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特集・コラム 2023-06-29

福祉用具専門相談員とは?業務内容や資格取得ルート、3つのやりがいについて解説

福祉用具専門相談員という職業を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?福祉用具専門相談員とは、介護・福祉用具に関するアドバイスをする職業です。

しかし、より具体的な仕事内容や資格取得の流れについて知りたい方もいるでしょう。

この記事では、福祉用具専門相談員の仕事内容や資格取得ルート、働くやりがい、関連資格について紹介しますので、福祉用具専門相談員として働くビジョンをイメージしてみましょう。

福祉用具専門相談員とはどんな仕事?

福祉用具専門相談員とは、福祉・介護用具についてアドバイスし、使い方についてレクチャーする職業です。国家資格ではなく、公的資格となっており、福祉用具貸与・販売事業所につき2名以上の福祉用具専門相談員の配置が義務づけられています。

近年では福祉用具を扱う事業所だけでなく、老人ホームなど、幅広い職場で雇用されるケースも広がっています。

福祉用具専門相談員の業務内容

福祉用具専門相談員の業務内容は、下記の4つの業務から構成されています。

・選定相談:利用者の心身状態をチェックし、適切な福祉用具を選定する
・計画作成:相談内容に基づき、福祉用具の利用計画を立てる
・適合・取扱説明:利用者に合わせて福祉器具を調整し、取扱方法を説明する
・モニタリング:利用者宅に訪問し、福祉用具の点検・使用状況を確認する

引用元:一般社団法人 全国福祉用具専門相談員協会:よくある質問

利用者やその他のスタッフと相談しながら福祉・介護器具を選定し、利用計画を策定、モニタリングして、必要であれば福祉用具を調整していく流れです。福祉用具を活用して、要介護者のリハビリや日常生活をサポートしていきましょう。

福祉用具専門相談員の資格取得ルート

福祉用具専門相談員の資格取得を目指すなら、指定された講習やカリキュラム、筆記試験を受ける必要があります。

50時間の指定講習を受ける

福祉用具専門相談員の資格を取得するには、まずは各都道府県知事の認可を受けた福祉用具専門相談員指定講習の、合計50時間に及ぶカリキュラムを受講します。カリキュラムの最後には筆記試験を受けがおこなわれます。

のべ1週間に及ぶカリキュラムを受講する

福祉用具専門相談員指定講習は、認可を受けた施設によって若干異なりますが、約1週間ほどのカリキュラムになっています。具体的には、以下のような内容を学びます。

・福祉用具と福祉用具専門相談員の役割(2時間)
・介護保険制度等に関する基礎知識(4時間)
・高齢者と介護・医療に関する基礎知識(16時間)
・個別の福祉用具に関する知識・技術(16時間)
・福祉用具に係るサービスの仕組みと利用の支援に関する知識(7時間)
・福祉用具の利用の支援に関する総合演習(5時間)

引用元:一般社団法人 全国福祉用具専門相談員:福祉用具専門相談員指定講習における目的、到達目標及び内容の指針

修了評価(筆記試験)の合格率はほぼ100%

カリキュラム修了後に受ける筆記試験ですが、合格率に関する公式の発表はないながらも、専門学校を卒業した方であればほぼ100%の合格率だといわれています。

この筆記試験は修了評価と呼ばれ、合格者を選別する試験というよりも、カリキュラムの理解度を測る性質のもので、合格率が高くなっているようです。

取得費用は3万〜6万円

福祉用具専門相談員指定講習の受講費用は、約3万〜6万円と幅があります。受講する予定のカリキュラムを確認して、受講費用がどれくらいかかるのかチェックしましょう。

福祉用具専門相談員として働く3つのやりがい

福祉用具専門相談員として働くやりがいは、感謝の言葉を直接もらえる点や、利用者の悩みや不安を解消できるような、達成感のある業務に携われる点です。

それぞれのやりがいについて知って、福祉用具専門相談員として働くべきかどうかの判断材料にしてみましょう。

1.働いていく中で感謝の言葉をもらえる

福祉用具専門相談員は、要介護者の状態を毎日チェックしながら、必要な福祉用具の選定や調整をおこない、介護の負担を減らします。介護の負担が減ることで、要介護者の家族から感謝されたり、リハビリをおこなう要介護者から感謝の言葉をもらったりします。

2.自分の提案が家族や利用者の負担軽減につながる

自分が提案した福祉用具やケアプランによって、要介護者の生活における負担を軽くできるので、責任感が伴う、やりがいのある仕事だといえるでしょう。

3.利用者の日々の生活における不安を解消できる

福祉用具専門相談員は、要介護者に寄り添って、マンツーマンのサポートをします。要介護者のリハビリがうまくいかない時でも、福祉用具専門相談員が不安や悩みに寄り添うことで、要介護者が安心した姿を見ることができ、やりがいを感じるでしょう。

福祉用具専門相談員に関連するその他の資格

福祉用具専門相談員に類する資格もいくつかあります。ここでは、関連資格を確認して、福祉用具専門相談員の資格取得後のキャリアアップについても検討してみましょう。

1.福祉用具プランナー

福祉用具プランナーは、福祉用具を必要とする高齢者や障がい者に対して、福祉用具の選定や援助、使用計画の作成、モニタリングをおこないます。福祉用具専門相談員の業務内容とほぼ同じですが、福祉用具に関する知識やノウハウの強化を目的に創設されました。

引用元:公益財団法人 テクノエイド協会:福祉用具プランナーとは

2.福祉用具選定士

福祉用具選定士は、福祉用具支援相談員の資格の質を向上し、利用者・介護支援専門員に対して、最適な福祉用具の選定、情報提供をすることを目的に創設されました。

引用元:一般社団法人 日本福祉用具供給協会:福祉用具選定士

3.福祉住環境コーディネーター

福祉住環境コーディネーターとは、高齢者・障がい者に対して住みやすい環境を提案する仕事です。医療・福祉・建築の観点から、利用者にとって最適な形に住宅を改修するプランを提案します。

引用元:東京商工会議所:福祉住環境コーディネーター検定試験®とは

ルートをおさえて福祉用具専門相談員の資格取得を目指そう!

福祉用具専門相談員は、高齢者や障がい者などの要介護者に対して、適切な福祉用具を選定し、モニタリングによってその都度ベストな形に調整していく仕事です。

50時間のカリキュラムを受講して修了評価に合格すれば取得できる資格で、要介護者に寄り添った支援をするなかで、感謝の言葉をもらえ、達成感も大きい仕事です。

資格取得までの流れをおさえて、福祉用具専門相談員を目指しましょう。

引用元
一般社団法人 全国福祉用具専門相談員協会:よくある質問
一般社団法人 全国福祉用具専門相談員:福祉用具専門相談員指定講習における目的、到達目標及び内容の指針
公益財団法人 テクノエイド協会:福祉用具プランナーとは
一般社団法人 日本福祉用具供給協会:福祉用具選定士
東京商工会議所:福祉住環境コーディネーター検定試験®とは

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