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学び・キャリア 2020-01-25

激戦区御茶ノ水で生き残るために『アイム鍼灸院』横山奨さんが選択したある1つの差別化(前編)

鍼灸治療やヘアトラブル鍼灸、不妊鍼灸など、多彩な治療メニューを展開する『アイム鍼灸院』。マッサージを提供する『アイムプラス』、ヨガスタジオ『アイムYOGA』も運営しており、幅広い視点から健康と美を追究しています。

大きな特徴は、併設する漢方内科『証クリニック』との提携。医療機関とタッグを組むことで得た実績を『アイム鍼灸院』と鍼灸業界のために生かす横山総院長の展望とは?

今回お話を伺ったのは……

アイム鍼灸院・総院長 横山奨さん

小学校から大学まで16年間、スピードスケートの競技者として活躍。運動神経障害を患った経験から鍼灸師を目指す。あん摩マッサージ指圧師、スポーツトレーナーの資格も保有。所属団体は、(一社)日本東洋医学会、(公社)全日本鍼灸学会、(公社)日本鍼灸師会、日本東方医学会、日本伝統鍼灸学会学術部員など。『管鍼法の有無における刺鍼術の使用状況-主に日本の伝統的な鍼灸において』など、国内外の学会での発表実績も多数。

アイム鍼灸院の一番の特徴は、クリニックと連携し質の高い東洋医学で治療をしていることです

—周辺は治療院の激戦区といわれていますが、その中で勝ち抜く戦略や他院との差別化について教えてください。

確かに、リラクゼーション店も含め、鍼灸院や整骨院などの治療院がこの辺はすごく多いですね。元々、お茶の水は大学病院や個人病院などの病院が多いエリアで、日本で初めての医療村として知られています。だから、いいドクターが集まるという特徴もあります。その中で、当院の一番の特徴といえるのが、クリニックと連携して質の高い東洋医学での治療を行っていることです。激戦区といえども、このスタイルを持っているのはまだまだ少ない。だからこそ、他院との差別化になっていると思っています。

—クリニックとタッグを組むというアイデアはどこから生まれたんでしょうか。

僕は小学校から大学までの16年間、競技者としてスピードスケートをしていたのですが、運動神経障害を患ったことで鍼灸師になる決心をしました。その経験から、鍼灸師だけではなく、西洋の医療と連携して治療にあたることを思い描いていたのです。当院は妻の美樹と一緒に経営をしているのですが、妻は学生時代に医療法人の事務をやっていました。医療法人の理事長とタッグを組み、今のようなクリニックと連携するという仕組みが出来上がっています。僕からすると、理想的な人と出会い、それが事業につながっているのです。

『昔の町医者』のようなスタイルが患者さんから評価されているのかもしれません

—いろいろな症状の方がお見えになると思いますが、得意としている症状はありますか?

もちろん、肩凝りや腰痛といった症状の方も来ますが、めまいや耳鳴り、円形脱毛症、また眠りが浅いとか、眠りにくいとか、不眠症とまではいかないけど眠りの質が悪いとか、比較的そういう症状を持っている方が多い印象です。いわゆる、病院の薬で一時的に症状は抑えられるけれど、治りにくいといわれているような症状ですね。

近隣には出版社もたくさんあるので、患者さんの中にも出版社勤めの方が多くいらっしゃいます。座り仕事で肩が凝るとか、腰が痛いという方も多くいらっしゃるんですが、めまいや耳鳴りといった症状に長年悩んでいる方も多く、懇意にしていただいていますね。普段は症状が出ないけど、仕事が忙しかったり、ストレスが溜まったりすると症状を繰り返してしまいますが、そういうときにも症状が出ないような治療をさせていただいています。

—そうしたときに患者さんは貴院を選んでくるかと思いますが、その理由をご自身でどう捉えていますか?

症状を一気に抑える西洋のお薬とは違って、鍼灸はある程度続けることで治療効果が出てくるものです。つまり、治療を継続して徐々に体を整えることで、症状が出ないようにしていきます。ただ針や灸をすればいいのではなく、生活習慣の改善もしないと、望むような結果にはつながりません。そういうアドバイスを交えて治療をしていくのが、僕の……当院のモットーなんです。

もちろん「継続することが改善につながる」ということをちゃんと患者さんに伝えますし、継続してもらうために話す内容や接し方なども工夫しています。かといって、「すぐに治りますよ」なんて希望を持たせすぎても希望を持たせないのも駄目です。「この期間でどの程度まで改善できる」ということも理解してもらい、病院のほうがいい場合は病院へ行ってもらうこともあります。そのさじ加減をすごく意識して接していますね。昔の町医者みたいですけど、そういう接し方も評価されているのでは、と思っています。

病院経営が厳しい時代だからこそ、鍼灸院との連携は医療機関にとって付加価値になります

—先ほど、クリニックとのタッグを組んでいるというお話をしていただきましたが、こうした仕組みは他院でも増える傾向にあるのでしょうか?

実感としては増えていると感じています。特に、美容系の診療科に多くなっていますね。形成外科や美容外科が美容鍼灸系の治療院を取り込んだり、連携したりというようなことです。ただし、お互いの関係性をうまく保てないために中途半端な状態になっているところも見受けられます。ですから、ある一定のところまでは増えるけれど、レッドオーシャンといわれるくらいまで激戦になるとはまだ感じていません。

ただ、鍼灸は世界保健機関(WHO)で認められた治療法で、日本国内で健康保険が適用になる6つの傷病以外にも、さまざまな症状や疾患に効果的といわれています。しかしながら、論文などの研究発表が比較的少ないこともあって、まだまだ医療機関から認められにくいという背景もあるんですね。

ですから、鍼灸の研究が進んで効果が実証されるようになると、「連携したい」という医療機関はさらに増えてくると思っています。病院経営も厳しい時代になっていますので、鍼灸院との連携が医療機関にとっての付加価値にもなり得るということです。そうしたときに、当院の実績は大きなアドバンテージになるとも思っています。

『アイム鍼灸院』横山総院長が教えてくれた鍼灸院が激戦区を生き抜く、3つの心掛け

1.院独自のウリを見つけ、それを付加価値として提供する

2.医療機関との連携も視野に入れる

3.「継続することが改善につながる」ことを、患者さんにしっかりと伝える

医療機関と鍼灸院の連携という独自の経営スタイルで他院との差別化を図り、さらにその先も見据える横山総院長。後編では鍼灸師のキャリア形成や未来図、これから鍼灸師を目指す方へのアドバイスなどについて、お話しいただきます。

Salon Data

アイム鍼灸院

住所:東京都千代田区神田小川町3-8 中北ビル2階
TEL:03-6273-7689
URL:https://www.salon-im.com/

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