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特集・コラム 2020-07-09

介護タクシーとは? ドライバーの仕事内容を紹介! ドライバーにはどうすればなれるの?

障害を持つ人や自力で日常生活を送るのが困難な高齢者などは、身障者施設や老人ホームといった介護施設以外でも、介護サービスを必要とする場面があります。とくにこれらの問題を抱えている人は日常生活における移動も自力でおこなうことがままならないケースが多く、そのサポートを目的とした介護サービスには多くの需要があるといえるでしょう。

介護タクシーは、このような自力で移動することが困難な人の生活を支えるためのサービスです。高齢化が進む昨今では、デイサービスなどと同様に需要が高まっています。今回はこの介護タクシー・サービスの詳細と、そのドライバーになるための方法などについて解説します。

介護タクシーとは? ドライバーの仕事内容を紹介!

一般的なタクシーはおもに街を周回しており、基本的にはだれもが利用することのできるサービスです。それに対して介護タクシーは、その名のとおり介護に特化したサービスを提供しているタクシーであることから、一般的なタクシーとは大きな違いがあります。

しかし、介護タクシーは一体どのようなサービスを提供しているのでしょうか。また、そのドライバーがどのような仕事をしているのかを解説します。

ひとりで公共交通を利用できない高齢者や身障者の方の送迎をおこなうサービス

障害を持つ人や高齢者など自力での移動が困難な人が日常生活において移動をする場合、他者による支援が必要となります。タクシーや電車、バスなどの公共交通機関は誰もが利用できるようになっていますが、障害を持つ人や高齢者などの場合、自力でそれらを利用して移動するのが難しいということも珍しくありません。

介護タクシーとは、このような自力での移動が困難な人の送迎をおこなうサービスのことです。そのドライバーはあくまでも運転業務だけをおこなう人であり、資格保有者しかおこなえない介護サービスを提供する必要はありません。

どんな場面で利用されるの?|病院への送迎など

介護タクシーを利用する人は病院や身障者施設、老人ホームなどを日常的に利用していることが多くあるでしょう。しかしながら、公共交通機関を利用した移動が困難な人の場合、これらの施設へ行くこともままならない可能性があります。

介護タクシーは、このような自力での移動が困難な人が施設へ行く際に利用されるケースが多いです。また、その人自身が行かなければならない買いものや選挙での投票などでも介護タクシーは利用されています。

介護保険タクシーとはどこが違うの?

介護タクシーと介護保険タクシーには、ドライバーが取得しなければならない資格の種類に明確な違いがあります。介護タクシーのドライバーは普通自動車第二種免許さえ所持していれば問題ありませんが、介護保険タクシーに関しては自動車免許に加え、介護職員初任者研修を受けていることも必須です。

このことからもわかるとおり、介護タクシーのドライバーの仕事には介護サービスが含まれず、基本的に運転のみが主要な業務となります。一方で介護保険タクシーのドライバーはお客様が乗降をする際の介助や、目的地である施設でつき添いサービスなども提供しなければなりません。

福祉タクシーとの違いはある?

介護タクシーは福祉タクシーにも似ています。福祉タクシーのドライバーは介護職員初任者研修を受けていなくても仕事に従事することができるため、この点において介護タクシーとはまったく同じ条件であるといえるでしょう。

しかしながら、福祉タクシーはあくまでも身障者だけが利用できるタクシーであり、身障者だけでなく高齢者も利用できる介護タクシーとは明確な違いがあります。また、福祉タクシーに関しては利用料金の一部を市町村が負担する制度が定められていることも多いため、障害を持つ人にとってはより利用しやすいサービスでしょう。

介護タクシーのドライバーにはどうすればなれるの?

介護タクシーへの需要は、急激に進む少子高齢化などの社会的要因によって、さらに高まることが予想されます。そのため、安定した収入をえたいという方は介護タクシー・ドライバーになることも選択肢のひとつとして考えてみるとよいでしょう。

続いては、そんな介護タクシーのドライバーになるために必要な資格や、求人情報の傾向、将来のキャリアプランについて解説します。

どんな資格が必要なの?

介護タクシーのドライバーとして働くうえでは、必要な資格を取得しなければなりません。そのため、介護タクシー・ドライバー志望の方は、まずは必要な資格を確認し、保有していない場合はそれらを取得することからはじめてみるのがおすすめです。

普通自動車第二種免許

介護タクシー・ドライバーとして働くうえで必ず取得していなければならない資格が「普通自動車第二種免許」です。介護タクシー・ドライバーとしてサービスを提供するためには当然、車の運転ができなければならないため、この資格を取得していることは介護タクシー・ドライバーになるための基本中の基本といえるでしょう。

普通自動車第二種免許は一般的な普通自動車免許とは異なり、車を運転することで収入をえる際に必要となる免許です。一般的な普通自動車免許だけで介護タクシーを運転することはできないため、すでに運転免許を取得している方も必ずその種類を確認しておくようにしましょう。

介護職員初任者研修

介護タクシーのドライバーは、上述したとおり車の運転だけをおこなう職種です。お客様の体に触れる介護サービスは資格取得者しかおこなえず、介護タクシーのドライバーが介護サービスを提供してしまうと違法となってしまうため注意しなければなりません。

もしも、お客様が乗車をする際などに手助けをする場合、介護職員初任者研修を受ける必要があります。この研修への参加は、介護タクシーのドライバーになるうえで必須となるものではありませんが、業務中に介護サービスを提供する可能性がある場合は、念のため参加しておくとよいでしょう。

資格を取得したら|求人情報をチェックしてみよう

必要な資格を取得し、介護タクシーのドライバーとして働くための条件を満たしたら、実際に出されている求人情報を探してみましょう。

介護タクシー・ドライバーの求人はタクシー会社ではなく、老人ホームや身障者施設、デイサービスなどの社会福祉関係の施設が出していることが多く、これらを中心に探すのがおすすめです。

最近では介護タクシー専門のタクシー会社も徐々に増えてきているため、就職先を探す際には、それらも候補に入れて考えてみるとよいでしょう。

開業して介護タクシー会社経営もできる!

介護タクシーのドライバーとして働きたいという方のなかには、ずっと同じ業務をこなすのではなく、キャリアアップをしていきたいという方も多いはずです。

介護タクシー・ドライバーのキャリアアップとしては、開業をして介護タクシー会社を経営するというものが一例として挙げられます。開業をするためには法令試験への合格などのハードルを越えなければなりませんが、つねに目標をもって働き続けられるという点ではメリットがあるといえるでしょう。

介護タクシーは高齢者や身障者の移動を支えるサービスのひとつ

介護タクシー・ドライバーには、高齢者や身障者の移動をサポートし、日常生活を支えるという重要な役割があります。しかしながら、その業務においては介護職員初任者研修に参加していない限り、運転だけをおこなえばよいことから、介護サービスが含まれる介護保険タクシーのドライバーと比較して負担は少なく、従事しやすい職種でしょう。

介護タクシー・ドライバーの仕事は開業をして会社経営をするといった目標設定もしやすく、つねにやりがいを感じられる仕事であるともいえます。そのうえ、高齢化が進めばさらに需要は増すことが予想されるため、人の役にたち、やりがいを感じられる仕事に就きたいという方は、介護タクシー・ドライバーを目指してみてはいかがでしょうか。

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