねる場合もあります。

2. 理学療法士

理学療法士の資格は「理学療法士及び作業療法士法」により定められている資格です。決められた学校や養成施設で、理学療法に関して3年以上の過程を修め、試験に合格すると厚生労働大臣からの免許が発行されます。

理学療法士は身体機能のリハビリ全般に関する専門職のため、介護福祉施設で機能訓練指導員として働くだけでなく、病院でのリハビリでも中心的な存在になる職種です。

3. 作業療法士

作業療法士の資格は「理学療法士及び作業療法士法」により定められている資格です。決められた学校や養成施設で、リハビリや作業療法に関して3年以上の過程を修め、試験に合格することで厚生労働大臣からの免許が発行されます。

作業療法士は生活動作の工夫でできることを増やし、創作活動などで生活の幅を広げるリハビリが得意な専門職です。介護福祉施設で機能訓練指導員として働くだけでなく、病院や在宅医療でもリハビリの中心的存在にもなります。

4. 言語聴覚士

言語聴覚士は「言語聴覚士法」で定められた資格で、「診療の補助として、医師又は歯科医師の指示の下に、 嚥えん 下訓練、人工内耳の調整その他厚生労働省令で定める行為を行うこと」ができるとされています。

口や耳の機能やそのリハビリに関する3年以上の過程を修め、試験に合格すると厚生労働大臣からの免許が発行されるのです。言語聴覚士は聞こえや話す機能、飲み込む機能の専門職であると同時に、コミュニケーションのリハビリもおこないます。とくに介護福祉施設では、嚥下機能に関するリハビリが期待されているのが特徴です。

5. 柔道整復師

柔道整復師は「柔道整復師法」で定められている、骨折や捻挫や打撲などのケガに対して整復や固定などの手技「柔道整復」をおこなえる資格です。「柔道整復師養成施設において3年以上、解剖学、生理学、病理学、衛生学そのほか柔道整復師となるのに必要な知識及び技能を修得」し、試験に合格すると厚生労働大臣からの免許が発行されます。

道整復師は、薬や観血的な手技を使わず回復をうながす職種であり、利用者のケガの整復についての理解が深いため、ケガの後遺症からのリハビリなどが期待されているのです。

6. あん摩マッサージ指圧師

あん摩マッサージ指圧師は、「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」に定められた、「医師以外の者で、あん摩、マッサージ若しくは指圧」をする際に必要な免許です。指定の養成施設において3年以上「解剖学、生理学、病理学、衛生学その他あん摩マッサージ指圧師となるのに必要な知識及び技能を修得」します。

そして、試験に合格すると厚生労働大臣からの免許が発行される流れです。あん摩マッサージ指圧師はそれぞれ、利用者の不具合について感じ方への理解があるため、より受け入れやすく指導できる場合もあります。

7. 鍼灸師

鍼灸師の資格は、「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」に定められた、鍼灸を施術する際に必要な免許です。指定の養成施設において3年以上、解剖学、生理学、病理学、衛生学そのほか鍼灸師となるのに必要な知識及び技能を修得し、試験に合格すると厚生労働大臣からの免許が発行されます。解剖学、生理学、病理学、衛生学はもちろん、はり師となるのに必要な知識及び技能を修得し、試験に合格すると厚生労働大臣からの免許が発行されるのです。

鍼灸師は2018年に機能訓練指導員として働ける資格として加えられました。鍼灸師は資格以外に、鍼灸師以外の機能訓練指導員がいる施設で、半年以上の実務経験があることが条件とされています。

機能訓練指導員は医療に関わるお仕事|介護福祉系資格ではなれないので注意!

機能訓練指導員になるためには、これらの医療系の国家資格が保持している必要があります。介護福祉士や社会福祉士などの介護福祉系の資格では、機能訓練指導員になることはできません。仮に同程度の内容の支援をおこなったとしても、介護報酬の加算を算定することができませんので注意しましょう。

機能訓練指導員はデイサービスや施設で利用者の生活を支援するお仕事!

介護福祉施設などで働く「機能訓練指導員」は、医療系の国家資格のベースを持った、リハビリを専門におこなう職種です。利用者さんの状態のアセスメントをおこない、それぞれのベースの資格が得意とする視点から、利用者さんの機能訓練の計画を作成、実施します。

また、再度アセスメントして計画を作り直すことをくりかえしながら、日常生活のなかでできることを増やしていくサポートをしていくのです。利用者さんやご家族、介護現場のスタッフと協力しながら、利用者さんがより自分らしいと感じて満足できる暮らしを目指すやりがいもあります。そのためには、まずは必要な資格を取得するのがおすすめです。

出典元:
日本看護協会
日本理学療法士協会
日本作業療法士協会
全国柔道整復学校協会
日本鍼灸師会

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