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特集・コラム 2023-01-06

児童指導員になるには資格が必要? 児童指導員を目指せる5つのルート|児童指導員のやりがいも紹介

児童指導員は、児童養護施設で支援を必要とする子どもたちをサポートをする仕事です。しかし、具体的にどのような業務で、児童指導員になるためには何の資格が必要になるのか、知りたいという方も多いでしょう。

本記事では、児童指導員の仕事内容や資格取得までのルート、働ける職場、やりがい・魅力について解説します。

児童指導員の業務内容や働ける職場、仕事の魅力について知って、自分自身の就職・転職に活かしてみましょう。

児童指導員とは?


児童指導員とは、育児放棄の保護者から子どもを預かったり、障害のある子どもの放課後支援をしたりと、児童養護施設で子どもたちをサポートする仕事です。

育児放棄された子どもに対しては、両親に代わって日常生活における養育を行い、発達障害をもった子どもに対しては、協調性や社会性を獲得するための療育など行います。

子どもたちが置かれた状況によって支援の内容は変化します。子どもたちに合ったサポートを提供し、心身の成長を見守るのが児童指導員の仕事です。

児童指導員になるには資格が必要!


児童指導員になるためには、指導員の任用資格を保有していなければなりません。しかし、その一方で、実は「児童指導員」という資格はなく、ある条件を満たすことでようやく児童指導員として働くことが認められるものなのです。
ここでは、指導員の任用資格を取得する方法と資格が活かせる職場について確認しておきましょう。
児童指導員についてはこちら:児童指導員とは? 仕事内容と活躍の場を紹介|児童指導員を目指すにはどうすればいいの?

児童指導員は任用資格|国家資格とはどこが違うの?

児童指導員になるために必要な任用資格ですが、この資格は国家資格とは違い、特別な試験などが用意されているわけではないようです
一定の条件を満たして、児童指導員として働くことができると認定された場合に取得できます。ただし任用資格は、資格を活かせる職場で勤務しなければ効果を発揮しません。

任用資格を取得するには? 児童指導員を目指せる5つのルートを紹介!


任用資格を取得するための5つのルートを、それぞれくわしくご紹介します。ご自身に合ったルートを見つけて、効率よく児童指導員の任用資格を取得しましょう。

1. 4年制大学卒業ルート|社会福祉学・心理学・教育学・社会学を専修

このルートの場合だと、社会福祉学や心理学、教育学、社会学といった4つあるうちのいずれかを4年生大学で専修すると、卒業したあとに任用資格を得られます。
ただし、近年では、学校によっては学部・学科などの区別がむずかしいこともあるので、履修しようとしているものが任用資格を得られる科目なのかどうかを事前に確認しておくのがおすすめです。

2. 社会福祉士ルート

社会福祉士の資格を取得すると同時に、指導員の任用資格も得られます。社会福祉士とは、福祉を必要とする人たちの相談に乗り、その人たちが必要とするサービスを提供する資格のことです。
この資格を取得するためには、まず受験資格を満たしていることが大前提で、さらに試験を合格している必要があります。子どもだけでなく、社会全般の障がい者支援に興味があるのでしたら、このルートがおすすめです。

3. 精神保健福祉士ルート

この資格も、社会福祉士と同様、資格取得時に任用資格を取得できるルートのひとつです。そもそも精神保健福祉士とは、心になんらかの病を抱えている人が社会復帰するための相談を受けたり、日常生活へ適応するための訓練や援助をおこなったりするのが仕事です。
福祉のなかでも、精神保健に興味がある人は精神保健福祉士との同時所得も検討してみてください。ただし、この場合も受験資格を取得したあとに、試験に合格していることが必須となります。

4. 実務経験ルート

「大学はもう卒業してしまったし、今から資格の勉強をするのはむずかしい」と考える人もいるかもしれません。実は児童指導員に関しては、実務経験を積むことでも任用資格を得られるのが特徴です。
このルートには2種類のルートがあるため、それぞれのルートについてくわしく解説します。

4-1. 高校を卒業+2年以上児童福祉事業に従事

こちらは、高校を卒業したあとに、児童福祉事業に2年以上従事することで、任用資格を得られるルートです。
また、高校を卒業していない場合でも、高卒認定資格取得のような高校と同等の中等教育を修了したのち、児童福祉事業に2年以上従事すれば任用資格を取得できます。

4-2. 3年以上児童福祉事業に従事+認定

もしも前項の中等教育を修了という条件を満たしていない場合でも、児童福祉事業に3年以上従事して、都道府県知事の認定を受けることができれば、任用資格を得られます。
ほかの資格なども必要ないため、資格取得の時間が取れないなどのお悩みをお持ちの方は、働きながら児童指導員の資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。

5. 教員免許ルート|幼稚園教諭・小中学校・高等学校の教員免許+認定

小学校から中学校、高等学校、中等教育学校などの教員免許を持っている人も、任用資格の取得が可能です。
また、2019年4月以降は、幼稚園教諭の免許も含まれるようになりました。ただ、その一方で保育士免許は対象外となっているため、注意しましょう。

公的施設で働くには公務員試験の受験が必要!

公立の施設で勤務する際には、公務員試験を合格する必要があります。児童指導員の資格のみでは勤務できないので注意しましょう。
公務員試験は自治体ごとに受験年齢制限や受験項目が違うため、事前に受験可能かどうか、希望の自治体の募集要項を確認する必要があります。また、受験する際には児童指導員の資格が必要かどうかの確認も忘れないでください。

東京都|福祉2類

東京都の場合は、東京都福祉保健局から福祉(2類)という分野で児童指導員の募集が出ています。ここで注意が必要なのが、公的施設の児童指導員求人は自治体ごとに受験年齢制限や募集要項も異なるということです。
東京都以外にお住まいの方の場合は、各自治体の児童指導員募集の求人を確認しましょう。ここでは、東京都の実際の児童指導員募集要項をご紹介します。

受験資格|社会福祉士・精神保健福祉士・児童指導員資格など

東京都の受験資格としては、年齢制限と保有資格の2点が条件として設けられています。年齢に関しては、採用日に20歳以上36歳未満であること。そのため、受験日に19歳であったとしても、採用日に20歳を超えていれば受験をすることは可能です。
一方、保有資格は保育士や社会福祉士などを含む以下のいずれかの資格を保有するか、短大を卒業した方が対象で、社会福祉関連事業で働いた経験が2年以上の方だと定められています。
・保育士
・社会福祉士
・精神保健福祉士
・児童指導員
・児童生活支援員
・児童自立支援専門員

選考方法|筆記試験・グループディスカッションなど

受験は1次選考と2次選考があり、1次選考は択一式の筆記試験、作文(600~800字)、口述試験(集団面接)。1次選考の合格者が2次選考に進み、2次選考ではグループディスカッションと口述試験(個人面接)が設けられています。
1次選考の筆記試験は一般教養と専門知識を幅広く問われるため、事前に対策をしておくようにしましょう。

職務内容・配属先|児童自立支援施設や児童相談所

おもな配属先は、児童自立支援施設や児童相談所、児童相談所一時保護所など。そのほかにも、療育センター、都立病院などがあります。このような施設でおこなう業務内容は、児童や障がいのある人に対しての支援のほか、児童相談所での相談援助などです。
児童指導員は子どもの未来を担う重要な役割でもあるため、公的施設以外でも需要が高まっています。
詳しい求人情報はこちら:https://relax-job.com/kaigo

新潟県長岡市

新潟県長岡市の場合も、児童指導員の募集があります。実際の受験要件や選考方法、仕事内容を知って、児童指導員の採用条件や採用方法に地域差があることを知りましょう。

受験資格|社会福祉士・精神保健福祉士・児童指導員資格など

新潟県長岡市の受験資格には、児童福祉施設の設備・運営に精通している児童指導員の資格を保有していることと、以下の基準に該当しないことが求められます。
(1) 日本の国籍を有しない者(博物館専門職員I種、保育士及び児童指導員を除く。)
(2) 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者
(3) 長岡市職員として懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から2年を経過しない者
(4) 日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者
(5) 平成 11 年改正前の民法の規定による準禁治産の宣告を受けている者(心神耗弱を原因とするもの以外)
引用元:新潟県長岡市:令和4年度 長岡市職員採用試験案内

選考方法|筆記試験・個別面接試験

選考試験には、筆記選考試験と1次面接・2次面接があります。筆記試験では、択一式の教養科目のテストと社会福祉・心理・社会学概論に関する専門試験、適性試験を受けます。

筆記試験で合格したら、今度は個別面談の1次面接・2次面接を受けましょう。2次面接の個別面談で合格したら、晴れて児童指導員として採用されます。

職務内容・配属先|児童福祉施設

おもな配属先は、児童福祉施設で、支援が必要な子どもに対しての発達・自立支援を行い、保護者とのコミュニケーション、関係機関との連絡役も任されます。

資格が活かせる職場は?|児童養護施設・障害児入所施設などの児童福祉施設


児童指導員として活躍できる職場は、以下の施設があります。
・児童福祉施設
・福祉型児童発達支援センター
・医療児童発達支援センター
・福祉型障害児入所施設
・医療型障害児入所施設
・放課後等デイサービス
・乳児院
など
このように、生活面や発達面で困っている子どもがいる場所がおもな職場です。この章では、児童指導員が働ける場所ごとの業務内容の特徴について見ていきましょう

児童福祉施設

児童福祉施設・児童養護施設は、保護者によるネグレクトや経済的な理由で養育できない場合に子どもを預ける福祉施設。入所可能な年齢は、基本的に2歳から18歳までです。

保護者の代わりとなって、子どもの心身の成長を見守る支援が求められます。

児童指導員だけでなく、医師や看護師、調理師、看護師など幅広い職種の職員が協力し合って、子どもたちの成長をサポートしていく施設です。

児童発達支援センター

未就学児(6歳未満)で障がいを抱えている子どもを対象として、日常生活を支障なく送るための機能訓練や自立支援を行う施設です。他の子どもや大人との交流をすることで、就学に備えた子どもを集団訓練することも重要な業務に含まれます。

障害児入所施設

心身に障がいを抱えている18歳までの児童が対象で、日常生活の指導や知識・技術の指導を行う施設です。継続支援が必要と判断された場合には、20歳まで支援を延長できる制度もあります。

また、知的障害や視力・聴力に障がいを抱えている方向けの福祉型、医療的ケアを必要とする方向けの医療型の2タイプに分けられるのが特徴です。

通所型と入所型があり、子どもが抱える障がいの度合いや保護者と意向によって、どのタイプの障害児入所施設を利用するかは変わります。

障がいを抱えた児童に対して、中長期的な福祉・医療サポートをしていく職場です。

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放課後等デイサービス

障がいを抱えた子どもを対象として、放課後や夏休みなどの長期休暇の間に地域交流や生活技術、技能の向上をサポートする施設です。保護者や教育機関などと連携しながら、成人後の生活を見据えた自立支援を行っていきます。

乳児院

乳児院は、0歳・1歳を対象とした養護施設です。保護者のネグレクトや子どもの養育をできない状況にある際に利用します。児童指導員や医師・看護師などが連携して、子どもの健康を管理しながら、心身の成長をサポートしていく施設です。

児童指導員のやりがいや魅力は?


児童指導員として働くにあたっては、どのようなやりがいや魅力があるのかを知っておくことで、自分自身が就職先を決める際の参考になるはずです。この章では、児童指導員として働く魅力について再確認してみましょう。

子どもの成長を身近で見守ることができる

児童指導員の魅力は、子どもたちと近い距離で接することで、日々の成長を間近に感じられる点です。子どもは一人ひとりに個性があり、日々成長していきます。

子どものそばにいて接することで、喜怒哀楽を一緒に共有でき、子どもたちとのかけがえのない時間を過ごしながら、成長を見守れることが大きな魅力です。

子どもたちと一緒に生活していると、子どもとの衝突や誤解もありますが、それ以上にやりがいを感じられる仕事だといえるでしょう。

子どもとの信頼関係を築けた喜びを感じる

児童養護施設などに入所してくる子どもは不安や緊張感を抱えていて、うまく周りになじめないこともあります。しかし、児童指導員として、子どもの話を聞いて、真摯に対応することで、子どもが自分に対して心を開いてくれる瞬間が来ます。

子どもと心が通じた瞬間に、大変だったけれど仕事をしていてよかったと思うはずです。

保護者の手助けもできる

児童指導員の仕事には、保護者との面談を通して、子どもの日々の様子や成長過程について伝えると共に、保護者からの育児相談を受けることもあります。

また、子どもの排泄や入浴、食事などの身辺介護をすることで、保護者の負担を緩和するのも、児童指導員がはたす重要な役割の一つと考えられるでしょう。

子どもからだけでなく、保護者からも感謝される点が特徴的な仕事だといえます。

児童指導員は子どもたちの生活と成長を支えるやりがいのあるお仕事!


この記事では、児童指導員の仕事の概要やなり方、働く場所、やりがいや魅力について解説しました。児童指導員は大変な側面もありますが、支援が必要な子どもの成長を見守り、子どもの保護者からも感謝される、とてもやりがいのある仕事です。

子どもをそばで見守りながら成長を支える、やりがいにあふれた仕事を探している方は、児童指導員の仕事を検討してみてはいかがでしょうか?

引用元
職業情報提供サイト(日本版O-NET) :児童指導員
厚生労働省:社会福祉士・介護福祉士等
厚生労働省:精神保健福祉士について
東京都福祉保健局:福祉(2類)の募集について(令和4年4月1日付採用)
東京都福祉保健局:福祉(2類)
新潟県長岡市:令和4年度 長岡市職員採用試験案内

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