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介護・看護・リハビリ 2020-07-18

【介護レクリエーションvol.5】手指の運動を促す「レクリエーション」

現場で実践するレクリエーションのネタにお困りの介護従事者さんに向けたアイディアをご紹介する「介護レクリエーション」の企画。今回は、握る、開く、弾く、つまむ、押すなど、たくさんの動作がある「手指の動き」の向上を図るレクリエーションをピックアップ!

洗濯バサミで取ってみよう!

【対象者】健常者、片まひの方など、すべての方が対象
【レクの目的】手指の巧緻性の向上、手首の柔軟性の向上、握力の強化、対人関係能力の向上、脳の活性化
【人数】1人~多数
【実施に好ましい場所】ホール
【必要な道具】洗濯バサミ、ゼムクリップ(たくさん)、チラシで作ったカゴ2つ、ストップウォッチ、テーブル、椅子
【制限時間】10~60秒がおすすめ
【レクリエーションの内容】洗濯バサミを使って、ゼムクリップを空の箱に移しかえるゲームです。手指の感覚向上アップのほか、脳を活性化する効果も期待できます。

レクを始める前の準備

・チラシでカゴを作っておきましょう。
・テーブルの上に、洗濯バサミと、チラシで作ったカゴを二つ置き、片方に大量のゼムクリップを入れておきましょう。参加人数分の椅子を配置しておきましょう。

遊び方

洗濯バサミでゼムクリップをはさみ、空のカゴに移します。

進め方のコツ

・つかむ力が弱い方には、指の曲げ伸ばしのストレッチを行ってから始めるように促しましょう。
・慣れてきたら「10秒でいくら移せるか」といった個人対抗や、「全員でいくつ移せるか」などのグループ対抗形式にしても楽しめます。
・利き手でできたら、反対の手でもチャレンジしてみるように促しましょう。

注意点

認知症の症状を持っている方は、ゼムクリップをポケットに入れてしまったり、場合によっては口腔内に入れてしまう方もいます。利用者のレベルに合わせて付き添いや提供の仕方を話し合って下さい。

スポンジつかみ

【対象者】健常者、片まひの方など、すべての方が対象
【レクの目的】手指の巧緻性の向上、手首の柔軟性の向上、握力の強化、対人関係能力の向上、脳の活性化
【人数】1人~多数
【実施に好ましい場所】ホール
【必要な道具】3cm角のスポンジ30~40個、チラシで作ったカゴ、記録用のホワイトボード、テーブル、椅子
【制限時間】10~60秒がおすすめ
【レクリエーションの内容】スポンジをひとつかみして、取れた数を競います。上肢全体の動作になるため、日常生活動作に大きな効果が期待できます。

レクを始める前の準備

・スポンジを用意し、机の上に山積みにしておきましょう。

遊び方

スポンジをひとつかみして、取れた数を数えます。スタッフは、数をホワイトボードに記録しておきましょう。

応用編

スポンジに1~9までの数字を事前に書いておきます。スポンジをひとつかみして、つかんだスポンジに書かれている数字を足し算しましょう。利き手でできたら、反対の手でもチャレンジしてみましょう。

注意点

認知症の症状を持っている方は、スポンジをポケットに入れてしまったり、場合によっては口腔内に入れてしまう方もいます。利用者のレベルに合わせて付き添いや提供の仕方を話し合って下さい。

体を動かす動作は、運動機能や感覚機能の指令が脳から出されることでできる仕組みになっています。とくに手指に関しては細かい指令が出されるため、手指を動かすことで脳を刺激し、機能向上、行動範囲の拡大の効果も期待できるそう。利用者さんのペースを配慮しながら、是非現場で取り入れてみて下さい!

イラスト:SMILES FACTORY
文:小沼奈央(レ・キャトル)

教えてくれたのは…

大野 孝徳さん

合同会社A-assist代表、介護福祉士、介護予防指導士、レクリエーション・インストラクター。学生時代は子ども会集団指導者講師として岐阜県内でレクリエーション指導に従事。そこでの経験が評価され、介護業界に入職。介護職・相談員・管理職、在宅・施設両面での介護業務と、介護現場において幅広く活躍。2016年に独立し、A-assistを設立。訪問型介護予防体操教室やレクリエーションサポート活動を展開。現在も現場に入り介護福祉士として従事する傍ら、「え~(良い)アシスト」を提供するべく全国を対象に事業を展開している。

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